和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

生活

親と子の葛藤

親と子の葛藤 今年は義母が無くなって満八年になります。一昨年、七回忌を執り行う予定でしたが新型コロナの影響で延期となり、遅ればせながら来週末に二年遅れの法要を執り行う予定でした。久しぶりに兄弟姉妹とそれぞれの家族が集まるので、菩提寺での法要…

妻の不機嫌

火傷 先週、妻が左手を火傷したので、近所の総合病院に連れて行きました。私の仕事の打合せが延びて夕飯の支度の時間を過ぎていたため、妻が気を利かせて準備を始めてくれたのですが、鍋に沸かしていた熱湯を誤って手の甲にこぼしてしまったのです。患部をす…

普通の生活

低空飛行 私は入社直後に地方の事業所の労務課に配属になりました。給与関係の仕事をしていると、年代毎にもらえる給料が見えてきます。自分もこの会社で働いていれば、五年後、十年後にはこのくらいの給料がもらえるのか、などと勝手に期待していました。 …

趣味の世界

暇つぶし 趣味と言うのは、それに興味の無い他人から見ればお金と時間の無駄使いにしか見えないものなのかもしれません。 読書は若い時からの趣味だったのですが、ここ数年、読書量は激減していました。書店に立ち寄る頻度は以前から変わりませんでしたが、…

薄氷の上の自分

休職中の同僚 私の部署に病気休職中の同僚がいます。彼が休職扱いとなったのは昨年の八月のことでしたから、もう一年近く自宅療養を続けていることになります。今は会社の産業医が定期的に彼と面談して人事部に報告する他は、私を含め極一部の親しい同僚が時…

思い続ける気持ち

お互いの気持ちは二の次 結婚して三十年近くも経つと、妻も私も日々お互いの気持ちを確かめ合うことなどしなくなりました。海外駐在中は、周りを見渡すと、私たちよりも上の年齢の夫婦でも、人目を憚らずにキスしたりハグしたりするのは当たり前で、そのよう…

睡眠と体調

心の平穏 私は加齢による気力や体力の衰えは、多少抗うことは出来ても認めて付き合っていく他無いと諦めていましたが、若い時の筋力や瞬発力を取り戻すのは無理だとしても、持続力・スタミナに関しては、ある程度の年齢を越えても改善の余地があるのではない…

内緒の話(1)

言わない約束 今でも家族の間で笑い話のネタになるのエピソードがあります。 下の娘がまだ幼稚園に上がる前、妻がとある資格試験にめでたく合格しました。私は妻が以前から欲しがっていた財布をお祝いに買うことを思い立ちましたが、平日は時間が無かったた…

梅酒作り

一周回って 新型コロナ対策の一環と言うとやや大袈裟ですが、極力外出を控えるようにしていた時期から大手スーパーの宅配サービスを週に2回ほど利用するようになりました。予め購入する品物を決めておくので無駄な買い物が減り食費が抑えられるようになった…

共同生活のルール作り

続く治療 闘病中の妻は、5月の連休以降血液検査の数値が良くないことから、約1か月半の間抗がん剤による治療を中断していましたが、今週から投与する薬を体への負担が少ない分子標的薬に変えて治療を再開することとなりました。 主治医の先生からは、今度使…

妻の時給、夫の時給(2)

lambamirstan.hatenablog.com 共同生活の損得 結婚や同棲を始める時に、共同生活のメリット・デメリットを慎重に検討する人もいるのでしょうが、私たち夫婦の場合、結婚そのものがその時の勢いに任せたところがあり、婚前の同棲期間もありませんでしたので、…

妻の時給、夫の時給(1)

自分の価値 今とは違い、私の若い頃は残業が当たり前の時代でした。平日は終電で帰ることがほとんどで、帰宅後はゆっくり湯船に浸かる時間など無く、布団に潜り込んだと思ったら朝になっている – そんな毎日でした。 入社当初に配属となった地方の事業所での…

生きがいに費やす時間

やりがい探し 仕事を続ける上で、やりがいや張り合いと言ったモチベーションは欠かせないものです。私は、職場での人間関係の悩みや担当業務のミスマッチなどが無いにも拘わらず、仕事の意欲を喪失してしまった社員を何人か見たことがありましたが、仕事に対…

貯められないもの(2)

見えなかった有難み この二年間で私が痛切に感じたのは健康であることの有難みです。食事を美味しく頂いたり、散歩に出かけたり、あるいはつまらないことで頭を悩ませるのも心身ともに健康であってこそ出来ることです。 妻はリハビリ勤務を始めてから表情が…

貯められないもの(1)

母の日 上の娘は今年で社会人三年目です。学生の頃は親の目から見ても心許ない娘でしたが、いざ就職すると仕事に対する責任感が芽生えたのか、会社員らしい雰囲気が出て来た気がします。 そんな娘も週末は疲れが溜まっている様子を隠し切れません。入社当初…

居場所探し

記念旅行の計画 妻と私は来年結婚三十周年を迎えます。コロナ禍と妻の治療とでこの二年、遠出する機会も無く過ごして来ましたが、その分旅行積立が貯まっているので、来年は少し贅沢な三十周年記念旅行を楽しもうかと妻と話をしているところです。 思えば、…

フレンチトースト

気まぐれのパン食 私は基本的に米食派なので、パンは年に数えるほどしか口にしません。 朝は掃除と洗濯を終えた後の塩おにぎりと味噌汁、それに濃い目のコーヒーが私の定番です。おにぎりとコーヒーと言うのも、昔から妻に「それはおかしい」と言われ続けて…

春のざわざわ

春のざわざわ 私はこれまで、季節の変わり目には心が不安定になるものだと思っていました。春のざわざわ。原因の分からない不安感。桜の花が綻び、心地の良い気候に変わっていくのに反して沈みがちになる自分の心。仕事のことで悩むことなどないように“距離”…

狭くなる世界

治療の先 ここ数日、妻は精神的にあまり良いとは言えない状態が続いています。 抗がん剤の投与は来月半ばで終了し、その後精密検査を受けることになっています。三週間ごとの抗がん剤投与。その副作用に本人が一番つらい思いをしていたのですが、妻の苦しん…

早く生きる人生

「いつでもできる」ための条件 一昨年、私はこれまでに経験したことが無い体調不良に見舞われました。排尿障害と倦怠感。排尿障害は尿路感染症によるものだとお医者さんに言われましたが、加齢と過労から来る免疫力の低下では無いかとの説明で、それ以上原因…

対岸の火事

空虚な同情 これだけ世界が小さくなり、地球の裏側の出来事もリアルタイムで知ることが出来る世の中では、他人事も他人事として脇に追いやるのが難しくなりました。 1990年の夏、湾岸戦争が始まった時、生中継で映し出される戦闘に衝撃を受けた記憶がまだ残…

もったいない教

ゴミは少なく 我が家のモットーは二つ。無駄なものにお金を使わないこと、そして、物を粗末に扱わないことです。 妻は、断捨離した衣類もパッチワークしてランチョンマットにしたり台布巾にしたりと、使い潰すことに情熱を注ぐタイプです。今も体調の良い時…

腰痛

腰痛は忘れた頃に 先週、数年ぶりに腰痛に見舞われました。 家では、折りたたみ式のテーブルにパソコンと書類を広げてその前に胡坐をかいて仕事をしています。以前は、“机に椅子”で仕事をしていたのですが、契約書の読み込みをしている時には、長時間同じ体…

知る必要の無いこと

義兄 妻は末っ子で一番上に姉、その下に兄二人がいます。下の兄は高校を卒業後、土木関係の技師として勤め上げ、昨年半ばに定年を迎えました。妻とは十歳も離れているので、もうそんな歳であることは言われなくとも分かってはいましたが、妻は自分以外の姉兄…

反面教師

父の定年 私の父親は都内の下町で小さな会社を営んでいました。私が中学に上がる頃まで順調だった事業は、その後低迷し、数年のうちに赤字操業に陥りました。景気の良かった時に手に入れたレジャーボートや会員制別荘の権利など換金出来るものを処分して会社…

白髪と老眼

白髪と若作り 年波は誰にでも平等にやって来るものです。気力や体力の衰えを認めるのは嫌なものですが、いつまでも抗い続けることは出来ません。 避けて通れないことを嘆くくらいなら、加齢を楽しむ心のゆとりを持っていた方が気が楽だと言うことは以前記事…

愛おしさのチリツモ

ルーティンワーク 私の勤め先はフレックスタイムを採用しているので、一日の仕事の始まりと終わりは自分で決めることが出来ます。私の場合、今は完全在宅勤務で、始業は朝8時。途中1時間の昼休憩を挟んで午後4時半の終業後は自分や家族のための時間として自…

良いワインの日

ワイン知らずの俄か勉強 私は食通ではありません。外食して、口にしたものが美味しいのかそうでないのかは分かりますが、使われている素材の産地やどのような方法で調理されたのかを全て言い当てることなど出来ません。お酒も然りで、飲んでいるものが美味し…

お金の使い心地

得難いものは失い難い 我が家では、これまで何度か断捨離を決行し、私も私物をかなり整理してきました。それでも、悩んだ挙句に買い求めた物は、役目を終えた後でも処分できずに手元に残しています。 上の娘が生まれる直前に買った一眼レフのフィルムカメラ…

家計簿と小遣い闘争

家計簿代行 妻の闘病生活が始まって以来、私が家計簿の管理を担当することになりました。 妻は家計簿を手書きでつけることに拘り続けていました。今のご時世、表計算ソフトもあれば、使い勝手の良い家計簿アプリもあるはずなのに、そのような便利なツールに…