和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

2024-01-01から1年間の記事一覧

幸福序論

自棄酒とガス抜き せっかくゴールデンウィークが始まるというのに、下の娘は上司とやりあったらしく、ひどく落ち込んで帰っていました。 一年間努力して、自分では十分な成果を上げたと思っていても、上司がどう評価するかは別の話です。そんな当たり前のこ…

小遣い使途

大概の支払いはキャッシュレスで行なえるようになったため、流行に疎い私ですら、普段の買い物で現金を使うことはあまりなくなりました。自分の財布に何かあった時のために一万円札を一枚入れてありますが、それに手を付けることはありません。 以前は袋分け…

目標不在

新入社員 来週から私の部署に新入社員が配属になります。通常、新入社員に仕事を教えるのはすぐ上の先輩社員と相場は決まっていますが、我が部の場合、三十代半ばの中堅社員が“すぐ上”の先輩、対する新人は女性とあって、部長や課長が心配しているという話が…

働きにくさ

前回の記事で触れたとおり、私の職場はコロナ禍以前の勤務形態に戻りつつあります。在宅勤務日数の制限もさることながら、執務室の人口密度上昇で以前よりも働きにくい職場になってしまったのではないでしょうか。 物理的な職場環境の悪化や働き方の不自由さ…

働き方改悪

新年度より就業規則が改定となり、在宅勤務は週二日までに制限されました。コロナ禍において導入された在宅勤務。社員の間では評判が良かったはずなのですが、会社が気に食わなければ、社員にとってどんなに良い制度も取り上げられてしまうのだと分かりまし…

欠員補充

新年度を迎えて一週間が経とうとしています。私の部署には新入社員一名が配属されることになっており、新人研修を終えてゴールデンウィーク前には欠員の穴が一つ埋まることになりますが、それで部署の仕事が俄かに楽になるわけではありません。 新入社員を受…

再雇用嘱託の退職

使い勝手 来週から新年度というタイミングで三月の人事異動の追加発令が公表されました。追加されたのは両手で余るほどの自己都合退職者。その半分は定年退職後に再雇用された嘱託社員でした。 六十歳の定年後、本人が希望すれば五年間は嘱託として働ける制…

春先

春先のこの時期、私にはあまり良い思い出がありません。数年前の今頃、数十年前の今頃、自分が何をしていたか頭を過ることがありますが、それらは大概不快な記憶です。失恋の痛手、受験の失敗、メンタル不調 - 。同じ時期の良い思い出を探そうと思えばいくら…

母の長話

年に一回、高齢の母親に認知症の検査を受けさせるようにしています。 本人は、「ボケ老人扱いするな」と言うこともあれば、「いよいよボケてきたのかもしれない」と弱音を吐くこともあります。自分の都合の悪い時はボケたふりをしているのかもしれません。 …

折り合い

キャリアのために 以前、ある中堅社員が、育児休業を取得した後に自分の評価が大きく下がったと嘆いていました。それは今まで順風満帆で、同期の中でも出世頭だった彼のプライドを大きく傷つけました。 結局、彼は転職して会社を去って行きました。最後の会…

休職期間満了

以前の記事で触れた休職中の同僚が、休職期間満了となり退職します。 lambamirstan.hatenablog.com 先週送られてきた彼からのメールには、今月末で退職することと、私からの返信は無用であると書かれていました。二年近く続いた彼とのメールのやり取りは、あ…

謝罪と勝ち負け

「謝って済むなら警察は要らない」という言葉は、私たちの文化に根付いています。確かに、多くの場合、謝罪は問題を解決する第一歩です。しかし、最近の社内を見渡すと、謝罪を「勝ち負け」の一環として捉えられ、頭を下げることを拒む社員が増えているよう…

寄る年波

老眼 この一~二年で視力が急激に悪化しているようです。目の疲れを感じることも多くなりました。 四十代半ばにお医者さんから老眼だと言われ、眼鏡を新調してからしばらくの間は文字の読みづらさから解放されていました。 しかし、老眼が進むにつれて目の霞…

イライラとカリカリ

心配事 妻は三年前の手術の後、毎年今くらいの時期に検査を受けています。がんは寛解とはならないものの、薬でコントロールできているようで、主治医の先生からは経過良好と言われています。 今年も検査の日が近づくにつれて、妻が沈みがちになっているのが…

歯がゆい思い

使えない有休 年度末が近づき、人事部からは有休消化を促す“お触れ”が回ってきました。かつて、残業時間“ほぼ”ゼロを達成し、有給消化率も九割を超えた我が部署ですが、それも今は昔。業務量はそのままに欠員が常態化している今の体制では、与えられた有休の…

キャリア採用

私の会社の人事部は非常に権威的なところがあって、自分のところの部署には中途採用者を配属させることはほとんどしてきませんでした。ほとんどの部員は入社以来人事畑で“純粋培養”された社員です。十年近く前に、ダイバーシティ推進グループを立ち上げた際…

変化する人生観

異動の打診 今年に入ってから二度、異動の打診を受けました。子会社の管理職のポジションです。四月の“大異動”まであと一か月余りとなりましたが、人繰りがつかないとの噂を知らない社員はいません。 昨年も何度か異動の打診を受けた私でしたが、すべて断り…

メンタルケア

病気休職からの復帰 先日、病気休職になった同僚の話を記事に書きました。 lambamirstan.hatenablog.com 毎年開催される社内の健康管理セミナーでは病気休職者数の統計が公表されるのですが、とりわけ精神疾患による休職者数が微増傾向にあります。 たしかに…

料理作りの張り合い

料理作りの張り合い 今の家を建てる時に、私の身長に合わせてキッチンを設えてもらいました。「どうせ週末しか料理をしないのに」と文句を言う妻を押し切ってまでそうしたのは、たまの料理作りが私の息抜きになっていて、それを老後の楽しみのひとつにしたい…

中堅社員の休職

中堅社員の休職 年明けから年度末の三月までの間は、子会社の決算や予算策定でどこの部署も忙しく、それに伴って職場の“鬱度”も高まります。若い頃の私が精神的に不調を来たしたのもこの時期なので、個人的に春先はあまり好きな季節ではありません。 私のよ…

通院の付き添い

三週間に一度、妻は抗がん剤の投与を受けています。倦怠感や吐き気、発熱やお腹の不調、それらがようやく治まる頃に次の通院日がやってきます。 そんな繰り返しは、そばで見ている私にとってもつらいものでしたが、今は比較的副作用の軽い薬になり、以前に比…

楽しみな入浴時間

寒い季節、入浴時間は私の楽しみのひとつです。少しぬるめのお湯に肩まで浸かって雑念と戯れているうちに体の芯が温まってきます。以前は肩こりに悩まされていましたが、ゆっくり湯船に浸かるようになってからはそれもだいぶ改善されました。 かつて、日々仕…

娘のホームシック

無駄遣いは授業料 私たちの娘二人には、就職してからある程度の生活費を家に入れさせています。それ以外は自分が自由にできるお金です。お金が足りないと不満を口にする娘たちに、妻は、せめて小遣い帳くらいはつけるように言いますが、娘たちには馬耳東風。…

生きるために生きる

生きがいの向こう側 妻が乳がんの摘出手術を受けてから丸三年が経ちます。がんを全て除去することは出来ず、がん細胞が増え始めたり転移したりする可能性が残るため治療は継続していますが、状態は安定しています。 毎年この時期、健康診断の日が近づくにつ…

我慢不要

我慢不要 上の娘が転職して半月が過ぎました。給料は下がりましたが、自分の自由な時間が増え、夜もぐっすり眠れるようになったと言います。親としては、週末の寝坊は感心しませんが、娘が充電と称する惰眠をしばらくは見守ることにしました。 娘が変なこと…

心の向きの変化

私の「できない病」 一年の計は元旦にありと言いますが、私はここ数年、新年の計画なるものを定めていません。会社なら、新年度に際して新たな目標を設定して、具体的な目標水準達成のための取り組み方針を決めますが、私はそのような抱負は立てず、ただ心穏…

地震と骨折

元日の能登半島の地震。近隣県も大きく揺れました。義兄は、地震直後に今は空き家となっている実家の様子を見に車を走らせました。妻の兄弟姉妹の中で唯一、地元で生活してきた義兄が実家を相続してこれまで手入れを続けてきています。 義兄は実家の管理の他…

親の愚痴と子どもの愚痴(3)

親の期待 今まで義姉の口から吐かれた言葉をつなぎ合わせると、連れ合いと結婚して、三十歳前までに一男一女を儲け、自分は専業主婦としてパートで家計を助けながら子育てもこなしてきた - というのが自負なのでしょう。 結婚して子供を産み育てる - 義姉と…

親の愚痴と子どもの愚痴(2)

発覚 姪のマンション購入は一年余り前の話でしたが、当時それを知っていたのは妻と二人の義兄だけでした。妻は姪から「両親には自分から話すので」と口止めされていました。 私は嫌な予感しかせず、過去の記事でもそのように書いていました。 lambamirstan.h…

親の愚痴と子どもの愚痴(1)

義姉の愚痴 コロナ禍以来、盆暮れ正月に親族で集まることはなくなりました。この正月も義姉から久しぶりに会いたいと言われた妻はそれをやんわりと断ったそうです。年明け早々に身内の愚痴を聞かされたくないというのが理由でした。 私は、妻が義姉を疎んじ…