在宅勤務の逃げ場 (1)

ある若手社員の不調 この記事を書いている2月28日現在、東京都は依然として緊急事態宣言下にあります。私の勤め先では、社員に対して不要不急の出社は避け、原則として在宅で業務を行なうよう指示出ています。 人事部では全社員を対象に、定期的に在宅勤務に…

感謝する喜び (3)

やりたいことリスト 妻は元々心配性で、物事を悪い方に考えがちです。病気の宣告からこれまで、先々のことについていろいろ考えていたはずです。妻が、病気への不安や自分の死について口に出さないのは、それによって私や娘たちとの関係性が、“家族同士”から…

感謝する喜び (2)

宣告 妻は毎年人間ドックを受診しているのですが、昨春のドックで左の乳房に大きな影が見つかり再検査を受けました。そして、7月の連休直前のある日、私と妻は住まいからほど近い総合病院を訪れました。 再検査の結果、妻は乳がんと診断されました。レントゲ…

感謝する喜び (1)

畳コーナー 家のリビングの片隅に3畳ほどの畳コーナーがあります。和室は要らないけれど、フローリングだけでは味気無く、ほんの少しだけ畳を敷いたスペースが欲しい。家を建てる際に妻のそんな要望を形にしたのが畳コーナーでした。 つい半年前まで、私はそ…

子どもの嘘と大人の嘘

嘘の雪玉 私たちは、物心がつく頃から嘘を吐いてはいけないと繰り返し教え込まれてきました。しかし、ほとんどの人はいけないことなのだと知りながら、それでも嘘を吐いてしまいます。 子どもの頃の私は酷いもので、毎日のように嘘を吐いていました。宿題を…

雑談と沈黙

雑談を通して見える人柄 前回の記事で、私の勤め先で行なっている「コミュニケーションタイム」について触れました。 lambamirstan.hatenablog.com その導入当初、ある打ち合わせの後に、別の部の課長から言われたことがあります。「何かの拍子に口をついて…

雑談も仕事のうち?

雑談せよ 私の勤め先では、昨秋辺りから各部での「コミュニケーションタイム」を奨励しています。「コミュニケーションタイム」とは、何ということは無い、部の人間同士で雑談をするだけのことです。 在宅勤務が主流となり、オンラインの打ち合わせや会議以…

リタイア準備とのんびり休日

緊張感からの解放 去年の後半から手掛けていた大きなプロジェクトが一段落して、今月初めに私は部長の職を解かれました。妻の闘病生活が始まり、管理職の仕事を終わりにしたいと会社に伝えてから半年近く経ち、ようやく肩の荷を下ろすことが出来ました。 つ…

転職志願 群れから個へ

プレゼンマシーンの本音 昨年の春まで私の部下だった社員が会社を辞めることになりました。このご時世、退職の挨拶に社内を回ることは出来ないので、残念ながら彼とは顔を合わせることなくお別れとなりました。私は彼から届いたメールに、月並みなはなむけの…

森さんの失言  見える恥、見えない恥 – 補遺 –

前回の記事を脱稿した直後に、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森会長の失言騒ぎが起こりました。知らない方はいないと思いますので、詳細をここで繰り返すことは控えますが、あの方は、国内外から非難を浴びて、ようやく事の重大さは認識したものの、…

見える恥、見えない恥 (3)

見ていて恥ずかしい人 人前で恥ずかしい思いをしたくない - 自意識過剰な人ほど周りの評価を気にするみたいですが、会議でのプレゼンや質疑応答で多少失敗したところで、出席者はそのようなことをいちいち覚えていません。本人が恥じ入るほど周囲の人間は気…

見える恥、見えない恥 (2) - 追記あり -

自分の恥を認めたくない心 誰でも人前で恥はかきたくないものです。大勢の人の前で自分の失敗を嘲笑されたり、叱責されたりすれば、辱めを受けたと感じない人はいないでしょう。部下への注意も、上司への諫言も、人目のつかない場所を選ばなければならないの…

見える恥、見えない恥 (1)

恥と緊張 若い頃の私は、人前で話すことが大の苦手でした。社内会議での案件説明。話の段取りを何度も予習したにも拘わらず、いざ本番となった瞬間に頭の中が真っ白になる。しどろもどろになって、暗記した“セリフ”をロボットのように話すだけで精一杯でした…

人間関係のトリミング

付き合いを断って身軽になる 仕事上の人間関係と異なり、プライベートの生活では、渋々付き合わなければならない相手はそれほど多く無いのかもしれません。 しかし、親類縁者や隣人、子どもの学校関係者など、厄介でも付き合わざるを得ない関係は存在するも…

人脈と信用力

数に頼る信用力 仕事でもプライベートでも、良好な人間関係を欠かすことが出来ません。私のこれまでの経験では、仕事上のストレスは、仕事そのものの負荷よりも人間関係の悩みに起因するものの方が多かったと言えます。相対する人との関係で、相手を信用する…

胡蝶の夢 (2)

記憶装置の悪戯 私たちの脳は不思議なもので、大切な思い出として取っておきたいことは簡単に忘れてしまう一方で、嫌な思い出はなかなか忘れようとしないことがあります。一刻も早く忘れてしまいたい記憶が、不意に、しかも何度も脳裡に浮かび上がって来る、…

胡蝶の夢 (1)

写真とビデオと記憶の整理 誰でも、日々仕事や家事に追われていると、落ち着いて物事を考えるゆとりが持てないと言うことがあると思います。 私の務め先では、通勤時間が減った分生活にゆとりが出来たと言う者がいる反面、在宅勤務で仕事とプライベートの境…

責任感と言う呪縛

責任感に縛られる 職場で信用を勝ち得るにはどうしたらいいのでしょうか。少なくとも、与えられた仕事を途中で投げ出してしまうようだと、次の仕事は回って来ません。周囲からの信用を得るための近道は、コツコツと結果を積み重ねていく以外ありません。 仕…

依存と共存 夫婦のあり方

新しい人格 私たち夫婦にとっての結婚は、当初、“何となく”と言うものでした。もちろん、いい加減なつもりで付き合っていたわけでは無く、結婚は真剣に考えた結果の上での選択でした。しかし、当時の私にとって、それは同棲生活の延長であり、同棲との違いは…

危機感の喪失 見えないコロナ禍収束

コロナはただの風邪か 昨年、渋谷駅前などで「クラスターフェス」なる抗議デモが何度が開催され、ニュースにもなりました。彼らは、新型コロナをただの風邪だとして、マスク着用やPCR検査を“必要無いもの”と主張しました。 コロナ禍以前でも、風邪気味にも拘…

多様性の向こう側

夫婦の役割 私たち夫婦は、結婚当初共働きでした。その後、私の海外駐在が決まり、時同じくして妻は妊娠したため仕事を辞め、専業主婦となりました。妻が再び仕事を見つけ働き始めたのは、私が2度目の駐在を終えて帰国した後、今から約5年前のことでした。 …

コミュニケーション不調 (2)

暗中の探り合い コロナ禍以前の職場では、同じ部署の面々の様子は嫌でも目に入ります。部下の仕事ぶりを見れば、その日の調子も分かります。しかし、在宅勤務が基本になってからはそうは行きません。毎日の定例のミーティングも、仕事の進捗状況を報告し合う…

コミュニケーション不調 (1)

顔が見えない会議 私の勤め先では、昨年の春のステイホームに伴い在宅勤務が開始されましたが、秋頃から、「週の半分は在宅での勤務を行なうことを目途とする」と言う、要領を得ない社令が出されました。裏を返せば、週の半分は会社に顔を出すようにというこ…

当たり前の有難み

日々淡々と ここ最近の年末年始は、家族4人で私の母親の家で過ごすことにしていました。母も毎年孫たちの顔を見るのを楽しみにしていたのですが、この新年は残念ながらそれが叶いませんでした。それでも、元日に母に電話をすると、受話器の向こう側からは思…

価値の変質 (2)

根回しの達人と廊下トンビ 管理職に求められるものは調整能力。私の先輩から何度も言われた言葉です。仕事は部下に任せて、自分は担当している案件に“けち”がつかないよう、社内調整を抜かりなく進めることに専念する。 先輩が言わんとしていることは理解で…

価値の変質 (1)

転職氷河期 組織の中にいて役職がそれなりに上がってくると、自分は会社に認められている、自分には能力がある、と自信を深めることになるのでしょうが、全て自分の力で勝ち取ったものとは限りません。会社の人事は業務能力以外の運・不運にも大きく左右され…

人をつなぎ留めておくもの

虚礼廃止 ひと昔前までは、年の瀬になると慌てて年賀状の準備に追われていたものです。仕事がどんなに忙しくても、三が日内に賀状が先方に届くように気をつけていました。 当時、私の勤め先では、社員の住所録が平然と配布されていた時代でした。年賀状を送…

24時間働けますか?

仕事の成果 仕事は結果・成果が全て。どんなに知恵を絞って時間をかけてやり遂げたとしても、それが結果に結びつかなければ無駄な仕事になります。会社からすれば、残業が多く成果が上がらない社員よりも、効率良く仕事をこなして結果を出す社員の方が好まし…

失ったものと大切なもの

失ったものを忘れるために 大切なのに、その大切さに気がつかない存在を空気に例えることがあります。いつも傍にいることが当たり前になっていて、いざ失いそうになった時に、初めてその大切さを知るのです。 私の部下に既婚者の女性社員がいます。以前、別…

ノンアルコールな人間関係

飲み会に命を懸ける 昨年の年の瀬は、取引先との忘年会でカレンダーが埋まっていました。いつもの年であれば、酒席が続かないよう、“休肝日”を考えながら予定を組まなければならなかったのですが、今年、私の予定表の夜の部は真っ白です。社内に目を向けても…