気楽に生きる

外面と内面 家から一歩外に出ると、誰でも外向きの顔になると思います。家族に見せる“素の”自分を、学校や会社で見せることはしません。 「裏表のない人」は誉め言葉なのでしょうが、それは、外向きとして演じている自分を、相手に関わらず使い分けないこと…

大人になると言うこと

大人の特権 中学に上がったばかりの頃だったと思います。当時はまだ父親の事業も上手く行っていました。父は付き合いで飲み歩くことはほとんど無く、仕事が終わって帰宅すると、ほぼ毎日晩酌をしていました。タバコを燻らせながら水割りを啜る父を見て、私は…

自分らしさを貫くには (2)

敵と味方しかいない世界 (2) 先輩社員のKさんとの関係に悩んでいたSさんは、相談相手のT君と信頼関係を深め、やがて二人は結婚することを決めました。両名からその話を聞かされた私は、結婚後の二人の配置転換を考えなければならないと思いました。 ところが…

自分らしさを貫くには (1)

自分は自分と言う考え方 肩肘張らずに自分らしく生きる – それ自体は人生の目的ではありませんが、私がいつも大切に思っている原則です。 子どもの時分、親や教師などから、ことあるごとに“かくあるべき”と言われ、それに対して、「自分はそうでは無い」、「…

自家製マティーニの話

カクテル実験室 北米に駐在していた頃の話です。ある日、上の娘の高校進学を祝って家族で外食をしました。高校進学と言っても、あちらでは高校も義務教育なので、公立の学校では入試はありません。学区内の決められた学校に進んだだけなので、本人の努力を労…

サラリーマンの垢

気持ちの切り替え 早いもので、私が介護休業に入ってからもうすぐ1か月となります。専業主夫業と妻の介助に専念する一方で、仕事から完全に切り離された生活は、当初、どこか落ち着かない奇妙な感覚が抜けませんでした。 これまでの約30年間は、会社の業務の…

元気な証拠

リハビリ月間 妻は、3月終わりに左乳房摘出の手術を受けて以来、週1回病院に通っています。病理検査の結果、今後の治療方針が決まるそうですが、それまでの間は、抗がん剤の投与もストップしているため、体調が良いようです。 元来、じっとしていられない性…

続 結婚と損得勘定

パートナーと言う道具 私の職場の元先輩の話です。その元先輩、O子さんは妹のM子さんと共にうちの会社に勤めていました。私が入社3年目から4年目で、O子さんはちょうど30歳、M子さんは20代半ばだったと記憶しています。 妹のM子さんは、学生時代の彼氏と結婚…

厚意と感謝

気遣いの輪 電車やバスで、お年寄りや体の不自由な方に席を譲った経験がある人は多いと思います。逆に、具合が悪い時に席を譲ってもらい助けられた経験をお持ちの人もいるでしょう。 見ず知らずの人に手を差し伸べる時、無意識のうちに自分を相手の立場に置…

言葉と気持ち

礼儀作法以前に 自分の思いを正しく相手に伝えることは、コミュニケーションが成立するための根本です。相手に対して感謝の気持ちがあっても黙っていては伝わりません。逆に美辞麗句を並べて感謝の言葉を伝えても、それが本心でなければ、すぐに相手に見透か…

他力本願な夢

語る夢は人任せ 今の時代、テレビのドキュメンタリー番組を真に受ける人はいないと思います。たとえノンフィクションと謳われていても、そこには一定の演出や仕込みがあることを、視聴者は“お約束”として理解した上で楽しむものです。 さて、先日私が見たド…

仕事と家庭 介護休業が始まって

自分のための介護休業 介護休業に入って1週間が経ちました。妻は、たびたび私に対して、会社を休ませることになってしまい申し訳ないと口にします。休業は、私が後悔しないために自らの判断で決めたもので、誰かに強いられたものでは無いと妻に何度となく説…

多様化の裏側

多様化と潜伏する差別 性別、人種、思想などあらゆる領域において、異なる属性を有する人同士がお互いを尊重し、平等に扱われる世の中。私は来たるべき多様化社会を“なんとなく”そのような感じで捉えています。おそらく、これまで生きてきた中で、自分の属性…

自粛生活 シーズン2

頬に受ける風 妻の看病のため、私は今週から約2か月間の介護休業に入りました。妻の予後は良好で、ひと安心しています。妻は退院後もリンパ液を排出するためのドレインパックをつけたままですが、主治医の先生からは、できるだけ体を動かすよう言われている…

自尊心と虚栄心

プライドが許さない 週明け月曜日から、妻の自宅療養のため介護休業に入ることになりました。妻は先週水曜日に左乳房の摘出手術を終えました。コロナの感染予防のため、手術直後に5分間だけの面談が許されましたが、あとは退院日まで直接話をするのはお預け…

空回りする多様化 (2)

空中分解 「ワークライフバランス」、「シルバー人材の活用」、「女性社員の活躍支援」の3本の柱を掲げてスタートした多様化プロジェクトでしたが、一般職全員の総合職への転換は、当の一般職の消極的な反応からとん挫しかけていました。また、一般職を廃止…

空回りする多様化 (1)

形から入る多様化 多様性と言う言葉がもてはやされるようになって、私の勤め先でも人材や働き方の多様化を意識し始めるようになりました。もっとも、これは、世の中の動きに合わせようとする試みであって、社内の必要性から発したものではありませんでした。…

心の対人距離

刻み込まれた嫌悪感 他人の不幸をほくそ笑む者がいます。誰かが歯ぎしりしたり、地団太を踏んだりして悔しがる様。それを見ることに喜びを感じる者がいます。 そのような人間は、人の苦しみを吹聴して回り、陰で悩める人間を嘲笑うことに喜びを感じているの…

不安な回遊魚

来年の桜まで 朝の散歩は、私にとって季節のうつろいを感じるための日課です。 在宅勤務開始以来、朝、小一時間ほど散策します。雨が降っていたら散歩はキャンセル。ルートはその日の気分で決めます。昨年の今頃は妻と一緒に朝の散歩を楽しんでいましたが、…

地位と名誉の値打ち (3)

当たり前だった昇格の終わり 組織の指揮命令系統は、意思決定を円滑に行うための枠組みであり、それぞれの役職に与えられた権限には責任が伴います。 役職が上がると給料も上がるのは、役職に応じた責任が重くなるためであり、個々人の能力や過去の実績の対…

地位と名誉の値打ち (2)

権限と権力の違い 過去の記事でも何度か触れましたが、今の若手社員や中堅社員の中には、管理職になることを望まない者が増えてきています。そこそこの給料をもらえれば良く、余計な責任は負わされたくないと言う考えが、彼らの世代に広がっているように感じ…

地位と名誉の値打ち (1)

幹部社員飽和時代 どこの世界にも、地位や名誉に異常に執着する人がいますが、会社と言う組織の中にも肩書に拘る社員が少なからず存在します。 私が入社してから20年近くの間、会社は年功序列を維持しており、同期入社はほぼ同じ時期に昇給昇格していました…

就職活動考 漂流するモチベーション

目的無き将来 下の娘はこの春から大学3年生になります。私は娘から、どこの会社のインターンシップに参加すべきか相談されましたが、現役の就活生ではない私がそんな相談に乗れるはずなどありません。娘はやりたいことが見つからないと言い、やりたいことを…

白秋の坂道

老いてゆく自分 青春の反対語は白秋と言うそうです。青春は長い坂を登るようだと歌にありましたが、白秋は長い坂をゆっくり下って行くことに例えられるのでしょう。 50代を過ぎた頃からでしょうか、自分の記憶力の衰えを覚え始めるようになりました。仕事で…

夫婦喧嘩と味噌汁の味

性格の不一致とは? 「夫婦喧嘩は犬も食わない」と言うとおり、先人も他所の夫婦の諍い事に口を出すことの馬鹿馬鹿しさを分かっていたのでしょう。私はかつて、知り合いの夫婦が揉めていた際に仲裁役を買って出たことがありましたが、そんな余計なお世話など…

在宅勤務の逃げ場 (2)

心の悲鳴を聞く 風邪で熱がある時に無理やり出社しても、パフォーマンスが上がらずに、かえって風邪をこじらせてしまう - 若い時の私は、そのようなバカなことをしていました。しかし、当時は、“風邪ぐらいで”会社を休むなど弛んでいると考える風潮が強い時…

在宅勤務の逃げ場 (1)

ある若手社員の不調 この記事を書いている2月28日現在、東京都は依然として緊急事態宣言下にあります。私の勤め先では、社員に対して不要不急の出社は避け、原則として在宅で業務を行なうよう指示出ています。 人事部では全社員を対象に、定期的に在宅勤務に…

感謝する喜び (3)

やりたいことリスト 妻は元々心配性で、物事を悪い方に考えがちです。病気の宣告からこれまで、先々のことについていろいろ考えていたはずです。妻が、病気への不安や自分の死について口に出さないのは、それによって私や娘たちとの関係性が、“家族同士”から…

感謝する喜び (2)

宣告 妻は毎年人間ドックを受診しているのですが、昨春のドックで左の乳房に大きな影が見つかり再検査を受けました。そして、7月の連休直前のある日、私と妻は住まいからほど近い総合病院を訪れました。 再検査の結果、妻は乳がんと診断されました。レントゲ…

感謝する喜び (1)

畳コーナー 家のリビングの片隅に3畳ほどの畳コーナーがあります。和室は要らないけれど、フローリングだけでは味気無く、ほんの少しだけ畳を敷いたスペースが欲しい。家を建てる際に妻のそんな要望を形にしたのが畳コーナーでした。 つい半年前まで、私はそ…