和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

2022-01-01から1年間の記事一覧

大晦日

在宅勤務での仕事が主になってからの二年余りで、家の中の様子が大きく変わりました。それまで、共働きで平日は留守にしていることがほとんどだった我が家は「片付かない家」でした。 それが、妻の闘病生活で様子が一変しました。妻にとっては我が家が病室で…

当てに出来ないもの

当てに出来ないもの バブル崩壊後に就職した私は、入社以来これまで、景気の良さを実感したことがありません。いつかまた景気は戻ると期待しながら、気がつけば定年まで片手で数えられる年齢に達してしまいました。 過去に何度か触れましたが、結婚当初に初…

心穏やかに

業務終了 今年も残すところあとわずかとなりました。 週末は、家族四人で小ぢんまりとクリスマスパーティーを楽しみましたが、今年はどういう風の吹き回しか、娘二人が料理を担当することになり、私と妻は、予約してあったケーキの受け取りとお酒とつまみの…

体質改善

職業病 毎年十二月に人間ドックを受診することになっていたのですが、今年は予定していた週に酷い風邪をひいてしまったため、年明けに予約を変更してもらいました。 以前は、人間ドックは憂鬱なイベントでした。肝臓の数値や尿酸値が高めで、毎回お医者さん…

ぬくぬく

快復途上 一週間ぶりに仕事に復帰したものの、何となく本調子ではない状態が続いています。倦怠感とまでは言えないものの、仕事をしていても集中力が続かず、小まめに休憩しながらなんとか目の前の業務をこなしています。 若い頃なら、風邪は働きながら治す…

自主隔離生活

発熱 先週、月曜日の昼くらいから悪寒と倦怠感を覚えたため、熱を測ってみると思いのほか高く、午後休暇を取って地元のPCR検査センターで検査を受けました。結果が判明するのは翌日でしたが、帰宅後、私は寝室で自主隔離生活を始めることになりました。 この…

達成感とカタルシス

他人事 私が管理職を下りた直後、親しい同僚のひとりから連絡がありました。彼は、三十年積み重ねて来たキャリアをあっさりと捨ててしまった私の判断を残念がっている様子でした。 彼は、家族の面倒と仕事を両立させる手立てはあったはずと考え、誰とも相談…

余計な手間

年末ののんびり 今年も残すところ一か月を切りました。この二年間、コロナ禍の影響もあり年末年始に親族が一同に会するようなこともしなくなりました。今年も家族四人でゆったりと新年を迎えることになりそうです。 以前は、年末年始の貴重な長期休暇を無為…

心の壊し方

彼からの手紙 彼からその手紙が届いたのは、退職して三か月余り経った頃のことです。メールに添付された手紙は、細い毛筆体のフォントで認められていて、気軽に読むものでは無い雰囲気を醸し出していました。 入社七年目、海外駐在中に不調を訴えて帰国した…

食事の話

食事の習わし 妻と私は、結婚してからの四年余りの間共働きでした。家事の分担は公平にしようと思っていながらも、帰宅時間はいつも私の方が遅く、平日は先に帰宅する妻が夕飯の支度をしてくれていました。 帰宅が早いとは言え、妻も疲れて帰ってくるわけで…

陰口

陰口 昭和の刑事ドラマなどで出てくる脅迫文は、新聞から切り抜いた活字を組み合わせて作ったものが定番でした。子どもの頃、お遊びで新聞や雑誌を切り抜いて“脅迫文”を作っていて親に酷く叱られたことを覚えています。 下らないことをしている暇があったら…

普通の一日

治療の終わり 妻は現在、三週間おきに抗がん剤の投与を続けていますが、それも来年の三月で終了します。 昨年に受けた手術で切除し切れなかったがんは、その後の抗がん剤による治療でも、大きさをほとんど変えずに残りました。妻のがんは寛解とはなりません…

惰性の法則(2)

惰性の川 私の勤め先に関して言えば、所謂パワハラ上司がいなくなったことで、表面的には職場環境は随分改善されました。 ただし、それは会社の自浄作用が働いたからではありません。世間でハラスメントに注目が集まり、まともな会社であればその対策を講じ…

惰性の法則(1)

燻ぶっている人間 周囲の人々を見下す人間はどこにでもいるのですが、その手の人間は殊のほか自分の評価を気にします。他人は他人、自分は自分、と考えることが出来れば、どれほど気が楽になることだろう – そう思いながら、私は、その二年か三年先輩のSさん…

読み書きそろばん

読み書きそろばん 私が小学生の頃は、学校から帰ってくれば近所の友達と暗くなるまで外で遊んでいたものでした。家で授業の予習・復習をした記憶は無く、親もあまりうるさいことは言いませんでしたが、出された宿題と週二回の珠算塾だけは、サボることは厳禁…

無駄な贅沢

無駄な贅沢 前回の記事で趣味の読書について触れましたが、もう一つ、数十年ぶりに再開したギターの練習が私の趣味“候補”になっています。 中学生でギターを始めた頃、月刊誌の「明星」や「平凡」の付録の“ソングブック”でコードを覚えたのを思い出しました…

暇つぶしと趣味(2)

苦行 子どもの頃、親が私に読書の大切さを説いたのは、それが語彙力をつける近道だからと言う理由でした。知らない漢字や言葉をその都度調べて覚えるのは地道な作業です。しかし、自分の読みたい本の中身を理解するための努力なら苦にならず、その点、親の言…

暇つぶしと趣味(1)

積読解消 長続きしている趣味と言っても私の場合、ありきたり過ぎて、趣味と言えるのか暇つぶしなのか自分でもよく分からなくなることがあります。 時間が無ければ趣味に興じることは出来ないのか、あるいは時間を割いてでも没頭したくなるのが趣味なのか - …

悩みと答え

過去の穴埋め 妻が闘病生活に入ってから、我が家の食事は薄味になり、香辛料を使うようなものは控えるようにしてきました。以前はカレーも辛口のルーを使っていたのが今は甘口。当初は妻の分だけ分けて食事を作っていたのですが、私が面倒になったことから、…

所詮は他人

オロオロ 先日、上の娘が酷く落ち込んで帰って来たことがありました。持ち帰りの仕事があるからと、夕食も抜きで自室に閉じこもった娘。娘の部屋の前でオロオロする妻。こんな状況の時に私が心配するのは、娘本人よりも妻の方です。 娘が不登校になった時も…

師走近く

例年 “例年”であれば、気の早い知り合いは、そろそろ忘年会の日程調整を始める時期です。体を労わらなければならない年齢故、飲み会が続かないようにと予定にはある程度ゆとりを持たせているつもりでも、久しく会っていなかった友人などから声がかかれば、つ…

時間の引き算(2)

労働生産性の土台 私の勤め先では、どの部署も例外無く“労働生産性の高い組織作り”を目標に掲げさせられています。要は、社員の残業時間を減らして有給休暇の取得率を上げよ、と言うことです。 人材流出が止まらない会社において、社員の残業を減らして、な…

時間の引き算(1)

他者に管理される予定 私がまだ仕事に忙殺されていた頃、すでに定年退職していた会社の先輩に飲みに誘われました。定年を迎えるわずか数か月前に奥様に先立たれた先輩は、再雇用の道を選ばずに、「これからは孫の世話を生きがいにしたい」と六十歳で完全リタ…

人を育てる余裕

なんでも屋と職人 今は、組織の活性化の観点から、部門間での定期的な人材ローテーションが必須になっていて、若手、ベテランに限らず、数年毎に異動させられるのですが、ジョブローテーションをルール化した頃から、それぞれの部の特色は薄れ、“顔の見えな…

夢から覚めた町

同じ轍 以前、母親が原野商法に引っかかった話を記事に書きました。 lambamirstan.hatenablog.com 休日、東北新幹線の最寄駅でレンタカーを借りて、その土地を初めて見に行きましたが、分譲地のはずの周辺も含めて全くと言っていいほど手入れがされておらず…

ストレスのお掃除

ストレス解消のルーティン 私の朝のルーティンは、洗濯と風呂掃除、そして掃除機掛けです。夫婦共働きだった頃は - その頃は在宅勤務もなかったので – 掃除は週末にまとめて済ませていました。その時は気がつきませんでしたが、ほぼ毎日家中を掃除するように…

とりとめのない話

早過ぎた鍋 例年、十月に入った最初の週末は、夏物と冬物の入れ替えを行うのですが、今年は寒くなったかと思えば汗ばむ日が戻ってきて、衣替えを見送ったまま一週間余りが過ぎました。 先日は、気温の低い日が続く予報が出ていたので、鍋料理が好きな下の娘…

不安解消のための目標

一貫性の無い慎重派 歳を重ねるに伴って様々な体験を通じて学んだ教訓が蓄積されます。もちろん、それはロールプレイングゲームの経験値のように定量化出来るものではありませんが、教訓のカードが多ければ、そこから先の未来に待ち受けているトラブルを未然…

わがまま姫と家来

わがまま姫と家来 妻と私の間では、新婚時代からの了解事項があって、具合が悪くて寝込んだ方はいくらでもわがままを言えることになっていました。 妻が風邪をひくと、私は、お気に入りのアイスを買いに行かされ、それを寝込んでいる妻にスプーンで掬って食…

子育ての終わりに

親の期待 子どもの幸せを願わない親はいないのでしょうが、妻や私が親として子どもにとっての幸せが何なのかを本当に理解しているのかと言うとあまり自信がありません。 詰まるところ、子育ては手探りの繰り返しで、終えた瞬間に結果が判明するものでは無く…