仕事・転職・定年
1984 ジョージ・オーウェルの「1984」を初めて手にしたのも私が中学生の頃でした。アルヴィン・トフラーの「第三の波」は、情報革命がもたらす負の影響とともにそれを乗り越えるためのヒントを与えてくれましたが、「1984」で描かれた近未来には希望の光はあ…
第三の波 アルヴィン・トフラーの「第三の波」を初めて読んだのは、私が中学生の頃でしたが、当時の私には“情報革命”と言われてもピンと来るものはありませんでした。そのような社会の大変革が起こるにしても、それはずっと先の未来の話程度にしか受け止めて…
危機的状況 二月末に公表された厚労省の人口動態統計の速報で、昨年の出生数がついに八十万人を割り込んだことが判明しました。これは、同省の予想よりも十年余り早いペースだそうです。 「少子化に歯止めがかからない」。同じようなセリフを何度も繰り返し…
不要となる仕事 英文契約書の読み方に関する書籍は数多く出版されていますが、座学だけではスキルを養うことは出来ないので、出来るだけ多くの現物に当たって経験を培うことがスキルアップの近道です。 契約書の読み方以前に、英語の読み書きが出来ることが…
休息 ほんの三年前まで、私の生活は仕事を中心に回っていました。土日祝日も半分以上は出社して仕事をこなしていましたが、「仕事とはそういうもの」と、そのこと自体に疑問を感じることなく生きてきました。 一年を通じてそんな状態だと、たまの休みが取れ…
フリーアドレス 私の勤め先は、新型コロナによる緊急事態宣言を機に出社と在宅勤務を併用するハイブリッド型の勤務形態になりました。依然として感染防止のために部署ごとで出社率を調整しているので、普段の出社率は五割から六割の間に収まっています。 以…
元同僚 昨年末、元同僚からメールが届きました。差出人の名前に懐かしさを覚えた私でしたが、メールアドレスは見慣れないものだったので、「迷惑メールかもしれない」とそのまま放置していました。 ところが、年が明けてからしばらくして、再び同じ差出人か…
他人事 私が管理職を下りた直後、親しい同僚のひとりから連絡がありました。彼は、三十年積み重ねて来たキャリアをあっさりと捨ててしまった私の判断を残念がっている様子でした。 彼は、家族の面倒と仕事を両立させる手立てはあったはずと考え、誰とも相談…
年末ののんびり 今年も残すところ一か月を切りました。この二年間、コロナ禍の影響もあり年末年始に親族が一同に会するようなこともしなくなりました。今年も家族四人でゆったりと新年を迎えることになりそうです。 以前は、年末年始の貴重な長期休暇を無為…
彼からの手紙 彼からその手紙が届いたのは、退職して三か月余り経った頃のことです。メールに添付された手紙は、細い毛筆体のフォントで認められていて、気軽に読むものでは無い雰囲気を醸し出していました。 入社七年目、海外駐在中に不調を訴えて帰国した…
惰性の川 私の勤め先に関して言えば、所謂パワハラ上司がいなくなったことで、表面的には職場環境は随分改善されました。 ただし、それは会社の自浄作用が働いたからではありません。世間でハラスメントに注目が集まり、まともな会社であればその対策を講じ…
燻ぶっている人間 周囲の人々を見下す人間はどこにでもいるのですが、その手の人間は殊のほか自分の評価を気にします。他人は他人、自分は自分、と考えることが出来れば、どれほど気が楽になることだろう – そう思いながら、私は、その二年か三年先輩のSさん…
労働生産性の土台 私の勤め先では、どの部署も例外無く“労働生産性の高い組織作り”を目標に掲げさせられています。要は、社員の残業時間を減らして有給休暇の取得率を上げよ、と言うことです。 人材流出が止まらない会社において、社員の残業を減らして、な…
なんでも屋と職人 今は、組織の活性化の観点から、部門間での定期的な人材ローテーションが必須になっていて、若手、ベテランに限らず、数年毎に異動させられるのですが、ジョブローテーションをルール化した頃から、それぞれの部の特色は薄れ、“顔の見えな…
ストレス解消のルーティン 私の朝のルーティンは、洗濯と風呂掃除、そして掃除機掛けです。夫婦共働きだった頃は - その頃は在宅勤務もなかったので – 掃除は週末にまとめて済ませていました。その時は気がつきませんでしたが、ほぼ毎日家中を掃除するように…
自己都合退職は悪 私の勤め先では、すでに人材不足は“対処すべき課題”から“喫緊の問題”になりました。放置すれば、新規事業の立ち上げなどままならず、例えチャンスが到来しても事業を展開する余力を失ってしまいます。それどころか、既存の仕事も立ち行かな…
仕事のオンオフ 今年も残すところ3か月余りとなりました。 かつての私にとっては、毎年ここから来年の3月まで、胃が痛くなるような時期が続きました。事業計画や予算、来年度の人員計画、部下との面談。仕事が立て込んでくると、いくら自分で“仕事スイッチ”…
父親としての役割 私たちの娘二人は、海外駐在中に誕生しました。当時、男性社員は、子の出産に際して三日間の“特別休暇”が付与されましたが、実家からのサポートの無い中での三日間の休暇はほとんど役に立つものではありません。 駐在先での出産は、私たち…
残業ゼロのしわ寄せ 私が管理職だった頃を振り返ると、自分や家族のための時間がとても限られていたことに改めて気がつきました。当時は、会社での仕事と睡眠を差し引いた残りが、自分と家族に与えられた束の間の時間でした。 私はそれを普通だとは考えてい…
自分の体は自分で守る 私は学生時代にいくつかアルバイトを掛け持ちしていましたが、かなり忙しい毎日を送っていながら体調不良でダウンすることはありませんでした。若くて体力が有り余っていたこともあったのでしょうが、仕事で思い悩むことが無かったから…
役回りとプライド 誰かに対して頭を下げることは決して恥ずかしいことではありません。私は仕事柄、これまで官庁や金融機関とのやり取りすることが多かったのですが、許認可の取得や融資の承認のために何度と無く頭を下げました。 勝手が分からない後輩社員…
会社に求めるもの 私の勤め先の若手社員と話をしていると、長く勤められる会社よりも、自分を成長させてくれる会社を、また、勤続年数に応じて昇給する年功制よりも自身の経験や能力を正当に評価してくれる会社を志向していることが分かります。 会社側は、…
休職中の同僚 私の部署に病気休職中の同僚がいます。彼が休職扱いとなったのは昨年の八月のことでしたから、もう一年近く自宅療養を続けていることになります。今は会社の産業医が定期的に彼と面談して人事部に報告する他は、私を含め極一部の親しい同僚が時…
穴の開いたバケツ 私の勤め先での人手不足の話は尽きませんが、先日人事部から部長以上の管理職に内々に伝えられた要請は、会社の現状を如実に表していると思いました。 それは、自己都合で退職した元社員を呼び戻す“活動”についてでした。それぞれの社員の…
管理職減らし どこの会社でも役位が上がればポストは減ります。私の勤め先も例外ではありません。かつては、幹部社員は本社のポストに“空き”が無ければ、子会社や関連会社の役員や管理職への道が残されていました。 ところが、ある時期、不採算事業からの撤…
一括転換 私の勤め先では数年前の一時期、働き方の多様化を図ろうとして、“ダイバーシティ推進グループ”を立ち上げました。キャリア採用で獲得した女性幹部社員をリーダーに「ワークライフバランス」、「シルバー人材の活用」、そして「女性社員の活躍支援」…
時間管理のマトリックス 私が若手社員だった頃に上司や先輩から読むように進められた本の中に、スティーブン・コヴィーの書いた「七つの習慣」があります。同著はその後超ロングセラーとなっているので、手にした方も多いのではないかと思います。 この本は…
奪われる時間 在宅勤務によって自分の時間が増えたと言う話は過去の記事で何度か触れましたが、それに加えて、担当している業務が自分のペースで進められるので、勤務時間全体に余裕が生まれました。 時間的にゆとりを持って仕事が出来る状態になったことも…
目標は有休未消化ゼロ 間もなく夏休みシーズンとなりますが、私の勤め先は全社的な夏季休暇が無いので、各自が有給休暇を消化して夏休みを取ることになります。 今の部署では、私が部長職の時から部員には予め年間の休暇スケジュールを立ててもらって有休未…
起きるはずだった問題 在宅勤務制度が導入されて三度目の夏になりました。 この制度は、新型コロナの蔓延を奇貨として労働組合が会社に働きかけたことによって実現したもので、当初、会社は状況が改善されれば廃止する「暫定的な制度」のつもりでした。 元々…