和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

お金の使い心地

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得難いものは失い難い

我が家では、これまで何度か断捨離を決行し、私も私物をかなり整理してきました。それでも、悩んだ挙句に買い求めた物は、役目を終えた後でも処分できずに手元に残しています。

 

上の娘が生まれる直前に買った一眼レフのフィルムカメラ。薄給の身としては分不相応な買い物でしたが、我が子の成長の記録を出来るだけ良い写真に残したいと、家計をやり繰りして手に入れた物でした。

 

その後、フィルムカメラが廃れデジカメ時代が到来すると、私は小遣いの中から少しずつお金を貯めて新しいカメラを買い求めました。新旧二台のカメラは、娘たち二人の成長記録を収めるために大活躍しましたが、携帯電話で簡単に“そこそこの”写真が撮れるようになってからは、登場する機会が無くなってしまいました。

 

断捨離の度、妻は使わなくなったカメラをどこかで買い取ってもらうように言いますが、私にはそれが出来ません。これから先も使う機会は無いのかもしれませんが、手元に置いておきたい品に変わり無いのです。

 

断捨離の度に処分するように言われ続けた物のひとつに私のギターがあります。これは中学時代に一年間小遣いを貯めて手に入れた物です。若い頃はほぼ毎日手にしていたのですが、結婚してからはほとんどケースから出すことはありませんでした。

 

引っ越しの度、断捨離の度に、「場所を取って邪魔だから」と、処分対象の候補に挙がりましたが、最近、私の趣味として復活したこともあり、妻も娘もうるさいことを言わなくなりました。処分せずに手元に残していて良かったと思っています。

 

苦労してお金を貯めて買った物や、やり繰りをして何とか手に入れられた物には、自然と愛着が湧いて来ます。カメラもギターも希少価値のあるものでは無いのですが、私としてはこの世で唯一無二の存在なのです。

 

“元を取る”と言う発想

物を買う時に、コスパスループットだけが品定めの基準では無いのでしょうが、どうしても私は少しばかり割高だとしても、長持ちして“元が取れる”ものを手に入れ使い倒したいと考えてしまいます。

 

別の記事で、昨年末に炊飯器と掃除機が駄目になった話に触れました。

lambamirstan.hatenablog.com

 

それぞれ購入時に機能面や価格を比較検討して、“これが一番お買い得”と思っていたものが別にあったのですが、妻はどれも大して変わりは無いと言い、結局その言葉に従った結果、安物買いの銭失いになってしまいました。

 

もちろん、どんな商品にも当たりはずれはあるので、妻の見立てが悪いと責任を押しつけるつもりは無いのですが、私としては、“元を取った”と言う満足感を得ることが出来なかったのが残念でした。

 

新しく買った炊飯器と掃除機。妻からは「一番安いのでいいのに」と文句を言われながらも、一番お買い得感のあるもの私に選ばせてもらいました。妻や娘たちからは、炊飯器も掃除機も「前のものと違いが分からない」と言われましたが、確かに私にも違いが分かりませんでした。これで先代の品物より早く寿命が来てしまうと私の面目は丸潰れになってしまいますが、心配しても切りが無いので元が取れることを期待したいと思っています。

 

元を取ると言えば、私が冬場に来ているレザージャケットは二十年以上着続けています。結構年季が入っていますが、縫製がしっかりしていてまだまだ使用出来そうです。ファッションは流行り廃りがつきものですが、私は流行を追うようなタイプの人間では無いので、ひとつのものを使い続けることが出来るのかもしれません。

 

別のダウンコートも二十年物で、“着古した感”はありますが、私としてはそれが絶妙な味を出していると自賛しているものでした。実はこのコートは、下の娘にねだられて譲ってしまいました。男物のコートなので娘にはオーバーサイズなのですが、娘曰く、そのダボついた感じが良いのだとか。

 

部屋着として使っているスウェットも十年物でヨレヨレですが、家の中で着ている分には問題ありません。インナーはさすがに十年も着続けることはありませんが、着倒した後は、掃除用の“ぼろ布”として転用しています。

 

歯磨き粉は、チューブを絞っても出なくなった後、ハサミで切り開いて中の残りを歯ブラシでほじくって使い切ります。

 

私は使い倒すことや着倒すことに喜びを感じてしまう嫌いがあります。おそらく、節約志向は妻の方が高いのでしょうが、その妻をもってしても私の拘りには勝てないと言います。

 

心地良いお金の使い方

お金は使って初めて価値が生まれるのですが、使い方のメリハリは人それぞれです。誰かと競うように散財して、本当に必要なことに使うはずのお金を使い切ってしまったり、財布の紐をぎゅっと締め続けて通帳の残高を増やすだけでは、お金を価値のあるものに変えられないまま人生を終えることにもなってしまいます。

 

自分にとって心地良いお金の使い方を知ることが、お金の価値を最大限に引き出す方法なのだと思います。