和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

日曜日の夜更かし

九月に入っても厳しい残暑が続いています。それでも、今は出社時の服装はビジネスカジュアルなので、だいぶ楽になりました。かつて、スーツとネクタイが基本だった頃、汗かきの私にとって夏場の通勤は苦痛以外の何物でもありませんでした。

今年は、スーツ姿で出勤したのはわずか数日。法律事務所との打ち合わせの時だけでした。それもノーネクタイです。最後にネクタイを締めたのは思い出せないくらい昔のことのようです。

そんな調子でほとんど袖を通さなかった夏服をクリーニングに出そうかと思案していると、上の娘から、「思い切って処分したら?」と提案されました。たしかに、退職すればスーツの出番はほとんどありません。

というわけで、この週末に仕事着の断捨離と相成りました。夏服一着、冬服二着、ネクタイ数本を残して、あとはきれいに処分しました。

衣類の整理を終えると、その分、体が軽くなった気がしました。まだ日暮れ前でしたが、喉を潤したい気分を抑えきれず、妻と娘を連れて早めの夕食に出かけることにしました。「もちろん、パパの奢り?」 娘は最近益々妻に似てきて、本人もそのことを自覚しているのか、わざと妻の口調を真似てみせます。

思えば、以前の私にとって日曜日の夜は憂鬱な時間帯でした。翌週の仕事のことが嫌でも頭を過り、家族と一緒のひと時を楽しめる気分になれず、早めに床に入るようにしていたものです。当時の私なら、日曜日に家族を飲みに連れ出そうとする気さえ起きなかったことでしょう。

私の懐具合を気遣ってか、妻と娘が選んだのは駅前にあるもんじゃ焼き屋でした。そこに独り暮らしの下の娘が合流して、帰宅後に二次会(?)となりました。

早めの夕食のはずが夜更かしの呼び水になってしまったのは想定外。娘たちのペースに乗せられて、妻と私がほろ酔い加減となったのも、また想定外でした。