和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

管理職のただ働き(1)

意欲的な社員 コロナ禍以前、労働組合からの強い要望により、会社は在宅勤務制度導入の検討を始めたものの、とりわけ人事部は、リモートワークでは上司が部下の勤怠管理を行なえないことを理由に、頑なな態度を崩しませんでした。 もし、コロナ禍がなかった…

来る人去る人

意識調査 毎年、社員を対象とした意識調査なるものがあります。質問項目は多少の違いがあるものの、仕事、職場環境、上司との関係や経営陣の判断等に対して、五段階でそれぞれの満足度を答えて、理由を記す内容になっています。 意識調査の結果は、部長以上…

良い眠り(2)

lambamirstan.hatenablog.com 逃げ場としての睡眠 私の体内時計は、毎朝決まった時間に自然と目覚めるようにセットされているようです。目覚まし時計を枕元に置いてはいますが、この何年間かそのお世話になったことがありません。 最近は寒さが和らぎ、寝床…

卒業

卒業式 下の娘は、自己主張が強く、高校では担任の先生や同級生と衝突を繰り返してきましたが、大学入学を境に相手の気持ちを汲み取ろうと努力するようになりました。そこには、高校時代の苦い経験や、闘病中の親への思いなどいろいろな要因があったのでしょ…

食習慣の見直し

産業医面談 私の勤め先では、健康診断や人間ドックの結果が出た頃に産業医との面談があります。三年くらい前まで私は肥満の境界線上を行ったり来たりしていて、尿酸値も高めで、毎年、産業医の先生からは体重を減らすように注意を受けていました。 それまで…

仕事の付加価値(2)

低付加価値業務 AIチャットの業務への導入に伴い、会社の企画部門からは、来年度の組織目標に“低付加価値業務の見直し”と“余力資源の創出”を加えるようにとの“推奨”がありました。 “低付加価値業務”の定義がなされていませんが、定型の管理業務や会議の議事…

仕事の付加価値(1)

AIチャット 超保守的な社風の私の務め先でも、いよいよ(?)AIチャット・ツールを業務で使用することとなりました。 とは言え、AIチャットを使用するためのガイドラインすら準備出来ていないのが実情です。社内一斉配信のメールで、「AIチャットを使用する…

様々な真実

信奉の反動 先日、会社のコミュニケーションタイムに先輩社員と雑談をしていた時に、最近亡くなった大江健三郎さんの話題になりました。 先輩は、大江さんの熱心な信奉者だったそうですが、沖縄での集団自決を取り上げたルポルタージュ、「沖縄ノート」が名…

トフラーとオーウェル(2)

1984 ジョージ・オーウェルの「1984」を初めて手にしたのも私が中学生の頃でした。アルヴィン・トフラーの「第三の波」は、情報革命がもたらす負の影響とともにそれを乗り越えるためのヒントを与えてくれましたが、「1984」で描かれた近未来には希望の光はあ…

トフラーとオーウェル(1)

第三の波 アルヴィン・トフラーの「第三の波」を初めて読んだのは、私が中学生の頃でしたが、当時の私には“情報革命”と言われてもピンと来るものはありませんでした。そのような社会の大変革が起こるにしても、それはずっと先の未来の話程度にしか受け止めて…

家族らしさ

小旅行 妻の体調の変化は先が読めないので、家族旅行の計画を前もって立てることが出来ません。先月、彼女が熱海の梅まつりに行きたいと言った時も、結局、体調が優れないまま、時機を逃してしまいました。 我が家から熱海までは、日帰りするには遠く、泊り…

運転免許証返納の英断

免許返納 先日、義兄が運転免許証を返納しました。今年の夏に七十五歳になる義兄は、年齢よりも若々しく見え、これまで無事故無違反のゴールド免許保有者でした。 そんな義兄が、昨年末に自損事故を二度起こしました。そして、今月に入って、車庫入れの際に…

花粉症対策

発症 今年は花粉の飛散量が過去十年で最大となり、昨年の12倍に達すると報じられています。我が家の女性陣は毎年、これからゴールデンウィークあたりまで大変な時期を過ごすことになるのですが、私は幸いにしてこれまで花粉症とは無縁でした。 ところが、今…

拍車のかかった少子化

危機的状況 二月末に公表された厚労省の人口動態統計の速報で、昨年の出生数がついに八十万人を割り込んだことが判明しました。これは、同省の予想よりも十年余り早いペースだそうです。 「少子化に歯止めがかからない」。同じようなセリフを何度も繰り返し…

夫婦の加点主義

演じる自然体 結婚して三十年も寝食を共にしていると、お互い空気のような存在になってしまい、付き合っていた頃の新鮮さなど思い出すこともなくなってしまいます。 付き合ってた頃は、自分が結婚相手として相応しい人間だということをアピールすることに余…

欲求の質

原動力 以前の記事で何度か人間の欲求について書いてきましたが、私は自分の経験から、欲と言うものは歳を重ねるにつれて無くなって行くものなのだと思っていました。 食欲や性欲は肉体の成長とともに高まり、肉体の衰えと共に鎮まって行く。現に私の肉体の…

コオロギとザリガニ

コオロギチョコ 先日、下の娘が買ってきたコオロギチョコなるものを分けてもらいました。コオロギと名がついていても粉末状にしたものをチョコレートに練り込んでいるので、口の中に異物感があるわけでもなく、私には何の変哲もないチョコレートバーでした。…

しわ寄せの不満

注意喚起 先日全社員に配信された「注意喚起」のメールでは、産休・育休から復職した社員や時短勤務の社員に対しての“気配り”についての記載がありました。実際に何かのトラブルが起こらない限り、この手の注意喚起は行なわれないのですが、実例が示されてい…

虚無と充実(2)

“こうありたい”自分 日常の中での“こうあるべき”自分と、本来の“こうありたい”自分。私は長い間、“こうあるべき”自分こそ人生の目標なのだと考えていました。“こうありたい”自分をある程度犠牲にするのは目標を達成するためにはやむを得ないことと自身に言い…

虚無と充実(1)

夢のその先 私が今の勤め先に入社した頃、海外駐在が目標のひとつでした。今思えば、なんて子供じみた目標を掲げていたのだろうと恥ずかしくなってしまいますが、仕事を知らない若造にとっては、“海外で活躍することイコールカッコいい”と短絡的に考えていた…

自分の死の準備

死の不安 私が小学校に上がったばかりの時でした。父親の経営する会社の従業員の方が亡くなりました。我が家の裏手のアパートに独り暮らしで、朝食も夕食も私たち家族と一緒でしたので、私がずっと親戚のおじさんだと思い込んでいた人でした。 その朝、出勤…

知見の散逸

不要となる仕事 英文契約書の読み方に関する書籍は数多く出版されていますが、座学だけではスキルを養うことは出来ないので、出来るだけ多くの現物に当たって経験を培うことがスキルアップの近道です。 契約書の読み方以前に、英語の読み書きが出来ることが…

働く目的

休息 ほんの三年前まで、私の生活は仕事を中心に回っていました。土日祝日も半分以上は出社して仕事をこなしていましたが、「仕事とはそういうもの」と、そのこと自体に疑問を感じることなく生きてきました。 一年を通じてそんな状態だと、たまの休みが取れ…

歳を取ってからの気づき(2)

人並み 自分は人並みなのか、周囲の人間よりも優れているのか、劣っているのか – 他者と自分を比較しても、それで自分が変わるわけではなく、また、他者に対する優位性だけを求めて努力するというのも本末転倒です。 自分が誰かを羨んでも妬んでも、立場を入…

歳を取ってからの気づき(1)

物の価値 年長の方からのアドバイスが身に染みて分かるようになるのは、実際に自分が歳を重ねてからなのだと思います。頭では理解しても実感が伴わなければ、行動に移すことはなかなか出来ません。ある日、はっと気づいて過去の自分を恥じたことが何度もあり…

フリーアドレス

フリーアドレス 私の勤め先は、新型コロナによる緊急事態宣言を機に出社と在宅勤務を併用するハイブリッド型の勤務形態になりました。依然として感染防止のために部署ごとで出社率を調整しているので、普段の出社率は五割から六割の間に収まっています。 以…

寿司テロの痛々しさ

寿司テロ 外食チェーン店での客の迷惑行為が話題になっています。以前も似たような話があった記憶があります。今回の「寿司テロ」にせよ「バイトテロ」にせよ、その結果は、当の本人たちの軽はずみな考えに見合わない深刻なものになることは知らないはずもな…

出戻り志願

元同僚 昨年末、元同僚からメールが届きました。差出人の名前に懐かしさを覚えた私でしたが、メールアドレスは見慣れないものだったので、「迷惑メールかもしれない」とそのまま放置していました。 ところが、年が明けてからしばらくして、再び同じ差出人か…

金づる候補

金づる候補 私の父は六人兄弟姉妹の長子でしたが、叔父叔母たちは、父の事業が傾き始めた途端に疎遠になり、私自身も父方の親類との付き合いはありません。 先週、叔母の一人から私に電話がありました。もう会うこともないだろうと思っていた人の一人でした…

親の領域、子どもの領域

菓子折り 今までもブログの記事を書く時には、その場で頭に受かんだことを書き留める感じでしたが、それにしても、最近の私の思考は自分でも取り止めのないものだと思っています。 先日、義母と妻の話の記事で娘のランドセルのことに触れました。そのランド…