和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

親の領域、子どもの領域

菓子折り

今までもブログの記事を書く時には、その場で頭に受かんだことを書き留める感じでしたが、それにしても、最近の私の思考は自分でも取り止めのないものだと思っています。

 

先日、義母と妻の話の記事で娘のランドセルのことに触れました。そのランドセルでもう一つ思い出したことがありました。

 

娘がまだ低学年だった頃、同級生の男の子にランドセルを傷つけられることがありました。妻に言われて見てみると、確かにランドセルの背の部分に引っかき傷のようなものがありました。担任の先生との間の「連絡ノート」には、同級生が文房具で悪戯をして娘のランドセルに傷をつけたことと、先生がその場で当の本人に厳重に注意をして、娘にも謝らせたことが書かれていました。

 

家にあった革製品用のオイルでランドセルを擦ってみると傷はほとんど目立たなくなりました。もっとも、ランドセルも毎日使っていれば傷の一つや二つつきます。その最初の傷がたまたま悪戯でついたものだっただけの話です。

 

その話は、それで終わり – のはずだったのですが、翌日(日曜日)のお昼前に、件の男の子のご両親が我が家を訪れました。妻と娘たちは外出中だったため、私が対応することとなりました。

 

狭い社宅だったので上がってもらうわけにもいかず、玄関先での対応になってしまいましたが、この程度のことで親が頭を下げに来ることを想定していなかったので、私は戸惑ってしまいました。

 

私は子どものしたことなので気にしないよう言いながらも、先方が持ってきた菓子折りをしっかりと頂いてしまい、そのことを帰宅した妻に咎められました。

 

親の領域、子どもの領域

拭けば消える程度の傷で、お菓子付きの謝罪とは大袈裟なことだと私は思いましたが、妻曰く、「最近はそうもいかないのよ」とのこと。私にはいつ、妻の言う“最近”が始まったのか分からぬまま、それ以上深入りはしませんでした。

 

私が小学生の頃は、クラスメイトと喧嘩をして怪我をしても、親の出番はありませんでした。余程のことが無ければ、親が子ども同士のことに首を突っ込むことはありませんでした。子どもの領域と大人の領域を分ける“線”がはっきりしていたのだと思います。

 

それを思うと、子どもの領域に親の領域が染み出してくるのを奇異に感じた私の方が、最近の風潮から外れた、常識知らずになっていたと言うことなのかもしれません。

 

その“最近”もすでに二十年近く昔のこと。今の学校の様子はどんなものなのか関心はありますが、知らない方が良いのかも知れないと私は思うのでした。