和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

良い眠り(2)

lambamirstan.hatenablog.com

 

逃げ場としての睡眠

私の体内時計は、毎朝決まった時間に自然と目覚めるようにセットされているようです。目覚まし時計を枕元に置いてはいますが、この何年間かそのお世話になったことがありません。

 

最近は寒さが和らぎ、寝床から抜け出るのが苦にならなくなりましたが、目覚めた後の数分間、布団に包まりながらぼんやりとしているのは気持ちの良いものです。

 

以前の私にとって朝を迎えることは憂鬱でした。目覚めと同時に、昨日やり残した仕事のことやその日の仕事の段取りなどが頭を満たし、その状態のまま朝の支度をし、会社に向かいます。仕事を終えて帰宅しても、頭の中から仕事のことが離れることはありません。布団に入り眠りに落ちるまで、仕事、仕事、仕事。

 

三十代半ばに、精神的に参ってしまってからは、仕事とプライベートの切り替えを意識するようになりました。仕事との距離を取るようになり、家族との時間を優先させるように考え方を見直しました。それでも、起床と共にやって来る憂鬱は完全には拭い去れるものではありませんでした。

 

私は、長い間、ショートスリーパーを自認していましたが、今思うと、眠りを逃げ場にすることを嫌っていただけなのかもしれません。

 

睡眠改善

三年前、体調を崩した時から、睡眠時間を増やす取り組みを続けています。今は平均すると五時間程度の睡眠時間を確保しています。当時の主治医の先生からは七時間程度の睡眠を勧められましたが、体内時計を変えるのは簡単なことではないようです。

 

睡眠時間は思うように増やせませんが、私の眠りの質は明らかに向上しています。朝、目覚めて深呼吸する時の気持ち良さは、よく眠れた証拠です。

 

眠りが深くなったのは、入眠前の小一時間を“何も考えない時間”にしたことの効果だと思います。ストレッチと瞑想をしている間は頭の中は空にするようにしています。それでも雑念は次から次に湧いて出てきますが、無理に払拭せずにやり過ごします。

 

以前は、自分が勝手に思い込んできた責任感や自負心によって、自らを息苦しくさせていた気がしますが、その結果、寝ても覚めても悩みが尽きない状況から抜け出せなかったのだと思います。

 

仕事や生活についての気がかりは、寝る前に考えても仕方のないこと。明日やらなければならないことは明日取り組むしかないわけで、それらのことを入眠前まで引き摺らないようにすることで、睡眠に集中出来るようになりました。

 

結局、睡眠の質は、自分の意識の問題でしかなかったのです。私はそれを理解するまで随分と遠回りをしていたことになります。