和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

コオロギとザリガニ

コオロギチョコ

先日、下の娘が買ってきたコオロギチョコなるものを分けてもらいました。コオロギと名がついていても粉末状にしたものをチョコレートに練り込んでいるので、口の中に異物感があるわけでもなく、私には何の変哲もないチョコレートバーでした。

 

その手の話題に疎い私に娘はにわか仕込みの知識を披露してくれました。食の多様化の選択肢として、昆虫食の可能性を追求するのは悪いことではなさそうな気もしますが、私は食料危機で食べるものに困らない限り、コオロギを進んで食することは無いでしょう。

 

私の隣でコオロギチョコを楽しんでいる娘は、幼稚園に上がったばかりの頃、家族旅行で訪れた信州でイナゴの佃煮を前に怯えて泣いていました。そんな娘が、話のネタだとしても昆虫食に興味を持つとは滑稽です。

 

もっとも、佃煮の方はイナゴの姿がそのまま残っているので、小さい子どもにとってはショックを覚えるのも仕方ありません。もし、目の前にあるものが、コオロギが丸ごと入っているチョコレートだったら、大人になった娘はそれを口にする勇気があるのでしょうか。

 

茹でザリガニ

海外駐在中、毎年春先になると、地元のフェスティバルでザリガニ料理が屋台で売られていました。料理と言っても、茹でたザリガニにケイジャンスパイスをまぶしただけで、決して手の込んだものではなく、感動するほど美味しいものには感じられませんでした。それでも、何年か過ごしていると、手が汚れるのを気にせずザリガニの殻を剝いては口に頬張りビールで流し込むのが楽しみになってしまうのですから、不思議なものです。

 

もう一つ印象に残っている食べ物は、アリゲーターのから揚げでした。こちらも地元の人々にとってはどちらかと言うとポピュラーな食べ物なのだと思います。やや歯ごたえのある鶏肉のような食感は嫌いではありませんでした。

 

今や日本でも、食用のザリガニやワニ肉は通販で調達可能なようですが、ポピュラーな食材とは言えません。たしか、ザリガニは国内での養殖や販売に許可が必要だったり、寄生虫による感染リスクがあったりと、食材として定着しづらいといった話を聞いたことがあります。

 

私は、わざわざ通販で買うほどのザリガニ好きではありませんが、スーパーなどで見かけたら、「買って見ようか」となってしまいそうです。近いうちに、ザリガニブームでも起きないだろうかと、つまらないことを考えてしまう私でした。