和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

守るべきもの

もぐらたたき 会社の中で他人の話を広めたくて仕方が無い人間は後を絶たず、「ここだけの話」と前置きのついた噂話が広まらなかった試しはありません。 私が若い頃、反りの合わなかった当時の上司は、方々で私のことを吹聴して回っていました。「言うことを…

ノイズだらけの人魚姫

思い入れ 先週末、妻の中学校の同窓会が開かれました。妻の体調はその日になって見なければ分からず、道中で具合が悪くならないとも限りません。私は妻に同行することを提案しましたが、「ダンナ同伴は恥ずかしい」と即座に却下される始末。押し問答の末、下…

良き隣人(3)

職場崩壊? 人事部がハラスメント警察となり、一部の部下がクレーマー化しているのが今の職場だと言えます。 人事部はハラスメント研修の位置づけを「働きやすい職場の創出と維持」とし、職場では面倒なことを起こさず、良い人を演じるよう – そのようなこと…

良き隣人(2)

ハラスメント認定 職場での禁止行為を明確化することでハラスメントの件数は減るはずでした。ところが、完全にアウトなハラスメント事例は減少したものの、“ハラスメントになり得る”グレーゾーンの事例は社内での統計を開始した十数年前から微増しています。…

良き隣人(1)

ハラスメント研修の効果 組織の中に身を置いている限り、人間関係にまつわるストレスから解放されることはない ‐ 私はそのように割り切っています。 三十余年の会社人生で私が体験したトラブルや悩みを“分類”してみると、大体が人間関係に絡んだものです。私…

異動拒否

打診 先週、部長に呼ばれ、関連会社への出向の打診がありました。関連会社であろうと本社であろうと管理職の職責は大して変わりません。私が管理職を降りたのは、職責を全うすることと家族との時間を大切にすることの両立ができないと判断したからでした。 …

余人をもって(2)

攻めと守り 低付加価値業務の削減や組織スラックの創出は、本来、事業の飛躍のための“攻めの手段”なのだと思います。 翻って、私の勤め先で、そのような攻めの手段が有効かと問われれば、必ずしもそうではありません。現有人員は足元の業務を回すのに手一杯…

余人をもって(1)

恒常的な定員割れ 業務の効率化については、過去の記事で何度か触れたことがあります。 lambamirstan.hatenablog.com lambamirstan.hatenablog.com 何をもって“効率化を達成できた”とするかについてはいろいろな考えがありますが、かつて私が管理職だった時…

病院食はバランス食

料理の味付け 食べ物の好みや料理の味付けは育ってきた環境によって左右されます。妻と付き合い始めて、初めて彼女の手料理を口にした時、私にはとても淡泊に感じられました。 せっかく作ってくれた料理にケチをつけることはしませんでしたが、妻は私の表情…

家事の公平感

当番制からワンオペへ 妻が抗がん剤の治療を開始すると決まった時、私と娘たちで相談して家事を当番制にすることを決めました。上の娘は就職したばかり、下の娘は大学二年生。三人で公平に負担を分かち合うことで全て上手く行くと考えていましたが現実はそう…

贅沢のすすめ

金銭感覚 我が家では、結婚記念日と家族それぞれの誕生日は外で食事することになっています。妻と私の金銭感覚からすると少々高めのお店を毎回選んでいるのですが、これはお金の使い方にメリハリをつけるためにあえてやっていることで、ほとんど外食をしない…

老後の予行演習

フェーズの変化 異国の地を訪れて人生観が変わったなどと言う話を聞きますが、私はこれまで自分の人生観を変えた体験に出逢ったことはありません。 そもそも、私はこれまで自分の生き方を模索しつつも、確信できるようなものを見つけられないまま、五十代半…

多様化と平準化(2)

活躍支援の重荷 「働き方の多様化」への動きの中で女性の活躍支援を推し進めようとした会社でしたが、制度を構築する側の先入観が払拭されなければ、働き手の選択肢を狭めてしまうことになります。先入観とは、すなわち「一般職の女性社員は皆活躍の場を求め…

多様化と平準化(1)

懐かしい顔に嫌われ 連休明けの最初の出社日。妻から「気分が優れない」と電話があり、半日で仕事を切り上げることにしました。今投与している薬は副作用がほとんどなく、妻の体調不良は薬のせいよりも精神的なもののようです。 同じようなことが去年もあり…

部長の相談

連休明け ゴールデンウィーク明けの初日、午前中は連休の間に溜まっていたメールの確認で半日が終わってしまいました。「返信は連休明けで構わないので」とか「お手すきの時に確認を」などの気遣いの言葉はあっても、それらのメールが休日に発信されているの…

連休の終わり

長い週末 毎年、ゴールデンウィークが終わると一年の半分が過ぎた気になります。ここ数年、大型連休に合わせて家族旅行の計画を立てるでもなく、今年もそれは変わりません。 もっとも、今回のゴールデンウィークは、下の娘の引っ越しを想定してあえて家族の…

ロールモデル不在

働きやすい職場 私の勤め先では、これまで、昇給・昇格と言うニンジンを目の前にぶら提げておけば社員は仕事に励むものだと考えていました。そのため、給料の多寡や肩書よりも自分のライフスタイルや時間を大切に考える社員にはどのように対応していいのか見…

晩酌フリーと解禁日

ほぼ断酒 以前、毎日晩酌をしていた頃は、酒量が健康のバロメーターだと真面目に信じていました。いつもよりお酒が進まないとどこか体の具合が悪いのではないかと心配はしても、お酒を控えようは考えませんでした。 私が晩酌を止めたのは妻の闘病がきっかけ…

結婚と転勤

チャンスと悩み 連休前日の今日、私とペアを組んでいる若手社員と昼食を共にしました。彼はこのゴールデンウィークに婚約者を両親に会わせるために帰省する予定。先日その話を聞かされた私は、モニター越しの綻んだ顔を見て幸せを分けてもらった気がしました…

自分のミッション

自分のミッション 我が家のリビングの片隅に、妻が物書きやちょっとした作業をするためのカウンターがあります。カウンターの端には妻と私の書きかけのエンディングノートが埃を被っています。 自分たちの最期をどのように迎えたいか – 当時の妻と私はそれぞ…

取り戻した自分時間

気の抜けない休み まだ毎日会社に通っていた頃、通勤電車の中の私はメールのチェックや書類の確認に時間を割いていました。若い頃は電車に揺られながらの読書が貴重な息抜きでしたが、そんな息抜きの時間も仕事に奪われていました。 当時の私はいつも焦燥感…

職場復帰への道

休職中 以前の記事で触れましたが、私の部署には休職中の同僚がいます。彼は奥さんと離婚した後、しばらくは世帯者用の社宅に住んでいましたが、そこも退去させられ、今は実家近くのアパートで独り暮らしをしています。彼がどうしているのかを知っているのは…

五月病

連休前の気がかり 間もなくゴールデンウィークが始まります。私がまだ管理職だった頃は、家族サービスの傍ら、部下との期末面談のフィードバックを準備したり人事考課の素案を作ったりと、大型連休をフルで楽しむのは無理な話でした。それが、一昨年からは、…

モチベーションとエンゲージメント

企業価値と行動指針 日本語だと迫力に欠けることを、さも重要そうに見せようとする際に外来語への言い換えを使うことがあります。社内で最近流行っている言葉は「エンゲージメント」です。その言葉自体に斬新さがあるわけではありませんが、誰かが使い出すと…

しがらみからの解放

必要悪 今のように裏方的な仕事に専念するようになってから、私は仕事上のストレスをほとんど感じなくなりました。 以前の私にとって何が煩わしかったかと言えば、社内での“根回し”でした。案件を通すための会議があれば、議場で横槍を入れてきそうな役員や…

管理職のただ働き(2)

管理職のただ働き 私が管理職を降りる少し前のことです。幹部会で人事部長が全社の上半期の残業時間を発表しました。配布された資料から、ほとんどの部門の残業時間が減少傾向にあることは一目瞭然でしたが、ある管理職から文句がつきました。一般社員の残業…

管理職のただ働き(1)

意欲的な社員 コロナ禍以前、労働組合からの強い要望により、会社は在宅勤務制度導入の検討を始めたものの、とりわけ人事部は、リモートワークでは上司が部下の勤怠管理を行なえないことを理由に、頑なな態度を崩しませんでした。 もし、コロナ禍がなかった…

来る人去る人

意識調査 毎年、社員を対象とした意識調査なるものがあります。質問項目は多少の違いがあるものの、仕事、職場環境、上司との関係や経営陣の判断等に対して、五段階でそれぞれの満足度を答えて、理由を記す内容になっています。 意識調査の結果は、部長以上…

良い眠り(2)

lambamirstan.hatenablog.com 逃げ場としての睡眠 私の体内時計は、毎朝決まった時間に自然と目覚めるようにセットされているようです。目覚まし時計を枕元に置いてはいますが、この何年間かそのお世話になったことがありません。 最近は寒さが和らぎ、寝床…

卒業

卒業式 下の娘は、自己主張が強く、高校では担任の先生や同級生と衝突を繰り返してきましたが、大学入学を境に相手の気持ちを汲み取ろうと努力するようになりました。そこには、高校時代の苦い経験や、闘病中の親への思いなどいろいろな要因があったのでしょ…