和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

職場復帰への道

休職中

以前の記事で触れましたが、私の部署には休職中の同僚がいます。彼は奥さんと離婚した後、しばらくは世帯者用の社宅に住んでいましたが、そこも退去させられ、今は実家近くのアパートで独り暮らしをしています。彼がどうしているのかを知っているのは、会社の産業医以外では、私を含めたごく限られた会社の人間だけです。

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私は彼とは月に一度程度、お互いの近況をメールでやり取りしています。彼のメールは、数行で終わることもあれば、自分の思いを乗せた長文になることもあります。長文になる時は、大概、職場復帰が叶わない苛立ちで文面が埋め尽くされます。彼の心の揺れは、かつて私が体験したものと全く同じではないにしても、どこか共振する波のように私の心を落ち着かなくさせます。

 

昔の彼は、意欲的を通り越して貪欲的なところがあり、こちらが気圧されるほどに仕事に没頭しました。彼のその熱意は、他の同僚からしばしば疎んじられることもありましたが、彼がいてくれたお陰で人手不足の中でも部署の業務が滞りなく回っていたのですから、感謝されるべき人間であったことは間違いありませんでした。

 

そんな彼が別の部署に異動となったものの、異動先の上司と反りが合わずに私の部署に戻ってきたのは、二年余り前のことでした。

 

どうしてそうなったのか – 元上司は、私の部署が厄介払いとして彼を異動させたと思い込んでいました。決してそのようなことはなかったのですが、結果として、彼は異動先では協調性のないスタンドプレイヤーの烙印を押されてしまったのです。

 

出戻ってきた彼は昔のように安心して仕事を任せられなくなっていました。注意散漫で覇気も感じられず、同じ人間とは信じられませんでした。

 

私は役職を降りた後も、昔の彼に戻ってもらいたいと働きかけましたが、その甲斐なく、専門医の診断の結果、彼は病気休職となりました。

 

彼のように仕事にのめり込むようなタイプの人間にとって、仕事が出来ない状況は耐え難いものです。私は、彼に一日も早く職場復帰してもらいたいと願う反面、職場復帰を目指すことによって苦悩が続くのであれば、そろそろ別の道を探しても良いのではないかとも思うようになってきました。

 

永遠のテーマ

先日、メンタルヘルスに関する社内セミナーに参加しました。年一回程度の同様のセミナーは、内容自体は代わり映えするものではありませんが、病気休職者数や復職者数の現況、それに対する会社の対応状況を知る良い機会です。

 

かつては、精神的な不調を感じても、評価が下がることを恐れて無理に仕事を続けてしまう社員が少なくなかったと思います。そのため、病気休職となってしまった社員はすでに深刻な状態であり、復職はほぼ絶望的でした。

 

今は、社員全員を対象としたオンラインでのストレスチェック・アンケートを実施して、そのスコアが芳しくなければ産業医との面談を経て、所属部署に該当社員の業務軽減を指導するなど、社員のメンタル・ヘルスに関する予防的な対策が講じられるようになりました。

 

現状、社内の病気休職者の数が昔と比べて増えているのは、職場復帰の可能性を高めることにつながるのではないかと、私としては好意的に受け止めています。ただ、当然ながら、件の彼も含めて病気休職者全員が職場に復帰できているわけではありません。

 

仕事とストレスの問題はどのように足搔いても克服出来ない永遠のテーマなのだと思います。