和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

仕事・転職・定年

「こんなはずではなかった」に拘ると

成功体験と自分への過信 過去の成功体験は自信にもなれば足枷にもなります。成功を重ねて行くほどに“勝利の方程式”は確固たるものとなり、自信は過信になります。 死ぬまで自分の“勝利の方程式”が通用する人はごくわずかで、ほとんどの場合、どこかで壁に突…

胸の奥の奥

大人の振り 何をやってもうまく行かない時があります。良かれと思って行動に移したことが裏目に出て、かえって何もしなかった方が良かったのではないかと言うこともあります。 散々努力した - ベストを尽くした - 結果が報われない時、その責任を全て自分に…

心の波と過保護な上司

家族への甘え 数年前、海外駐在の終わりから帰国後にかけてのしばらくの間、妻の精神状態が不安定だった時期がありました。最初は、娘たちの進学のことや帰国前後の慌ただしさがストレスになっているのだと考えていましたが、私の何気ない一言 - 励ましや気…

仕事の理由付け

休み明けの気怠さ 年明けは4日が仕事始めでしたが、依然として正月休み明けの気怠さが抜けません。 休みに入る直前まで何と無しに高揚感を覚えていたのが、休みに突入した途端に休暇明けのことを考え気の重さを感じ始めました。 とは言え、今は責任のある役…

有休消化とワーケーションの壁

休みも仕事のうち 年末年始の休み。私の部では、緊急事態宣言も解除されたことから、一昨年生まれた子どもを親に初めて会わせると言う同僚もいます。親御さんにしてみれば、待ちに待った孫の顔を直に見ることが出来るわけで、さぞかし待ち遠しかったことでし…

年の瀬の退職者

年の瀬の退職者 私の勤め先では、6月と12月がボーナス支給月になっています。ボーナスとは言うものの、実態は生活給の一部を取り分けているだけで、業績や個々人のパフォーマンスに連動したものとはかけ離れています。 それはともかく、ここ数年の傾向として…

効率化のジレンマ

連鎖 児童虐待は世代間で連鎖するとの説があります。親は自分が育てられてきたようにしか子供を育てることが出来ない – それが全ての親子に当てはまるのか定かではありませんが、会社での上司・部下の関係性も似たところがあるようです。 パワハラに関する社…

変化への対応 その攻防 (3)

変化への抵抗 実力主義だ、男女平等だ、と叫んでみても、古い企業文化を持つ会社が一朝一夕に変われるわけがありません。変化を望む側と不変を望む側。不変を望む側が、変化を受け入れることによって自分たちの既得権益を失う可能性があれば、当然強く抵抗す…

変化への対応 その攻防 (2)

信念無き古いしきたり ワーカホリックと言う言葉はすでに死語になったのでしょうが、根性論が好きな一部の人間は、如何に自分がプライベートの時間を割いて仕事に邁進したのかを自慢し、最後には若い世代のひ弱さを嘆きます。 入社したばかりで右も左も分か…

自分を理解してもらうこと

自分以外全て敵 自分がどういう人間なのかは、自分が一番良く知っている – そう私は思っているのですが、知人や職場の人間に私が理解されているかと言うと疑問符が付きます。 もっとも、私は自分を良く見てもらおうと周囲に対して積極的な働きかけをしてきた…

親と自分の人生 (2)

lambamirstan.hatenablog.com 摂食障害 私は海外駐在で8年間本社を離れていました。その間、出張などで会社に顔を出したことはありましたが、Sさんに会うのは本当に久しぶりでした。それは、退社時のエレベーターの中でしたが、私はその風貌の変わりように欠…

親と自分の人生 (1)

干渉と束縛 かれこれ15年も前の話ですが、当時、新入社員として私の部署に配属になったSさんと言う女性がいました。根暗では無いのですが、あまり口数は多く無く、割合賑やかだった部でも、話の輪に加わるようなことはありませんでした。 仕事はきちんとこな…

時間とお金

募る不安 老後2000万円問題や45歳定年制など、将来の不安を掻き立てる話題に事欠きません。不安を払拭するために、働けるうちに働いておこう、お金を蓄えられるうちに蓄えておこうとなります。 定年の延長は、たとえ蓄えや受け取る年金が少なくても、仕事さ…

熟柿が落ちるまで

柿の思い出 まだ私が小学生の頃、家の庭に柿の木がありました。秋になると食べ頃の実を二つ三つもいでおやつにしていたのですが、ある年から庭にやって来る鳥に啄まれることが多くなりました。 今はビジネス街でも住宅街でもカラスの群れは珍しく無くなりま…

現実逃避としての転職

転職不向き 転職が当たり前の時代。私の勤め先でも、今や転職組を好奇の目で見るようなことなどありません。今年度は新卒入社よりも中途採用の人数の方が多くなりました。 もっとも、中途採用者が多いのは、それだけ自己都合退職者が増えたためで、あまり誇…

管理ハラスメント

若者の愚痴に耳を傾ける 私の勤め先では、年に1回ハラスメントの研修があります。以前は社外講師を招いての座学が中心だったのですが、最近は、役職ごとに数回に分けて研修を行なうことになりました。 それぞれの職場でのハラスメントの事例を持ち寄り、何が…

在宅勤務と出社の狭間

元の習慣への回帰 今月に入り、私の勤め先では在宅勤務が週2日までに制限されたため、久しぶりに通勤電車に揺られる生活に戻りました。 往復2時間の通勤時間は読書に当てることにしているので、無駄な時間が増えたことにはなりませんが、1年余りの在宅勤務に…

危機感と面子と (2)

ご褒美としての留学 かつて私の勤め先では、若手・中堅社員を海外の大学に留学させてMBAの取得や専門分野の修士・博士課程を履修させるプログラムがありました。もっとも“枠”が決まっているため、手を挙げれば誰でも留学出来るわけではありません。プログラ…

危機感と面子と (1)

やりがいを求めて 私が海外駐在していた頃、出向していた現地企業に後から派遣された中堅社員 – Tさん – がいました。Tさんは技術者だったので、私と仕事上で関わることはほとんどありませんでしたが、月に1度程度、週末には家族同士で食事をして近況を報告…

仕事上の関係

部下からの一言 数年前、部内の歓送迎会で、当時の部下から、私のことを冷たい人間だと言われたことがあります。酒の席でのことで、彼女の表情からも悪気が無いことは分かりました。 一次会が終わり帰途につこうとしていた私に、滅多に二次会には付き合わな…

社風を見直せない社風

意欲を殺ぐ社風 昨年の始めのことでしたが、私の勤め先で「企業文化の構築」の話が持ち上がりました。経営陣が新たな経営方針や行動指針を示すのかと期待していましたが、社員全員で行動指針を作るよう上から指示があり、これぞ我が社の社風らしいと思ったも…

働き方改悪

正常化の動き 新型コロナの新規感染者数が急減したことで、私の勤め先では勤務形態を見直す動きがあります。具体的には、まず1週間あたりの在宅勤務日数を制限し、段階的に従来型の勤務形態に戻そうと考えているようです。そのような“正常化”には社員からの…

人生の原動力

気の置けない相方 私は先月から、昨春定年に伴って嘱託社員となったMさんとペアで仕事をしています。これまでペアを組んでいた若手社員の転職後、育成すべき後進が補充される目途が立たず、他の部署からMさんに異動してきてもらいました。 lambamirstan.hate…

努力と無理 (2)

囚人の穴掘り 入社後の最初の職場で、誰もが遅くまで机にかじりついている様を見て、私は、仕事とはこういうものなのだと思うようになりました。地方の事業所勤務の時はそれほど酷くはありませんでしたが、本社勤務になってからは、終電の時間までの残業は当…

努力と無理 (1)

モラトリアム 私は自分を、物事をあまり深く考えずに大人になった人間なのだと思っています。 物心がついた頃から、父親には会社を継ぐことを刷り込まれ続けましたが、子どもが考える将来はもっと夢のあるものでした。小学校の作文でお約束のテーマ、「将来…

考えない人々

評論家集団 毎年、翌年の事業計画策定に先立って役員の勉強会が行なわれます。2日間に亘り、副社長以下の役員が会議室に終日缶詰になり、事務局が提示した“宿題”に対して、各役員が用意したプレゼン資料を発表して、それをたたき台に議論を行なうそうです。 …

捨て石の気持ち (2)

滞留者 毎年の期末面談は、本人が記載した目標達成表を基に行なわれます。本人の自己評価に対して直属の上司、二次評価者の部長が評価を加え、本人と面談をした上で評価のすり合わせを行ないます。 年度の最初に本人と上司が目標とその達成イメージを設定す…

捨て石の気持ち (1)

制度の骨抜き 管理職を降りて一番気が楽になったのは、部下の管理や査定をしなくて済むようになったことです。 私の勤め先が、年功制を廃し成果主義を導入してから大分時間が経ちました。しかし、制度が変わったからと言って、それを運用する人間の心構えま…

愛すべき自分

大切な存在 自分にとって一番大切な存在は自分自身だと私は思います。 追い込まれて悩んでいる自分を嫌い、時には憎んでしまう人がいますが、一番大切な存在である自分自身を愛することが出来なければ、自分が大切にしたいと思っている人々を本当に愛するこ…

象と鼠 (2)

常識の押し付け 取り巻く環境の変化を目にして、私の勤め先でも、「会社を変えて行かなければ生き残れない」と言うくらいの危機感はあったのでしょう。人事部はそれまで頑なに拒んできた中途採用に踏み切りました。また、働き方改革を推し進めようと、“多様…