和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

生活

娘たち

上の娘の習い事 上の娘がまだ幼稚園に通っていた頃、私は家事や子育てをほとんど妻に任せきりでした。週末の休みの日にできる限りの穴埋めをしてきたつもりでしたが、今でもたまに妻からはチクリと嫌味を言われます。 妻は特別教育熱心というわけではありま…

自分ができること

明日の保証 二年半前に妻は左乳房切除の手術を受けました。術後、主治医の先生に呼ばれた私は、手術は成功したものの、リンパ節へのがんの浸潤部位が取り切れずに残っていること、今後は放射線治療と抗がん剤投与を続けること、そして、他の臓器への転移のリ…

妻と母

妻と母 「今年いっぱい持たないかもしれない」、「もうすぐお迎えが来る」 - かれこれ二十年あまり聞かされていた母親の口癖は、妻が乳がんの宣告を受けたのを境に鳴りを潜めました。 私は、母の“死ぬ死ぬ詐欺”を適当にあしらっていましたが、妻はいつも母を…

帯状疱疹再発

帯状疱疹再発 今週に入ってから微熱と胸の真ん中あたりにチクチクした痛みを感じるようになり、まさかと思って胸の周囲を見渡してみると脇の下に小さな発疹がいくつか見つかりました。 翌日病院で診てもらうと、案の定、帯状疱疹でした。私は三年前に帯状疱…

必要な分だけ

電気代の大幅増 九月の終わりに差しかかり、ようやく暑さから解放された感があります。 日々、節約を心がけてはいるものの、この夏の我が家の電気代は大幅に増える結果となりました。六月に電気料金が改定された時からある程度の覚悟はできていましたが、そ…

旅行券

旅行券の塩漬け 毎年、この時期になると社内で永年勤続表彰が執り行われます。コロナ禍の間、表彰式と懇親会は中断していましたが、今年は三年ぶりの復活となりそうです。 一方で、転職者の増加により勤続年数の長い社員が激減していることから、表彰式は早…

老いとの闘いと和解

老いとの闘い 私が白髪染めを使うようになったのは、三十代後半の頃でした。それから数年の間白髪染めのお世話になりましたが、しばらく毛染めを怠っていたある日、生え際の白髪の量が増えていることに気づいて、我ながら驚いてしまいました。おそらく、会社…

ピアスの穴

下の娘がピアスの穴開けをしたのは先月の半ばのことでした。妻は「体に傷をつけるのは嫌だ」と反対し続けていましたが、鼻や臍に穴を開けるわけでもなく、親が目くじらを立てる話でもないでしょう。“たかがピアス”で、娘と、それに巻き込まれた私は妻を説得…

親離れ 子離れ

マンション騒動 今年四十路を迎えた姪が中古のマンションを買ったのは、もう半年近くも前のことでした。妻と私はささやかな引っ越しのお祝いを届け、姪の新生活を祝福しました。 母親からの結婚圧力に嫌気がさして姪が独り暮らしを始めたのは、私たちが帰国…

懐かしの本とビデオ

読み直しの楽しみ 起床後の夜の明けきらない時間、窓を開けると気持ちの良い空気を肌に感じます。 家族の寝静まっている間、洗濯機を回している時間が私の読書タイムです。以前は通勤の電車の中や就寝前が読書の時間でしたが、久しく遠ざかっていた読書を再…

義兄の終活

第二の人生 定年退職後に北海道に移住した義兄は、終の棲家で第二の人生を謳歌しているようです。 義兄は、誰にも相談せずに遠く離れた地で老後生活を送ることを決めました。転居の事後報告を受けた義姉は弟の行動を身勝手だと怒りました。それでも、放って…

趣味あれこれ(3)

凝り性と飽き性 私には、ずっと続けている趣味の他に、一時的に“ハマった”趣味もありました。「ジグソーパズル」と「キッチン占領」は、今でも妻に蒸し返される定番の話です。 まだ娘が生まれる前、何のきっかけかは忘れてしまいましたが、ジグソーパズルに…

趣味あれこれ(2)

思い続ける趣味 私の妻は、結婚前から着物の着付けを習っていて、成人式や七五三の時期にはフォトスタジオで着付けのアルバイトができるくらいの腕前がありました。いつかは自分の教室を持ちたいと考えていた妻でしたが、二年前の手術以来、着物に触れること…

趣味あれこれ(1)

社内ゴルフコンペ コロナ禍のために三年間中止となっていた社内ゴルフコンペが再開されることになりました。もっとも、私は海外駐在中に膝と腰を痛めて以来、クラブを握ることはなくなりましたので、コンペに参加することはありません。 以前は各部が毎年持…

選択ミスとプランB

選択ミス AとBの二つの選択肢があって、Aを選んで失敗すると、「やはりBを選んでおけばよかった」と後悔する – 若い頃の私がそうでした。様々な場面で、選ばなかった“選択肢B”が積もり積もって、それがストレスになっていました。 思うに、自分の意に沿わな…

プラネタリウムとかき氷

同窓会 妻の元に高校の同窓会の案内が来ました。開催日は来年のお盆だというので、随分と気の早い案内ですが、会場を予約する都合から出席者の人数を把握しておきたいというのが同窓会幹事の意向のようでした。「それにしても」と私は思いましたが、クラス会…

友人

出不精 新型コロナにまつわる自粛ムードが解けて、娘たちが外食する機会も増えました。平日は家族全員そろって食卓を囲む機会も減りましたが、これが本来の日常だったのだろうと思います。 私にも社内外で懇意にしている人から声をかけてもらう機会が増えま…

時間を楽しむ

置き去りにした時間 小学生の頃、夏休みは一年の中での最大の楽しみでした。一か月余りの休みの間、宿題はそっちのけで毎日遊び回り、それでも飽き足らずに次の日が来るのが楽しみで仕方がありませんでした。 楽しい時間はあっという間に過ぎると言いますが…

妻のわがまま

夜中のアイス 妻のわがままは今に始まったことではないのですが、ここ最近はリクエストが子供じみているような気がします。 先日の夜中、妻が寝付けず、冷たいものが食べたいと言い始めました。闘病生活のストレス発散か、私を困らせて喜んでいるのか – それ…

独居老人の母

熱中症 連日猛暑が続くとエアコンの利いた家から外に出たくなくなります。以前は日中、家を留守にしていたので、昼間にクーラーを使うのはもったいないと思っていましたが、在宅で仕事をするようになってからは、気温がピークに差しかかるお昼前にはエアコン…

万引き防止

万引き防止 我が家の近所に野菜の無人販売所があります。売っている野菜は、それぞれ形が悪く、大きさが規格外なだけで、鮮度や味が落ちるわけではありません。最近はきゅうりが旬ですが、スーパーで買うよりも同じ値段で倍ほどの量が手に入ります。家計を守…

子の幸せ、親の期待

親族の集まり 毎年、この時期になるとお盆の過ごし方を考えることになります。“考える人”は私ではなく妻です。義父母の法要をするかしないか、姉兄とのやりとりが彼女にとっては煩わしい年中行事になっているようでした。 昨年は義母の七回忌にあたる年でし…

歳は取るもの

おじさん 義姉と妻は十五も歳が離れているので、傍からは姉妹というより伯母と姪のように見えます。 私が妻と結婚した時、義姉夫婦には中学生の男の子と小学生の女の子がいました。私にとっては義理の甥と姪になるのですが、姪から「おじさん」と呼ばれた時…

片思いのスキンシップ

マッサージ係 スキンケアなど無頓着な私だったのですが、ここ数年、ひじやひざ、かかとの“ガサつき”は酷いモノで、放置できない状態になりました。小まめな水分補給は欠かさないようにしているつもりでも、体の保湿力は加齢には抗えないのでしょう。 冬の間…

悩みの消失

警告と機会 前回の記事を書いている時、我ながら昔の自分を思い出して苦笑してしまいました。 lambamirstan.hatenablog.com ひとつひとつの問題は決して解決不可能ではないのに、一度に何とかしようとして全てが中途半端になり身動きが取れなくなってしまう …

守るべきもの

もぐらたたき 会社の中で他人の話を広めたくて仕方が無い人間は後を絶たず、「ここだけの話」と前置きのついた噂話が広まらなかった試しはありません。 私が若い頃、反りの合わなかった当時の上司は、方々で私のことを吹聴して回っていました。「言うことを…

ノイズだらけの人魚姫

思い入れ 先週末、妻の中学校の同窓会が開かれました。妻の体調はその日になって見なければ分からず、道中で具合が悪くならないとも限りません。私は妻に同行することを提案しましたが、「ダンナ同伴は恥ずかしい」と即座に却下される始末。押し問答の末、下…

病院食はバランス食

料理の味付け 食べ物の好みや料理の味付けは育ってきた環境によって左右されます。妻と付き合い始めて、初めて彼女の手料理を口にした時、私にはとても淡泊に感じられました。 せっかく作ってくれた料理にケチをつけることはしませんでしたが、妻は私の表情…

家事の公平感

当番制からワンオペへ 妻が抗がん剤の治療を開始すると決まった時、私と娘たちで相談して家事を当番制にすることを決めました。上の娘は就職したばかり、下の娘は大学二年生。三人で公平に負担を分かち合うことで全て上手く行くと考えていましたが現実はそう…

贅沢のすすめ

金銭感覚 我が家では、結婚記念日と家族それぞれの誕生日は外で食事することになっています。妻と私の金銭感覚からすると少々高めのお店を毎回選んでいるのですが、これはお金の使い方にメリハリをつけるためにあえてやっていることで、ほとんど外食をしない…