和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

趣味あれこれ(3)

凝り性と飽き性

私には、ずっと続けている趣味の他に、一時的に“ハマった”趣味もありました。「ジグソーパズル」と「キッチン占領」は、今でも妻に蒸し返される定番の話です。

 

まだ娘が生まれる前、何のきっかけかは忘れてしまいましたが、ジグソーパズルにハマったことがありました。毎晩、寝る前に数ピースずつ組み立てるのが楽しみだったのですが、妻からしてみれば、部屋の一角を占領するやりかけのパズルは邪魔でしかなく、私の不在中に勝手にパズルを完成させてしまって、夫婦喧嘩になったこともありました。

 

休日の午前中から夕食の仕込みのためにキッチンを占領した時、昼食をカップ麺で済ますことが何度か重なり、コスパの悪い夕食は禁止になりました。

 

そんなマイブームは、半年も経たずに冷めてしまいました。私としては俄か好奇心を満たすこととストレス解消が目的なので自分の気が済めばそれで終わりですが、私の凝り性と飽き性の巻き添えになった妻はたまったものではありません。

 

趣味の領域

今はキッチンに何時間も籠ることはしませんが、妻の闘病開始以来、料理作りは私の日課になりました。炊事を含めた家事全般を行なうのに私は何の不安もありませんでした。むしろ、これまで週末にやっていたことを毎日繰り返すだけなのですから、容易い御用と密かに自信を感じているくらいでした。

 

ただし、妻に限っては、結婚してから私の凝り性と飽き性に散々悩まされてきたため、どこかに私に対する不信感が残っているようです。突然、私が家事を放り出してしまうのではないか - そんな妻の不安が折々の彼女の言葉に見え隠れします。

 

もちろん、娘たちの協力もありましたが、私がこれまで家事を負担に感じずに過ごしてきたのは、おそらく、嫌いではないからなのでしょう。それどころか、自分のペースで完結できる作業を楽しんでいるところがあります。私にとって家事は、気が済めば終わるマイブームではなく、趣味の領域に差しかかっているのではないかと思い始めています。

 

だから、妻には安心してもらいたい、と私は思うのですが、彼女の信用を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうです。家事はパズルと違って完成することはないので、趣味として楽しみながら続けていきたいと考えています。