和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

出来ない病の変種

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中間管理職 昔と今

かつての自分のそうだったのですが、中間管理職と言うのは割に合わない商売だなどと嘆いていたことがありました。とりわけ、私の勤め先のように慢性的な人手不足の状況では、プレイイングマネージャーでなければ務まらないポジションになってしまいました。

 

私が若かった頃、時の上司は終業時間になれば、仕事は部下たちに任せて夜の街に繰り出して行きました。当時の私は、自分もいつかあんな楽が出来る時がくるのだろうかと思ったものでした。

 

しかし、自分がいざ上司くらいの年齢になってみると、部下には残業はさせられず、仕事は回らず、結局、手が足りないところは自分自身で補うしかない – そんな役回りになっていました。

 

若手の頃に夜遅くまで仕事をしていた隣の部署の“残業仲間”が、お互いに課長職になった後、休日のオフィスで出くわすこともあり、お互いに歳はとってもしわ寄せを食うのは変わらないとため息を吐きました。

 

泥縄の業務見直し

さて、私の元部下で現上司の課長。今の在宅勤務下では、日頃の様子など窺い知ることは出来ません。先日、新組織になってから、このまま人手不足が続くのであれば、しわ寄せは管理職が負うことになると、私の率直な思いを伝えて以来、課長とは話をしていませんでした。

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別に喧嘩を売ったつもりなど毛頭ありません。組織としての目標を達成するのに、マンパワーが足りず補充する努力もしなければ、自分でその“つけ”を払うことになると言っただけなのです。それは部長も同じです。

 

先日部長から呼ばれて話をしました。私直属の上司も、隣りの課の課長も自身で抱えている仕事で手一杯。日々部下から判断を迫られても頭が回らない。そんな中で、“元管理職”の私に対して部長は、若手や中堅社員と“同調”するのではなく、むしろ、課長との間に立ってサポートしてもらえないか – と言うリクエストでした。

 

今の新組織の体制を見れば、課長職の負荷が増大することは簡単に想像が出来たのです。数日前の議論に逆戻りしてしまうのでその話を蒸し返すことはしませんでしたが、部長には、今一度人事部に増員の要請を行なうことと部の仕事の見直しを提言しました。

 

そもそも、新組織になる前、そして後も、業務分担の仕切り直しをせず、部員はそれぞれ任されていた仕事をそのまま新年度も成り行きで継続しています。そして、抜けて行った部員の仕事は、誰が引き継ぐでも無く放置されたままの様子。新年度が始まったばかりなので、まだ実害は生じていませんが、早晩トラブルになることは目に見えています。

 

課の中堅社員からは、大分前から課長にその点を指摘して来たと聞いていますが、何の指示も無く組織改編を迎えてしまいました。

 

部長からは部の業務の棚卸しを指示されました。私自身、この一年間は法務関係に限定した仕事しかしておらず、部全体の業務を把握していなかったので、ちょうど良いタイミングだと思いました。

 

部長の“特命”で業務分担の見直しのための下調べを開始しました。二つの課の課員に ‐ それぞれの課長に断った上で ‐ 集まってもらい、業務の棚卸しをしてもらおうとしたところ、彼ら・彼女らから、それが問題では無いと、私は一斉に突き上げられてしまいました。

 

できない病の変種

私は中堅・若手社員の勢いに鼻白んでしまいました。彼ら・彼女らは、単に仕事が増えたのではなく、“無駄な”仕事が増えたのだと訴えます。

 

上からの明確な指示が無い。業務の優先順位が分からない。肝心な情報が下に共有されない – そのような声が多く聞こえました。

 

“とりあえず”やっておくように言われた仕事を上司に提出しても、その後どうなったか分からないものも少なくないようです。上からの指示で働かされた挙句に自分の仕事が塩漬けにされてはやる気が失せてしまっても仕方ないでしょう。

 

仕上げた仕事のフィードバックすらない状態が組織改編以前から続いていたと言うことを私は初めて知りました。私は自分の仕事だけを淡々と進めていて周りに目を向けることをしてきませんでした。部の中がそのような状態になっていることに気がつかなかったのです。

 

新体制になっても、今までの仕事は現有人員でなんとかこなすようにと言うのが上の意向ですが、これ以上仕事を減らせないのではなく、仕事の要不要の仕分けが出来ていないだけではないかと言う気がしました。

 

私の邪推と言われてしまいそうですが、課長は自分自身が忙殺されているためにそれ以外のことに気を回す余裕が無いのかもしれません。ほんの少しの時間、部下と打ち合わせをして方向性だけでも示してあげれば、相応の結果を出せる人材がそろっているはずなのですが、せっかくのリソースも活用できなければ、自分を突き上げるだけの煩わしい存在でしかありません。

 

働き手のレベルでのできない病よりも、管理職のできない病の方が“質(たち)が悪い”ものです。本人が意図する・しないに拘わらず、都合の悪いものを下に押しつけることになるからです。

 

組織の目標設定や個人の目標設定の〆切は今月末。ゴールデンウィーク前までに解決するには、問題の根が深そうです。