結婚と離婚 価値観の壁

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結婚の決め手、離婚の決め手

夫婦生活は山あり谷ありです。喧嘩をしながらでも長年連れ添っている夫婦もいれば、仲が良さそうだったのに些細なことがきっかけで離婚する夫婦もいます。

 

昨年のゴールデンウィーク前、私の知り合いがめでたく結婚しました。アラフォー女子で、それまでは一生独身を貫くと豪語(?)していたので、まさに電撃結婚でした。お相手は一回り下の会社員。“歳は離れていても性格がピッタリ”というのが決め手だったようです。結婚式や披露宴も無しとのことで、私はこっそりご祝儀を手渡し彼女の門出を祝福しました。

 

その後、年の瀬も押し迫る中、彼女から呼び出しを受け会社帰りに食事をすることになりました。電話口での元気のない様子から、ご主人と喧嘩でもしたのかと思いましたが、会って話を聞くと、別れることになったとのこと。彼女は、渡したご祝儀を返すために私を呼んだのでした。

 

結婚して1年も経たずに離婚を決めてしまうのは短絡的ではないか、何とかならないのかと彼女に聞いても、「性格が合わない」の一点張り。夫婦の間のことを詮索するのは私の趣味ではないとは言え、“性格がピッタリ”というのが結婚の決め手だったのでは? と何ともモヤモヤした話を聞かされました。

 

「性格の不一致が離婚の原因」は本当か?

離婚の原因として常に上位にランキングされる「性格の不一致」。件の彼女も、“性格が合わないから”という理由で離婚を決断したようですが、お互いの性格は結婚する前から分かっていたことではないか、結婚後に相手の性格が変わってしまったのか・・・やはり、モヤモヤ感が拭い去れません。

 

ちなみに私たち夫婦の場合、何事にも慎重な妻に対して、細かいことは気にしない私。常に新しいことを見つけようとする妻に対して、あまり手を広げずに一つの趣味を深めたい私、と持って生まれた性格はそれぞれ違うことは分かっているので、お互いに性格を改めるように強要することはありません。

 

思うに、三つ子の魂百までと言うように、人の性格はそう簡単に変わるものではありません。意識して性格を変えたと言う人もいますが、ふとした瞬間に現れる本性が本当の意味での性格だとするならば、それを変えることは容易ではありません。ずぼらな性格が結婚を機に急に生真面目な性格に変わるわけでもなく、せっかちな人がある日を境に暢気な人に変身することもないでしょう。

 

相手に気に入られたいからという理由で、自分の性格を相手に合わせるというのは、絶対に不可能とは言いませんが、かなり無理があると思います。好きな相手のためとは言え、一緒に暮らして行く中で“素の”自分を曝け出さずに我慢して生きていくことに何の意味があるのでしょうか。

 

そう考えると、「性格の不一致」が理由で離婚するというのは、結婚する時点でお互いに、あるいはどちらか一方が、素の自分を見せないまま先に進んでしまったことが原因ではないかと考えます。交際中は相手に自分を良く見せたいという思いがあるのでしょうが、一緒に暮らして行く相手に対して、四六時中格好いい自分を見せ続けるわけにはいきません。本当の自分を受け入れてもらえる相手でなければ、結婚生活は早晩破綻してしまいます。

 

性格よりも価値観が大事

世の中、似た者夫婦もたくさんいれば、私たちのように性格や趣味が全く異なる夫婦もおります。それでもどこか惹かれるところがあるから一緒にいられるわけです。

 

私と妻がお互いに惹かれたところというのは、今振り返ってみると、「物を粗末に扱わない」とか「料理は残さず食べる」とかほんの些細なことから金銭感覚や時間の使い方まで、物事に対する優先順位 - 価値観 - が似通っているというところではなかったかと思うのです。

 

持って生まれた性格と価値観とは別のものです。よく、海外旅行から帰ってきて「価値観が変わった」と言う人がいます。本当に変わったのか否かはさておき、自分の中で重要なものと重要ではないものという“優先度”の捉え方を価値観とするならば、経験や何かの出来事をきっかけにそれは変わり得ると言えます。お互いの性格は変えられないけれども、それぞれの価値観は、夫婦が様々な経験を積み人間的に成長することに伴って変化していくものだと思うのです。したがって、夫婦で価値観を共有できる関係を保つことは、お互いの性格を受け入れること以上に大切なことだと考えます。

 

共有している価値観を確認すること

一緒に暮らすことを決めた瞬間から、お互いの価値観や夫婦として共有する価値観が試されることが次々にやって来ます。例えば、籍を入れる・入れない。夫婦別姓にする・しない。結婚式を挙げる・挙げない・・・。数え上げると切りがないほど、お互いの価値観の相違を発見する瞬間が目の前に現れます。また、長い結婚生活では、お金の管理、親や親戚との関わり方、子供を持つ・持たない、子供の教育方針等々、こちらも次から次へと判断を迫られることが出てきます。

 

その時に、夫婦それぞれの価値観が高い親和性を保っていれば問題になりませんが、もし、どちらか一方が、夫婦関係を維持するために己の価値観を抑えつけている状態が続けば、いずれ、価値観の違いという壁に突き当たります。

 

お互いの性格がどんなに似ていても、趣味や好みが共通していたとしても、物事に対する見方や優先順位が異なり相容れることができなければ、長い間一緒に暮らして行くのは苦痛になってしまいます。

 

私と妻も結婚後に数えきれない葛藤を経験しました。それでも何とかここまで来られたのは、何かあったときにはお互いにとことん話し合うことにしていたからだと思います。夫婦の対話が無くなってしまうと、解決の糸口さえ失ってしまうことになります。夫婦にとって何が一番大事なのか。それを阻害しているものが何なのかを話すことによって、お互いの思いを確認することこそが夫婦生活を維持するために必要なことだと思います。