和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

芳しくないキャリア採用

娘たちの転職観

先日、下の娘と若手社員の流出の話になりました。入社二年目の彼女は、今はまだ真剣に転職を考えているわけではなさそうですが、それでも転職サイトへの登録は済ませていて、キャリア採用の会社説明会にも足を運んでいます。チャンスがあればいつでも転職する気はあると言います。

上の娘は、実際に年明けに転職を果たしました。今の職場は自分に合っていると言いながらも、転職サイトの登録は続けていて、より良い条件の会社が見つかれば応募すると言っています。元来内向的だったはずの娘ですが、転職活動と、その結果、自分の希望する会社に入ることができたことが自信につながったのだと思います。

終身雇用が死語になりつつある中 ― すでに今の若い世代にとってそれは死語なのかもしれませんが ― 、二人の娘たちは、将来の転職の可能性を口にしていました。娘たちが平均的な若手社員像と断言はできませんが、私の勤め先の若手社員も転職を視野に入れているものと思っておいた方が良いのでしょう。

 

芳しくないキャリア採用

私の勤め先では、もはや人事部に人員配置の調整能力はなく、人手の足りない部署は人事部が間に入ってそれぞれが転職エージェントを使って外部募集をかけている有様です。

私の部署の欠員も補充できる目途が立ちません。私は書類審査と一次面接を任されていますが、役員面接まで進んで内定を出しても、辞退する応募者が後を絶ちません。それは、私の会社があらゆる面で併願先に太刀打ちできないことを物語っています。

給与もさることながら、会社のビジョン、働き手にとっての成長機会、働きやすさ ― 私の会社の強みはどこにあるのだろうか。就職・転職活動者を引き付ける魅力は果たしてあるのだろうか。中で働いている人間であるにも拘らず、自信をもって挙げられるセールスポイントが見当たらなくなってしまいました。

五月も下旬に差しかかり、来月はボーナス月。例年、自己都合退職者が多くなる月です。人材流出を食い止めることができず、キャリア採用も思うように進まず。社内で大っぴらにその話題を口にすることは憚られるものの、新入社員ですら気づいている問題です。

堅強そうに見える大木は、少しずつ朽ちていく様を外部には気づかせず、ある日突然倒れてしまうのかもしれません。