和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

課長交代

六月末で退職する課長の後任が先週着任しました。私は彼とは仕事で関わったことがないので、変な先入観は持たないようにするつもりでしたが、なんとも毀誉褒貶の多い人物で、方々からお悔やみメールが届いています。

最初のグループ内の打ち合わせで、その片鱗は顔を覗かせました。四月に決めたばかりの組織目標の抜本的見直しと業務分担の再整理を今月一杯に仕上げる ― 一方的な宣言に対して、出席した課員からは抵抗の声が上がりました。

打ち合わせの冒頭では、全員参加型、ボトムアップ型の意思決定を謳っていながら、自分の意に反する意見をねじ伏せようとする姿勢は、この先、課や部の中に無用な波風が立つことを予想させます。

“結論ありき”なら、部下からどのような意見が出されようとも、それは時間の無駄にしかなりません。打ち合わせは予定の終了時間を過ぎても終わる気配はありませんでしたが、私は自分の終業時間になったので席を立ちした。

課長は、まだ打ち合わせは終わっていないからと私を止めましたが、家の用事を理由にそのまま退席しました。

どこか空虚で他人事で、怒りどころか虚しさすら感じなくなっているのは、私の気持ちがすでに仕事から離れてしまっているからなのだと思います。