和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

他人目線の幸せ

金の切れ目が縁の切れ目

ホストクラブをめぐり、刃傷沙汰や多額の借金を負わされる女性の続出に端を発して、政府がホスト規制に乗り出すというニュースを読みました。

 

お気に入りのホストの売り上げに貢献するために体を売ったり、犯罪に手を染めたりする女性が増えれば、何らかの対策が必要とは思います。ただ、借金の返済に税金を投じる可能性ありなどと聞くと、私としてはモヤモヤ感を払拭することができません。昔から水商売の女性に貢いで身を亡ぼす男性はいましたが、税金で救済しようとする動きはなかったと思います。

 

人の気持ちを利用してお金儲けをする方が悪いに決まっているという考えもあるのでしょうが、満足感や自己肯定感を得るために本人が承知で支払ったお金なら、その“つけ”は自己の責任でなんとかする以外ないのではないかと感じました。

 

他人目線の幸せ

誰かから褒めてもらえば悪い気はしないものですが、承認されることが欲求に変わり、それが目的になってしまうと、大切なものを見失う結果にもなります。

 

自分の満足度の基準が、他者からの評価の良し悪しに左右されると、誰かの気を引く手段に気を取られて、自分の本心や価値観を無理に抑えようとしてしまうかもしれません。

 

好意を寄せている相手に高価な品物を贈り続けても、それによって自分に対する“評価ポイント”を貯め続けることはできません。

 

同様に、目上の人間に媚びを売り、同僚や友人に良い顔をして高評価を得られたと思っていても、貯めて取っておくことはできません。それまで五つ星の評価を得ていても、一夜明けたら星一つになっていることもあります。

 

自分が満足している状態なのか、自分が自分を肯定できるのか。主観的な問題のはずなのに、他者目線で評価しようとすると自分を見失ってしまいます。他人に褒められたり羨ましがられたりしないと自分が幸せかどうか分からないというものでもないでしょう。