和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

写真の整理

写真の整理

先日、帯状疱疹で一週間仕事を休んでいましたが、寝込むほど症状が悪かったわけでもなく、とは言え、外を出歩くこともできませんでした。発疹の痛痒さが気になり読書に集中できず、何となく落ち着かない時間を過ごしていました。

 

そんな時に、ふと前々から妻に言われていた写真の整理に取り掛かることにしました。放っておけばまた妻の小言を聞く羽目になるわけで、お互いに気まずい気分になる前に仕事を片づけてしまおうと思ったのでした。

 

溢れる写真

下の娘が小学校に上がる前までのフィルムカメラを使っていた頃は、現像する都度、写真を選り分けてアルバムに収めていたので整理はできています。整理すべき写真は、現像してアルバムに収めたものではなく、これまで撮り溜めしてきた膨大な量の画像です。

 

我が家の写真が、収拾がつかなくなるほどに増え始めたのは、二度目の海外駐在を機にデジカメを買ってからでした。フィルム代や現像代の心配をする必要がなくなったことから、シャッターを押す指は躊躇しなくなりました。

 

当時小学生の娘二人は可愛い盛りでした。家族旅行の時はもちろんのこと、ちょっとした外出でもカメラを携え、写真を撮りまくりました。

 

最初の頃はピンぼけや構図の悪いものは削除していたのですが、やがてそれも面倒になり、撮った写真は選り分けせずにそのままパソコンに保存するだけとなりました。そんな調子で十年近く撮り溜めた写真はパソコンでは保存しきれず、外付けのハードディスクに保管場所を移すことになりました。

 

写真鑑賞会

帰国後、家族は各自の携帯電話で好き勝手に写真を撮り、撮った写真はオンラインストレージに保管するようになりました。

 

休み中に整理しようと思っていたのは、ハードディスクに保管している写真でしたが、各年のフォルダを開いて写真を見始めると、出来栄えの悪い写真も“それなりに”味わい深さを感じました。おそらく、撮った直後に整理していたら躊躇なく削除していたのでしょうが、月日を経た写真は全てが捨て難い思い出に変わっていました。

 

写真の整理はすぐに鑑賞会になりました。妻を横に呼んで写真を見ながら昔話に花が咲きました。妻は渋々といった感じでしたが、無理に写真の整理はしなくていいと言ってくれました。休みの日の楽しみがひとつ増えたのですから、もっと嬉しそうな顔をしてもいいはずなのに、素直じゃないところは昔と変わっていないと思いました。