和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

ストレスの摘み取り

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ストレス無しの仕事環境

幸不幸が主観的な問題であるのと同様に、自分の置かれている状況を快適と感じるか不快に思うかも心持ち次第です。

 

傍からは恵まれているように見える人も、当の本人からすれば、自分の意思に反して押し付けられた環境を息苦しいと感じているかもしれません。経済的な裕福さを享受出来ていても、それと引き換えに不自由さを感じているなら、それは本人にとって心地良さを得られる場所では無いことになります。

 

長年会社勤めをしてきた私は、自分の時間を切り売りし、見返りとして安定した収入を得る場所が会社でした。安定した収入だけなら大歓迎ですが、余計なストレスがおまけについくることを考えると、そこは私にとって決して快適な場所とは言えませんでした。

 

ところが、昨年の春頃からここまでの約一年を振り返ってみると、私の中のストレスはほとんどと言って良いほど無くなっていることに気がつきました。在宅勤務をメインに働いているため、職場にいる時間が減ったことがストレス軽減の理由だと考えていたのですが、それだけでは無いみたいです。

 

確かに、管理的な仕事は無くなったものの、暇になったわけではありません。日々やることはあるのですが、自分の裁量で仕事を進められることがストレスフリーの大きな要因なのでしょう。また、社内調整の役回りの必要が無くなったことも大きいと思います。

 

 

ストレスのトンネル

会社に入る前まで慢性的なストレスを感じることはほとんど無かったと思います。学校の定期考査や受験など、憂鬱な時期はありましたが、それは出口が見えているトンネルのようなものでした。

 

それに対して会社に入ってからのストレスは、出口の見えないトンネルです。働いている限り常に何かのストレスに晒されている感覚を持ち続けていました。30代半ばに戦線離脱した後、仕事との距離感やストレスへの対処法はそれなりに学んだはずでしたが、ストレス自体を感じずにいることは不可能だと諦めていました。

 

しかし、今の自分の状況を見るに、ストレスを感じずにそれなりの業務成果を達成することは可能でした。それは、私が会社に対して重責を解いてもらうよう要請したからなのですが、自分のペースで自分の役割に専念出来さえすれば、仕事にストレスを感じることは無いのだと分かりました。

 

長年、仕事はストレスが付き物、ストレスとの闘いだと決め込んできた私でしたが、自分にとって快適に仕事が出来る環境を作りさえすれば、ストレス無く会社人生を送ることが出来たのです。考えるまでも無く、当たり前の結論でした。

 

もちろん、私の入社当時にそのような“わがまま”は通用するはずも無く - 私自身、そのような発想はありませんでしたが - 会社に、「自分のやりたいことだけやらせてほしい」などと吠えれば、仕事を干されて挽回するチャンスも与えられなかったことでしょう。

 

ストレスの摘み取りと時間の確保

しかし、今や多様性の時代です。管理職にならないことを希望し、自分の得意分野に専念することが叶うチャンスも広がりました。長い目で見れば、昇格して少しばかり高い給料をもらうよりも、給料はそこそこ貰えてストレスとは無縁の会社人生を送れた方が良かったのでは – と、時機を逸してしまいましたが、私はそう考えるようになりました。ストレスは仕事に付き物ですが、自分で摘み取れるストレスと言うものはあるはずなのです。

 

そして、自分の時間を出来るだけ多く手にすることです。暇な時間を多く作ると言うことではありません。仕事にしてもプライベートにしても、自分で使い方を決められる時間を多く持つことで、ストレスは格段に少なくなるはずです。

 

今私は、他者のために使う時間はほとんどありません。自分で配分を決めた仕事時間、自分時間、そして家族との時間を自分の思いどおりに使える環境を楽しんでいます。