在宅勤務雑考 (1)

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思いもしなかったゆとり生活

自宅で仕事をするようになると、生活のリズムが大きく変わってきます。私の場合、これまで通勤に往復で2時間を要していましたが、これが無くなりました。また、朝の通勤では、ゆっくりと座って読書をするために始発あるいは2本目の電車を利用していましたが、その必要が無くなったため、睡眠時間が増えました。とは言え、身についた習慣はなかなか変わらないもので、4時には目が覚めます。

 

これまで、平日の洗濯や掃除は妻や娘に任せていましたが、在宅勤務になってからは、これも私の担当になりました。朝、洗濯機が回っている傍ら、コーヒーを飲みながら読書をし、洗濯物を干してから、コーヒーのお代わりを楽しんでいると朝刊が届きます。新聞に目を通した後は、朝食前の散歩に出かけます。1時間前後の散歩を楽しんだ後は、家族と朝食を摂ります。その後家の掃除を済ませて、7時から在宅勤務開始。

 

勤務時間の間は、自分のペースで休憩を取り、妻が作った昼食を食べ、16時には終業となります。夕食は私が担当。18時には家族そろって食卓を囲み夕食を摂ります。その後は、各自読書や音楽、映画鑑賞など、それぞれの趣味や娯楽の時間を楽しみ、遅くとも11時には家族全員就寝となります。

 

仕事は会社で行うもの、という従来のワークスタイルを在宅勤務に変えただけで、生活全般に思ってもいなかったゆとりが生まれました。今、心配なことは、緊急事態宣言が解除された後、通常の ‐ 会社で仕事をする ‐ 勤務に戻れるのかということです。

 

家族との時間が増えるということ

一部報道では、テレワークに伴うDVや家庭内のいざこざが取り沙汰されています。“コロナ離婚”などという造語も生まれています。景気の悪化や仕事の先行きなど、将来の不安からイライラが募ってしまうのは分からないでもありませんが、ストレスをぶつける相手は家族でないことは言うまでもありません。

 

また、在宅勤務そのものがストレスの種になっているようでもあります。住宅事情や小さいお子さんのいるご家庭では、テレワークに不向きな環境下で在宅勤務を強いられている方もいます。

 

私の部下の中にも保育園児を抱える者がおりますが、子供にしてみれば、親が家で仕事をしている事情など理解できません。一緒に遊んでもらいたいと思うのも当然でしょう。そうなると、部内の定期連絡をビデオ会議でやろうとしても、ミーティングの間子供を静かにさせておくのは無理な相談です。その部下はどうしたかと言うと、ミーティングの間、奥さんに頼んで子供を外に連れ出してもらっていたようです。最近、私はそのことを知って、その部下には定期連絡に参加しなくていいと伝えました。必要ならメールやチャットでの業務連絡もできます。

 

夫の在宅勤務のために家族が家を追い出されるなど、本末転倒です。そんなことが続けば、奥さんのストレスも溜まってしまいます。

 

また、在宅勤務期間中の残業はしないことを部内で確認しています。残業してまで片づけなければならない仕事は当面ありません。会社員ですから、所定の時間は働かなくてはなりませんが、勤務時間外は自分の時間、家族のための時間として有効に使ってもらいたいというのが私の本意です。

 

家族持ちにとっては、家にいる時間が自ずと増えるのですから、家族のためにやれることも増えるはずです。独身者なら、通勤時間が減った分、自習や趣味を今までよりもエンジョイすることができます。会社への通勤が無くなったことにより、生活にゆとりができたはずなのに、それが逆にストレスとなり、家庭不和の原因になったり、独りで思い悩んでしまったりするなんて馬鹿げています。

 

これまで仕事を何とかやりくりして、家族旅行のための有給休暇を取っていたことを考えれば、今回の在宅勤務は願ってもいないチャンスだと考えることはできないでしょうか。もちろん、外出自粛という状況下ですから、家に閉じこもりがちにならざるを得ませんが、そのような制約があっても家族で楽しむことを見つけることはできるはずです。

 

お子さんのいるご家庭なら、これほど長い期間、親子で同じ時間を共有したことなど無いのではないでしょうか。もしかしたら、今後、このような機会は訪れないかもしれません。そう考えると、今の親子一緒の状況はどれだけ大切なものか理解できるはずです。

 

不安を乗り越えるためのパートナー

コロナ騒動の影響で減収となったり、仕事そのものを失ってしまったという方もいるでしょう。そこまでとは言わないまでも、これからの生活に不安を抱いている方は多いでしょう。

 

しかし、夫婦どちらかが仕事を失った、収入が減ったという時、それを責め立てても何も得るものはありません。自身の苦しみのはけ口を配偶者に求めることなど断じて許されるものではありません。むしろ、そういう時こそ、お互いの苦しみを共有するのが夫婦だと思います。

 

私たち夫婦も、不安を感じないわけではありませんが、この大変な時期を共に乗り越えられた時、一緒にいて良かったと思えるパートナーでありたいと思っています。