入梅前のこの時期、毎年ウッドデッキのペンキ塗りをするのですが、担当は私と下の娘です。普段、何かお願いごとをしても二つ返事で応じるようなことのない娘ですが、ペンキ塗りは別のようです。
古いペンキをやすり掛けしてはがした後にペンキの二度塗りをすれば、半日仕事になります。ひと仕事の後のビール。それが娘の目当てでした。労働の後の一杯は格別、と泡のついた口元を拭う娘は言います。
普段、ウッドデッキは洗濯物の干場でしか使っていませんが、週末などの日中に家族が揃う時には、テーブルを広げて昼食を摂ることもあります。使用頻度はそれほど高くはありませんが、最低限のメンテナンスとしてペンキの塗り直しだけはするように心がけています。
昨日、ペンキ塗りをした直後、おそらく野良猫なのでしょう、ウッドデッキを端から端まで見事に横断した痕跡が残されていました。一昨年 ― その時は梅雨入り前のペンキ塗りができず、秋に持ち越したのですが ― ペンキ塗り立てのところに肉球スタンプの線を引かれてしまったのですが、それと同じです。
ペンキにしてもコンクリートにしても、野良猫は塗り立てのところをかぎ分ける能力に長けているのかもしれません。もっとも、元々野良猫の通り道の上に後から家を建てたのは私たちの方ですから文句は言えません。
ペンキの塗り直しをしても同じことの繰り返しかと私は思いましたが、労働の後の一杯を期待する娘は「来週、再チャレンジ」だとはしゃいでいました。