老後生活 抜け殻にならないために

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老後生活が見えない

年明け早々、妻と2人で少しずつエンディングノートを作っていくことを決めましたが、以来あまり筆が進んでいません。終活の話題に触れることはあるのですが、まだエンディングノートに書き足すべきものを詰めるところまで行かず仕舞です。何となく勢いで始めたものの、お互いに死について話をするのを避けてしまっているのかもしれません。もう少し気楽に考えられる日が来るといいのですが。

 

それよりも、終活以前にそもそも退職後の生活を十分にイメージできていないことを忘れていました。

 

現役時代に比べて収入が減るのは分かっています。生活レベルは結婚当初の水準を維持するということは夫婦で了解済みです。以前、老後2000万円問題が話題となった頃にいろいろ調べて、お金の面ではあまり心配しなくても良さそうだという結論に達しています。しかし、暮らして行くために使えるお金の額が分かっても、退職後の生活が現役時代とどのように変わるのか、変えたいのかが見えていません。

 

妻とは、リタイアして自由な時間が増えたらゆっくりと旅行したいね、などと漠然とした話はしたことはありますが、20年あるいは30年以上続くかもしれない老後生活の最後の最後まで旅行三昧と言うわけには行きません。夫婦2人ともいつまで健康な状態を保てるか分かりません。また、どちらかが先立てば、残された方は独りで死ぬまで暮らして行くことになります。そう考えると、何か生きがいとなるような、ライフワークを持つことが必要です。

 

とは言え、私はまだ現役の会社員。日々仕事に追われ、せわしなく過ごしていると、老後のことをゆっくり考える心のゆとりがありません。老後のことは、その時が来たらゆっくり考えればいいと思っていました。

 

抜け殻の父を見て

そこでふと思い出したのが、私の父親のことです。

 

父は60歳を前に事業に失敗しました。私はまだ傷が浅いうちに会社を畳み、借金を返済して隠居するように父親を説得しました。父親としては息子に引導を渡されたことを心の底では承服していなかったかもしれませんが、私の説得を受け入れ、会社を清算して母とともに地方に移住しました。

 

それから6年余りで父は他界しましたが、引退後の父は買い物などの用事がなければ、テレビの前で日がな一日過ごしていたようです。当時母はまだ健康に問題は無く働きに出ていましたが、たまに電話をすると、家に引きこもっている父のことを私に愚痴るのでした。私はそんな父の気晴らしに外食に連れ出したこともありますが、話をしてもどこか上の空。仕事が生きがいだった父は、老後に新たな生きがいを見出せないまま、最後は抜け殻のような状態で一生を終えました。

 

亡くなった人間、ましてや自分の親を悪く言うつもりはありませんが、生きがいを持たずに生きて行くことは、あまりにも寂し過ぎます。老後生活はいわば人生の集大成。自分の最期をどのように迎えるか、それを考えることはとても大事なことです。体は動くのに、食事と排泄と睡眠だけの毎日ではもったいないです。

 

老後の生きがいは必要。そうだと分かっていても、私には自分の、あるべき老後生活について、未だ具体的なイメージが湧きません。今の仕事はやりがいを感じてはいるものの、生きがいだとは思っていません。しかし、1日の3分の1は仕事をしているわけですから、それが突然消えて無くなれば、少なからず戸惑いが生じることは想像できます。その穴を生きがいで埋められるのではないか、それも、穴ができてから探すのではなく、今から穴埋めの材料探しはしておくべきはないか、などとつらつら考えを巡らしています。父の最期から得た教訓として、です。

 

ワクワクする老後生活

小学生の時分。受験や仕事など、その後訪れる多難な日々を想像すらしていなかった頃は、本当に毎日が楽しくて仕方ありませんでした。学校から帰宅すると、ランドセルを玄関に放り投げて、そのまま友達と暗くなるまで外で遊んだものでした。親からもらった小遣いは駄菓子屋で使うか、漫画本を買うか、いずれにしても大した額ではありません。お金を使わなくても楽しく過ごせたのです。

 

宿題を忘れて廊下で立たされても、通知表の成績が悪くても気になりませんでした。学校の先生や親に叱られても、それで退学させられたり、家を追い出されたりする心配が無かったからです。

 

夜ベッドに入ると、明日はどんなことが起こるのだろうとワクワクしながら眠りについたものでした。そんな子供時代に戻ることはできませんが、同じ気分をもう一度味わいたいという気持ちはあります。

 

子育てを終え、仕事を引退し、煩わしい人間関係から解放される老後。小学生の時の自分が感じた、あのワクワク感を取り戻すことができるでしょうか。