和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

貯金・節約のためのヒント 車無し生活

f:id:lambamirstan:20191026045002j:plain

貯金なんて無理という前に

貯金と節約は表裏一体です。貯金に励みたくても回せるお金が無ければ何も始まりません。毎月の収支がトントン、あるいは赤字で、貯金する余裕なんて無いという方もいるでしょう。私たち夫婦も新婚当初はそうでした。

 

穴が開くほど家計簿を見つめても無駄な費用が見つからない。そういう方は、まずご自分の生活スタイルを振り返ってみること。生活スタイルを見直してみると、必ず工夫できる余地があるものです。私たちの場合、それは車を手放すことでした。

 

車が無くても

私は就職後、とある地方都市の事業所に配属となり、そこで妻と知り合いました。その街では公共の交通機関の便が悪く、車がないと生活が成り立ちませんでした。通勤も車、買い物も車、デートも車。車中心の生活でした。

 

それが、結婚後に都内の社宅に引っ越すと、車を使うのは週末に限られました。当時、私と妻の週末の楽しみはドライブ。弁当を作って山や湖などに日帰りで出かける。あの頃は、それが一番安上がりのデートだと思っていたのです。しかし、当然ながら、車を持っていれば毎年の車検費用や税金、保険料、ガソリン代、それに駐車場代(社宅費に上乗せになっていました)がかかります。故障すれば修理費もかかります。

 

妻が不意に「これ、もったいなくない?」と尋ねました。

 

思えば、週末のドライブも車を使うことがまずありきで考えたものでした。せっかく車を持っているのに平日は使えない。せめて週末にでも使わなければもったいない。そういう発想でした。考えてみると、歩いて行ける距離にスーパーや商店街もあり、デパートも電車で行けます。車が無くても生活できるのでした。そのとき私は奨学金や会社からの借金(結婚資金)の返済中。その中で何とか貯金できないか考えているところでした。そこで、試しにしばらく車を使わないで生活してみることにしました。

 

週末の買い物は当然歩きです。商店街まで片道10分程度ですので大した苦にはなりません。遠出のデートは電車やバスを使います。車でのデートでは、ドライバーの私は外の景色を堪能することができませんでしたが、電車の場合、ぼおっと外を眺めていても目的地に連れて行ってくれます。近場のデートでは、当時はインターネットも普及していませんでしたので、あらかじめ地図でコースを決めて、社宅から歩いて行ける公園やお寺などを散策しました。これが結構いい運動にもなり、夫婦にとっていいダイエットとなりました。また、近所を散策すると思いがけない発見もあります。地図にない抜け道や、路地裏の古物商。今のようにインターネットで情報が氾濫しいていない分、自分の足で情報を集める楽しみがそこにはありました。そんなこともあり、妻も私も車の無い生活をストレスなく受け入れることができたのでした。

 

こうして私たちは車を手放しました。そして、浮いた費用は“つもり貯金”に回しました。住んでいる場所によっては、車が無ければ生活が成り立たない、車を手放すなんて無理、という方もいるはずです。それでも工夫の余地はあると思います。私の知り合いも車がないと生活できないところに住んでいます。子供は独立して夫婦共働き。しかし、数年前から収入が減ったため、家に2台あった車のうち1台を処分したそうです。毎日の通勤は、奥様がご主人を職場に送り届け、そのまま自分の職場に。帰りも奥様がご主人を職場に迎えに行く、ということにしたそうです。このような工夫も有りだと思います。

 

車が無いことが前提の生活

私たちは海外駐在の期間を除き、車を持たない生活を続けています。家族でキャンプに行くなど、どうしても車が必要となればレンタカーを借ります。

そうやって、車を持っていればかかったはずの費用は、かれこれ20数年の間“つもり貯金”に回され、娘たちの教育費の一部に使われています。

 

生活スタイルの変更は、最初のうちは窮屈さを感じるものかもしれませんが、まずは試してみること。そしてそれが楽しみながら続けていけるかをよく考えてみてください。私たちも、車を使わないと決めてから、実際に愛車を手放すまで数か月かかりました。しかし、やがてそれが当たり前と思える私たちの生活スタイルとなりました。

 

今、妻は変則シフトの仕事に就いているので、日曜日が唯一夫婦そろっての休日です。午前中に家の掃除や買い物を済ませ、昼前からデートです。弁当を作って近くの公園を散策したり、街ブラをして、ふと気に入ったレストランで遅めの昼食を摂ったり・・・と週末を楽しんでいます。

 

最後に。

節約は生活にメリハリをつけるためのテクニック。それ自体を自然に受け入れられるかが長続きの秘訣です。節約がかえって過度なストレスとなり、楽しいはずの日々の生活が苦行になってしまっては本末転倒ですので、拙速に行うものでないことは言うまでもありません。まずはご夫婦、ご家族で今の生活スタイルに改善の余地があるかをよく話合ってみては如何でしょうか。

 

退職トラブル 逃げるが勝ち

f:id:lambamirstan:20191026045002j:plain

引き止めをかわす“言い訳”

以前「転職 成功の秘訣」という記事で、退職の際には元の会社に悪い印象を残さないように心がけるべきと書きました。

lambamirstan.hatenablog.com

 

とは言え、退職するあなたの思惑どおりに事が進まないことが多々あるのも事実です。

退職の引き止めもその中の一つです。退職の申し出をした時に、会社から全く引き止められないというのも寂しいものですが、しつこく引き止められるというのも困りものです。

 

最初に申しあげておかなければならないのは、私は退職や転職を指南することを商売としている者ではありません。それとは逆に会社側の人間として、これまで退職を希望する部下を慰留してきた立場にあります。その経験から、会社の引き止めをかわす方法についてお話をするものです。

 

会社によっては、部下の退職は上司の評価につながります。私の勤め先でもひと昔前までは、部下の慰留に失敗するとその上司の査定に×がつきました。さすがに若い人の転職が当たり前になった今となっては、私の会社でも社員の退職は珍しくなくなってきており、上司が×を食らうことは無くなりましたが、自分の部署のスタッフが減るということは業務にも少なからず支障を来すことになり、人員の補充も思うようにできない状況では、部下の退職は避けたいというのが正直なところです。

 

また、部下の退職そのものが上司の査定に影響しなくなったとは言っても、退職理由が職場に対する不満となると話は別です。部署の統制や部員の管理に手落ちがあったとなると、それ自体が上司の評価を下げることになります。そうなると、上司としては不満の原因を取り除くことを条件にあなたを引き止めようとします。それが人間関係や担当業務そのものだった場合には、部署の異動や、転勤を提案し、あなたに転職を翻意させようとします。

 

「新しい分野の仕事にチャレンジしたい」とか「別の職場で自分の力を試してみたい」など、“前向きな”理由も引き止めの対象となります。一見角が立たないように見えますが、「では、どんな仕事にチャレンジしたいのか」、「うちの会社でもあなたの力を発揮できる仕事があるはず」と上司としてはマニュアルどおりの質問を投げかけてきます。

  

したがって、あなたが退職に際して煩わしい思いをしたくなければ、これらの理由は使わないことをお勧めします。

 

では、一番“後腐れがない”理由とは何か。それは、「家人の介護」など止むに止まれぬ理由です。こればかりは会社としては如何ともし難く、引き止めも相成りません。八方丸く収めるには嘘も方便です。

 

転職先は漏らさない

退職前に社内で転職先を言って回るなんてことをする人はいないと思いますが、それでも、親しい同僚に退職の相談をしたり、転職先が決まったなどという話をしたりする人はいるはず。

 

かつて私の会社で、退職を控えたある社員が同僚に転職先を漏らしてしまったことがありました。転職先が同業者であったことから、役員の1人がその同業者のところに乗り込んで、件の社員の持っている情報を使って商売をすることのないようにと釘を刺したのです。受け取り方によっては、転職話を反故にせよとも取られかねない話です。幸い、この社員は無事に転職できたのですが、彼も転職先の会社もいい気分はしなかったと思います。

 

私の経験から申し上げたいことは、どんなに親しく信頼できると思っても、同僚や上司に退職・転職の相談をしてはいけません。「信頼しても信用するな」です。特に最近の若手社員にその傾向が見られるのですが、私のところにも「X社に転職したいと思っているのですが、どう思われます?」と聞いてきた部下がおりました。無邪気過ぎます。

 

トラブル対応は逃げるが勝ち

ここまで、いかにスマートに退職・転職するかに焦点を当ててきましたが、中には、これまで退職していった同僚が大変な目にあったのを見てきた、とか、退職したかったけれど辞めさせてもらえなかった、という方もいるのではないでしょうか。責任感の強い方は、今自分が辞めたら残された同僚が苦労することになる、と考えているかもしれません。

 

しかし、一番大切なのは自分です。自分を犠牲にして仕事をしても、会社はあなたを一生面倒みてくれるわけではありません。今いる会社を辞めたいが、上司に退職の申し出をしても受け入れてくれないと悩んでいる方は、冷静に考えてください。労基法上、あなたはあなたの意思で会社を辞めることができます。

 

もし、会社との間でトラブルになることが予想される場合には、無理せずプロに任せてしまうのが最善の策です。全て自分で背負い込む必要などないのです。真面目な人に限って、正攻法で上司と面談の上退職の申し出をすることを考えますが、気の弱い性格なら、上司や人事担当者が寄ってたかってあなたに翻意を迫ってくることだってあります。また、あなたの転職を妨げようとする可能性だってあります。

退職に際して、そのようなリスクを少しでも感じるのであれば、手続き一切を専門家に任せてしまいましょう。ただし、退職手続きの代行では弁護士資格がないと有休消化や残業代・退職金の交渉ができません。したがって、どこに依頼するかは慎重に検討する必要があります。

 

土地探し・家作りは大変(8)

f:id:lambamirstan:20191026045002j:plain

大手ハウスメーカーのプランニング

その日の午後、B社とC社からプランニングの説明を受けて、帰宅したのは日が暮れてからとなりました。簡単に夕食を済ませた後、A社と合わせて3社のプランニングを6畳間の畳の上に広げて比較検討開始です。

 

A社のプランニングを最初に見た時には気づきませんでしたが、こうして3社分を見比べてみると、どのプランニングもとても良く似ています。それも当然で、どのプランも私たちの要望を聞いたとおりに取り込んでいるからです。1階にリビング・ダイニングと水回り。2階に個室を3部屋とトイレ。違いは、各社独自の工法を用いているということくらいです。

 

たしかに、私たちが希望する家の間取りは“こんな感じ”ではあるので、文句は無いのですが、何というか、3社それぞれにサプライズ的な提案があることを期待していたので、やや拍子抜けしてしまいました。

 

また、見積もりも各社とも私たちの予算を同じくらい上回る金額。示し合わせたなどということは無いはずですが、何となく、こちらの反応を窺っているのではないか、と思わせるものでした。

 

私と妻の結論は、よく言えば「甲乙つけ難し」ですが、正直に言うと決め手に欠けるというものでした。

 

「4人家族の家ってどれも似たようなものなのかな」と妻がぽつり。それが、間取りのことを言っているのか、金額のことを言っているのか、あえて私は尋ねませんでした。

 

その物件に難あり

不動産屋からは次の物件ツアーのお誘いもありましたが、検討中の土地の結論を出すまで待ってもらっていました。

次の週、妻は下の娘の学校の3者面談のため休みを取りました。その日の朝、私の出がけに、妻から「ついでだから、例の土地をもう一度見てくる」と言われました。“例の土地”については、もう一度一緒に見に行く約束はしていたものの、ここ数日は何となくその話には触れずじまい。私は曖昧な返事をして家を出ました。

 

夕方妻から私の携帯電話に、早めに帰ってくるよう連絡がありました。下の娘は帰国して中高一貫の学校に編入したものの、学校の授業についていけないとボヤいていたので、きっと三者面談でいろいろ注意されたのだろうと思っていました。私は娘にかける言葉をあれこれと考えながら帰路につきました。

 

ところが、玄関のドアを開けると、真っ先に飛び出してきたのは娘。私の袖を引いて早く家に上がるよう促します。その後ろにはやや紅潮した妻の顔。私がテーブルに着くのももどかしいというように妻が話し始めます。

 

三者面談の後、妻と娘は例の土地を見に行きました。たまたま犬の散歩で通りかかった高齢のご婦人に、その土地の住人について尋ねたところ、どうやら犬の多頭飼いをしていて、鳴き声のことでトラブルになっていた“らしい”という話。これを聞いた妻は、問題の家の右隣と真向いの家に突撃します。インターホン越しにそれぞれのお宅の奥様と話をするも、「ひどい目にあった」、「あの家の話はしたくない」と、余程嫌な思いをされたということは分かったが、実際に何が起こったのかは結局分からなかった・・・ということでした。

 

私は不動産屋に妻がご近所から聞いてきた話の顛末をメールで伝え、何か事情を知っているか聞いたところ、その住人はブリーダーを商売としていて、その家で犬を飼っていたのは事実だが、近隣トラブルがあったことは承知していないとの返答でした。営業の方は平謝りでした(別にその方を責めるつもりはなかったのですが)。

 

ともあれ、このような事情を知ってしまい、私の気持ちは萎えてしまいました。一方妻は、土地探しはダンナ(=私)には任せておけない、自分がしっかりやらないと、という責任感が湧いてきたそうです(後から聞いた話)。

 

気持ちが萎えてしまった私ですが、ハウスメーカーにプランニングまでお願いしていた手前、数日の間、何とかならないものかと逡巡していました。しかしながら、そのような騒動(?)があった土地に引っ越すとなると、私たちに非が無くても居心地が悪いのは想像できます。そんな状況で楽しく暮らすことなどできません。私と妻は、終の棲家と思って土地を探しているわけですから、ここは焦らず、2人がそろって「ここにしよう」という土地を見つけようと考え、この土地は諦めることにしました。

(続く)

ゼンリン住宅地図 A4判 武蔵野市 20190313203110Q東京都 【NFR店】

価格:19,404円
(2019/11/12 16:04時点)
感想(0件)