和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

貯金・節約のためのヒント 車無し生活

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貯金なんて無理という前に

貯金と節約は表裏一体です。貯金に励みたくても回せるお金が無ければ何も始まりません。毎月の収支がトントン、あるいは赤字で、貯金する余裕なんて無いという方もいるでしょう。私たち夫婦も新婚当初はそうでした。

 

穴が開くほど家計簿を見つめても無駄な費用が見つからない。そういう方は、まずご自分の生活スタイルを振り返ってみること。生活スタイルを見直してみると、必ず工夫できる余地があるものです。私たちの場合、それは車を手放すことでした。

 

車が無くても

私は就職後、とある地方都市の事業所に配属となり、そこで妻と知り合いました。その街では公共の交通機関の便が悪く、車がないと生活が成り立ちませんでした。通勤も車、買い物も車、デートも車。車中心の生活でした。

 

それが、結婚後に都内の社宅に引っ越すと、車を使うのは週末に限られました。当時、私と妻の週末の楽しみはドライブ。弁当を作って山や湖などに日帰りで出かける。あの頃は、それが一番安上がりのデートだと思っていたのです。しかし、当然ながら、車を持っていれば毎年の車検費用や税金、保険料、ガソリン代、それに駐車場代(社宅費に上乗せになっていました)がかかります。故障すれば修理費もかかります。

 

妻が不意に「これ、もったいなくない?」と尋ねました。

 

思えば、週末のドライブも車を使うことがまずありきで考えたものでした。せっかく車を持っているのに平日は使えない。せめて週末にでも使わなければもったいない。そういう発想でした。考えてみると、歩いて行ける距離にスーパーや商店街もあり、デパートも電車で行けます。車が無くても生活できるのでした。そのとき私は奨学金や会社からの借金(結婚資金)の返済中。その中で何とか貯金できないか考えているところでした。そこで、試しにしばらく車を使わないで生活してみることにしました。

 

週末の買い物は当然歩きです。商店街まで片道10分程度ですので大した苦にはなりません。遠出のデートは電車やバスを使います。車でのデートでは、ドライバーの私は外の景色を堪能することができませんでしたが、電車の場合、ぼおっと外を眺めていても目的地に連れて行ってくれます。近場のデートでは、当時はインターネットも普及していませんでしたので、あらかじめ地図でコースを決めて、社宅から歩いて行ける公園やお寺などを散策しました。これが結構いい運動にもなり、夫婦にとっていいダイエットとなりました。また、近所を散策すると思いがけない発見もあります。地図にない抜け道や、路地裏の古物商。今のようにインターネットで情報が氾濫しいていない分、自分の足で情報を集める楽しみがそこにはありました。そんなこともあり、妻も私も車の無い生活をストレスなく受け入れることができたのでした。

 

こうして私たちは車を手放しました。そして、浮いた費用は“つもり貯金”に回しました。住んでいる場所によっては、車が無ければ生活が成り立たない、車を手放すなんて無理、という方もいるはずです。それでも工夫の余地はあると思います。私の知り合いも車がないと生活できないところに住んでいます。子供は独立して夫婦共働き。しかし、数年前から収入が減ったため、家に2台あった車のうち1台を処分したそうです。毎日の通勤は、奥様がご主人を職場に送り届け、そのまま自分の職場に。帰りも奥様がご主人を職場に迎えに行く、ということにしたそうです。このような工夫も有りだと思います。

 

車が無いことが前提の生活

私たちは海外駐在の期間を除き、車を持たない生活を続けています。家族でキャンプに行くなど、どうしても車が必要となればレンタカーを借ります。

そうやって、車を持っていればかかったはずの費用は、かれこれ20数年の間“つもり貯金”に回され、娘たちの教育費の一部に使われています。

 

生活スタイルの変更は、最初のうちは窮屈さを感じるものかもしれませんが、まずは試してみること。そしてそれが楽しみながら続けていけるかをよく考えてみてください。私たちも、車を使わないと決めてから、実際に愛車を手放すまで数か月かかりました。しかし、やがてそれが当たり前と思える私たちの生活スタイルとなりました。

 

今、妻は変則シフトの仕事に就いているので、日曜日が唯一夫婦そろっての休日です。午前中に家の掃除や買い物を済ませ、昼前からデートです。弁当を作って近くの公園を散策したり、街ブラをして、ふと気に入ったレストランで遅めの昼食を摂ったり・・・と週末を楽しんでいます。

 

最後に。

節約は生活にメリハリをつけるためのテクニック。それ自体を自然に受け入れられるかが長続きの秘訣です。節約がかえって過度なストレスとなり、楽しいはずの日々の生活が苦行になってしまっては本末転倒ですので、拙速に行うものでないことは言うまでもありません。まずはご夫婦、ご家族で今の生活スタイルに改善の余地があるかをよく話合ってみては如何でしょうか。