
十一月二十六日に発生した香港のマンション火災は、日を追うごとに死者の数が増えています。昭和生まれの私は、四十年あまり前のホテルニュージャパンの火災を思い出しました。
同ホテルは十階建てで死者数は三十数名と、香港のマンションとは建物の規模も被害者の数も比較にはなりませんが、防火管理体制の杜撰さが被害を大きくした点は共通しています。
まだ会社員だった頃、国内外の出張で宿泊する際には、私は必ず低層階の部屋に泊まるように心がけていました。チェックインして最初にするのは避難経路の確認。会社が社員の出張時のために用意した安全マニュアルが出来る以前から、私がそうしていたのは、妻がしつこいほどに私に注意していたからでした。
多分、心配性の妻がいなければ、私は自分の宿泊先の部屋にそれほど注意することもなく、避難経路の確認もしていなかったことでしょう。
二度目の海外駐在中、家族旅行で訪れたホテルでは、フロントで低層階の部屋が空いてないと言われたのですが、交渉して狭い部屋に補助ベッドを押し込んで家族四人で寝泊まりしました。
旅行一日目の深夜に警報音と館内放送でたたき起こされて避難しました。幸い、火災報知器の誤作動が原因だったのですが、慌てずに行動できたのはあらかじめ避難ルートを確認していたことと、低層階の部屋だったのですぐにホテルの外に出られる安心感があったからでした。
住む場所も泊まる場所も、いざという時のことを考えるのは大切だと身に染みて感じます。