新型コロナウィルス 外出自粛よりも予防策の啓蒙を

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自粛の限界

ゴールデンウィークが終わりました。私の勤め先では、研修を終えた新入社員がそれぞれの配属先に着任する時期ですが、依然在宅勤務が続く中では業務の習得もままならないと思います。オンラインでどれだけ時間をかけて説明しても、実際の職場で手取り足取り教えることには敵いません。また、リモートワークだけでは、新入社員にとって仕事をしているという実感に乏しいのではないかとも思います。この“実感”が得られないことが、若い有望な人材のやる気を殺いでしまわないことを祈るばかりです。

 

例年、ゴールデンウィーク明けの心配事と言えば“五月病”です。連休後、遅刻や欠勤をしたり、様子がおかしい社員はいないか。特に若手社員には注意を払う季節です。しかし、全社員が在宅勤務を行っていると、仕事に対するモチベーションを失っている社員を見つけることは簡単ではありません。

 

私は、体調確認という理由をつけて、各部員と毎日数分話をするようにしています。ビデオ会議システムを使ったり、あるいは携帯電話だったりと、手段はまちまちですが、その日の部下の表情や声の様子から変わったところは無いか注意するようにしています。

 

この記事を書いている5月7日は、ゴールデンウィーク明け最初の勤務日でしたが、在宅勤務を続けている限り、ほとんどの時間を家で過ごしていることに変わりは無く、いわばマンネリに陥っている者がほとんどでした。

 

皆、在宅でできる楽しみを見つけようと頑張っていますが、やはりフラストレーションが溜まってしまうのはどうしようもありません。とりわけ、ゴールデンウィークは、どこの家庭でも家族旅行や帰省などの計画を立てていたことでしょう。そのようなイベントが無くなってしまったこともあり、今日はどの部下の声も今一つ“張り”が無かったような気がします。

 

このような状況の中、行政の外出自粛要請を尻目に、勝手気ままに行動する人々が少なからず存在します。真面目に外出を自粛している人にとっては、不自由な生活を強いられていることに加えて自粛要請に従わない人間のせいでさらに感染が拡大する不安にも晒されているわけです。

 

もっとも、「自粛」ですから、外出を控えるか否かは個人の判断に委ねられます。したがって、“自分さえ良ければ”、“自分は感染するはずがない”、“自分だけ我慢するのは馬鹿らしい”などと考える人に自粛を要請することは無意味です。ここに、自粛要請の限界があります。

 

今回のような非常事態への対応のためには、他国のように外出禁止など、個人の権利を制限する法律が必要でした。もちろん、今さらそのようなことを嘆いても始まらないのですが・・・。

 

自粛警察で鬱憤晴らし?

自粛警察。これまた今年の流行語大賞にノミネートされることでしょう。しかし、飲食店に営業自粛を強制する貼り紙を行ったり、他県ナンバーの車を破損したりする行為は決して正義ではありません。

 

あくまでも、行政が要請していることは自粛であり、それに応じないからと言って何ら咎められる筋合いのものでは無いのです。行政の要請を聞き入れないからと言って、そのような相手を取り締まる、あるいは制裁を加える権限は民間人にはありません。そもそも、頼まれもしないのに取り締まりや貼り紙を行うために外出することは、行政の外出自粛の要請に反することになります。

 

自粛警察を気取っている人間の中には、単なるストレス発散を目的とする者がかなり多く含まれているのではないかと思います。面と向かっての抗議や要請では無く、貼り紙には、相手を誹謗・中傷、あるいは脅迫するという意味合いが含まれています。貼り紙をされた店が困惑したり、怯えたりすることを見て鬱憤を晴らすことを目的としているのだとしたら、品の無い悪戯以上のものではありません。

 

しかし、悪戯だけならまだしも、私が懸念しているのは、感染拡大を過剰に恐れる人が自粛警察に含まれている可能性です。

 

もしそのような恐怖心を抑えられない人を放置していたら、やがては、河原でバーベキューを楽しんでいる家族連れや商店街でショッピングをしている人々が、無差別に傷つけられるリスクもあるわけです。

 

感染予防策の啓蒙

そのように考えると行政や司法の役割はとても大切です。非常事態下での外出や営業を禁じる法律が無い中でできることは限られていますが、それでも、国民や外食業・遊興業の店舗に対して外出や営業の自粛を粘り強く要請し続けるほかありません。また、それと並行して感染しないため、及び感染を拡大させないための予防策についての啓蒙活動も非常に重要だと考えます。

 

外食のお店では、今後はテイクアウトやデリバリーで顧客数を増やしていく必要があります。応援したいお店に列を作ること自体は避難されることでは無いでしょう。ただし、その際に正しいソーシャルディスタンスを保てるよう店内の席を考えたり、来客に対して行列の間隔を守るように要請したりと言った工夫は必要です。しかし、そのような工夫を施すことによって、安全な営業は成り立つと考えます。

 

また、公園や川原などに繰り出す人々を蔑んだり非難したりすることは簡単ですが、これから一生外で遊ばないと言うわけには行きません。屋外で遊ぶ場合には大人も子供もマスク着用。公園の遊具で遊ぶ際には小まめに手洗いや消毒を行う。帰宅後すぐのうがい・手洗い・・・など、感染拡大を予防するための手段を、行政はより積極的に啓蒙する時期に来ているのではないかと思います。

 

感染予防に無知であることも、ウィルスの存在を過剰に恐れることも、ともに私たちの生活に支障を来します。正しい知識を普及させることこそが、行政が行うべき次の課題です。