続 ポストCOVID-19の生活

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職住のシームレス化

在宅勤務を行うようになって、往復約2時間の通勤が無くなりました。時間的な余裕が生まれたのはもちろんですが、それよりも、鮨詰めの電車に揺られるストレスから解放されたことは、私にとって大きなメリットとなりました。

 

朝は自分が担当する家事を済ませ、早朝の散歩と食事を終えると、勤務開始となります。“職場”は私たち夫婦の寝室です。布団を上げ、そこに折り畳み式の小さなテーブルを置き、ノート型のPCと筆記用具を用意すれば、仕事の準備が完了します。

 

勤め先はフレックス制を導入しており、午前10時から午後3時までがコアタイムですが、私の勤務時間は午前7時半から午後4時までです。その後一服し、夕飯の支度をします。6時には夕食の時間となりますが、これも大きな変化です。これまでは、家族の中で一番早く帰宅した者が夕食の準備を行うことになっていましたが、家族全員一緒に食卓につくことはほとんどありませんでした。それが、今では家族4人で夕食を摂ることが当たり前となりました。

 

これまでは、通勤を間に挟むことによって、プライベートな生活と仕事の切り替えを行っていましたが、今はそのきっかけが無くなりました。“仕事スイッチ”をオンにするためにあえてしていることと言えば、勤務開始前に必ず部屋の掃除を済ませておくことと、部屋着では無く、外に出かけても差し支えない程度の服に着替えておくことくらいですが、まだ何となくしっくり来ていません。

 

元々自宅でお仕事をされている方にとっては、ごく自然の生活パターンなのかもしれませんが、これだけ長期間の在宅勤務は私にとって初めての体験です。仕事用の頭に切り替えるのはまだ試行錯誤を続けています。

 

とは言え、新型コロナ騒動後、仕事のあり方が大きく変わる可能性は否定できません。感染率の低減、再拡大の回避、また何よりも自分自身を感染者にしないための最善の方法は、在宅勤務の継続だと思っています。

 

もし、在宅勤務が基本になれば、仕事(職場)とプライベートの継ぎ目がほとんど無くなります。この継ぎ目のない領域をうまく行き来することが、これからの生活を充実させる鍵になると思うのです。

 

重要さを増す家の役割

我が家の基本的な考えは、仕事を家に持ち帰らないというものでした。したがって、家の造りも在宅勤務を想定したものではありません。もちろん書斎などというものはありませんし、デスクトップのパソコンもありませんので、“パソコンコーナー”のようなものもありません。子供たちは勉強机がありますが、私と妻は物を書いたり調べものをなどをするときは、食卓が書斎代わりでした。

 

先ほど触れたとおり、今私は寝室を仕事場として使っています。机はありませんので折り畳み式テーブルの前に胡坐をかいて仕事をしています。難点は、腰が痛くなってしまうため長時間の仕事ができないことです。

 

家で仕事をするのであれば、それを前提に家の造りを考えておくべきでしたが、当時はそんなことは全く想像もしていませんでした。

 

在宅勤務が一般的となれば、集合住宅にせよ、戸建てにせよ、ワークスペースの有無がポイントになりそうです。書斎などの個室を用意することは無理だとしても、リビングの片隅や、デッドスペースに執務エリアを確保するなどの工夫が必要になりそうです。

 

都心の場合、通勤の便を優先して家を探すとなると、どうしても居住スペースを犠牲にしがちになります。しかし、今後、テレワークが基本になれば、住む場所の選択肢は今までよりも広がります。もちろん、買い物や子供の教育など重視すべき条件はありますが、少なくとも、通勤の便は然程重要な条件では無くなりそうです。

 

むしろ、これから家に一層求められるものは、プライベートな空間と仕事場を両立させるような機能ではないかと思います。集合住宅では、リモートオフィス用の共有スペース設置が当たり前になるかもしれません。

 

ワーク・ライフの一体化

在宅勤務が働き方のスタンダードになり、プライベートと仕事のシームレス化が進むとその先にあるものは、ワーク・ライフの一体化ではないでしょうか。

 

現状、私の部下の中にも、子供の保育園や学校が閉鎖された状態で、仕事と育児を同時並行で行っている者がいます。共働きの世帯が在宅勤務を行なう時に子供が家にいるとなると、夫婦が交代で子供の世話をせざるを得なくなります。

 

新型コロナ騒動が沈静化した後、在宅勤務が定着したとすると、仕事と家事を同時にこなす器用さが必要になります。家人が病床に伏せていれば、仕事をしながら看病も行う。また、老齢の親がいれば、在宅勤務と在宅ケアを同時に行う、といった具合です。

 

家族の面倒と仕事の両立など無理と言う方もおられるかもしれませんが、仕事の成果のみが問われる職種であれば、どのように働くかは本人の裁量に任せてもいいはずです。

 

これまで家庭の事情で仕事を断念していた有能な人材が、在宅勤務とワーク・ライフの一体化によって、再び仕事で能力を発揮できる日も近いのではないかと期待します。