価値ある仕事

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新しい生活様式を取り入れた働き方

厚労省が具体例を示した「新しい生活様式」。この中で、「働き方の新しいスタイル」として同省が掲げているのは、“テレワークやローテーション勤務”、“時差出勤”、“オンライン会議”など、3密を避けた働き方です。

 

実際に私の勤め先では、緊急事態宣言下、在宅勤務を基本とし、「不要不急の出社の禁止」、「不急な会議の中止、または紙上開催」、「オンライン会議を活用し密なコミュニケーションを心がける」を柱に業務を継続してきました。

 

これによって、多くの会議が“不急な会議”に振り分けられました。「紙上開催」と言うのは、会議の内容がすでに出席者の熟知しているところであったり、事前に資料を配布することで口頭での説明を省略できる場合に、議事録だけを作成して会議を開いたことにするものです。

 

関係役員から承認を得るための会議などは、かなり前から形式的だとの声が上がっていました。会議で採決する前に、すでに“根回し”で決着しているからです。むしろ、私としては悪しき慣習である“根回し”を止めて、会議の場で「ぶっつけ本番」で審議すべきだと考えるのですが、これをやると会議が紛糾する可能性もあるので、事務局が首を縦に振りません。ともあれ、この手の会議が簡略化されただけでも成果ありでした。

 

本当に必要な会議であれば、オンラインで役員が一同に会する場を設ければいいだけなのですが、それをやらないということは、どうでも良い会議だったのでしょう。これまで散々出席を強いられてきた会議とは一体何だったのかと改めて考えさせられます。

 

不要な会議や無駄な時間を削ぎ落し、また、これまで役員を個々に当たっていた根回しも、メールで説明資料を送って質問に答えるスタイルに改めました。これにより、無駄な業務が大幅に削減されることになりました。そのこと自体は喜ばしいことではあるのですが、不要なものを自分のスケジュール表から削除すると、私の予定はスカスカになってしまいました。

 

新しい生活様式を取り入れて業務の見直しを行うことにより、私の時間の大半は無駄な仕事で埋められていたことが良く分かりました。とてもショックです。

 

新しいワークスタイル

本来、管理職である私の役割は、仕事を前に進めるための組織力強化や、部署間の調整のはずでした。本来の役割に時間を割くべきところ、これまでは社内の形式的な会議のための準備や出席に多くの時間を取られていたことに気がつくとともに、もし、出社が再開され、無駄な会議も再開されることになったら・・・と考えると少し憂鬱になってしまいました。

 

思うに、昨年の春に働き方改革関連法案が施行された時から、企業にとって働き方改革は重要な課題となりました。

 

私の勤め先でも、同関連法案の施行に先立ち、働き方の多様化を進める動きはありました。フレックスタイム制はもちろん、産休・育休、介護休の取得条件の緩和や、時短勤務や在宅勤務の試験的導入も始めていました。

 

そのような中、新型コロナ騒動のお陰で、ほとんどの社員が在宅勤務を強いられることとなったわけです。人事部は、在宅勤務の“試験段階”では、勤怠管理ができないなど短所を喧伝する一方でその長所を活かすような方向性を打ち出そうとはしませんでした。

 

しかし、今回、在宅勤務でも効率的に仕事を進められることが証明できました。これまで2か月間の“完全”在宅勤務で業務に支障が生じたと言う話は聞きません。私個人としても、このまま在宅勤務を基本とするワークスタイルで何の問題も無いと考えています。

 

私の職場に関して言うと、現在、どうしても出社しないと対応できないことは、支払と入金の伝票処理、そして、会社のサーバーに保管されているファイルへのアクセスです。セキュリティー上解決すべき課題はあるものの、これらを在宅で対応することは不可能では無いはず。もし、全ての業務を自宅に居ながらにして行えれば、事務所で仕事をする意味は無くなります。自宅だと仕事を行いづらい場合(小さい子供やペットがいて仕事に専念できないなど)に、事務所を仕事場として開放するという程度にその役割は低下すると思います。

 

いずれにしても、在宅勤務の本格導入を真剣に検討しなければ、社内から不満が噴出することになるでしょう。新型コロナ前のワークスタイルに戻すことは、社員からの大反対を受けることは必至です。

 

価値ある仕事

新しいプロジェクトを立ち上げ、投資額を回収し、会社の収益拡大に貢献する。成功すれば高く評価されることになりますが、失敗すれば責任を取らされることになるかもしれません。仕事の価値は結果が全てです。

 

“結果が全て”とは言え、これまでは、本人や部署が如何に真剣にプロジェクトに取り組んだかという、“姿勢”も評価の指標でした。しかし、在宅勤務で、かつ、仕事にかける時間を本人の裁量に任せるとなると、“努力した”というプロセスよりも、結果そのものが一層重要となります。

 

これまで評価項目として比較的重要視されてきた“真面目”とか“コツコツ”という仕事に対する姿勢は価値を低め、“効率化”や“判断力”と言う仕事の結果として目に見えるものの評価がより高まること。これが在宅勤務の残酷な一面となるでしょう。

 

また、景気の先行きが混沌とする中、管理部門の仕事も企画・戦略的な業務はさておき、定型的な業務はアウトソースしてコストセンターのスリム化を進めることになるでしょう。新型コロナ騒動で世界が変わりましたが、さらに数年後、今私たちが想像している以上に世の中が変わっているかもしれません。