和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

年末の散髪

退職後も散髪は元職場の近くにある理容店にお世話になっています。海外駐在中の東京出張の際に飛び込みで入ったお店で、担当してくれるSさんとのご縁はかれこれ十年以上になります。

 

まだ散髪するタイミングとしては少々早めのような気がしていましたが、年末年始は身も心もスッキリしておきたいと思い、昨日今年最後の散髪に出かけました。

 

妻は、髪を切るのにわざわざ片道三十分以上をかけて出かける私に呆れ顔です。「近所でもっと安く済ませればいいのに」と言いますが、私はご縁を大切にしたい性分。それと、退職後は電車に揺られる機会が大幅に減ったので、ちょっと遠出する理由にもなります。

 

昔は髪を切ってもらっていると、はらはらと落ちる中の白髪の量をつい気にしてしまいました。白髪が目立ち始めた三十代後半は小まめに髪を染めていましたが、五十代に差しかかって加齢に抗うのを諦めてからは白髪の急増が落ち着いたような気がします。

 

どの道、体は歳相応に変化していくもの。無駄な抵抗をせずにそれを受け入れられるようになって、気分はとても楽になりました。白髪も皺も自分の慈しむべき一部だと思えば忌み嫌うものではなく愛おしいものに感じられます。