和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

子ども世代の仕事観と親の受容

仕事を辞めてしまったので、最近の若者の仕事観に直接触れる機会と言えば、娘二人から話を聞くくらいしかなくなってしまいました。彼女たちが世間の若者の一般的な考え方を代弁しているとは言い切れませんが、娘たちとの話から垣間見れる仕事観も含めた生き方はなかなか興味深いものがあります。

 

一昨年転職した上の娘が前職を辞めると言い出した時、妻は動揺していましたが、それは妻の若かりし頃の転職に対するネガティブなイメージがそうさせたのだと思います。すなわち、転職すればするほど条件の悪い働き口しか見つからなくなるというものです。

 

当時と違い、今は多くの会社がキャリア採用を積極的に進めていて、転職希望者からすれば、リスクはあっても、より良い条件の会社を見つけられるチャンスが広がったと言えます。

 

私の元の職場では、随分前から若手社員や中堅社員の転職が常態化 ー この言葉が相応しいか疑問ですが ー していましたが、彼ら・彼女らのうちで転職に成功した者もいれば上手く行かずに転職を繰り返す者もいて、結局は本人次第としか言えません。

 

娘の転職の際、妻には、自分たち親世代が考える子どもへの期待が必ずしも本人にとって良いものとは限らないという話をしました。働き方も生き方も多様になり、一つの職場にしがみついたり、親が理想と思う生き方を求めることが必ずしも本人の幸せではなくなりました。子どもたちにはそれぞれが幸せだと思う働き方や生き方があるのだと。

 

“自分らしさ”を保ち“精神的な充足感”を得るための手段は私が彼女の歳の頃と大きく変わりました。娘の転職は結果として成功だったと言ってもいいと思います。親目線からすれば、転職した娘が元の明るい性格を取り戻しただけで満足です。