和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

家族の有難み

乾燥肌と手荒れ

乾皮症気味の私にとって、空気が乾燥する冬は厄介な季節です。かゆみを伴う肌のガサガサを抑えるため、保湿クリームが手放せません。

 

もう一つの冬場の悩みは手荒れです。洗い物が多い夕食後は食洗器のお世話になりますが、それ以外は手洗いにしています。食器類を洗う際にはゴム手袋をすればいいのでしょうが、私はどうも手袋の感触が苦手なのと、嵌めたり脱いだりする手間も面倒なので、つい素手で水仕事をしてしまい、結局手荒れに悩まされることになります。

 

若い頃も水仕事は素手で行っていたのですが、今ほど酷い手荒れにはなりませんでした。加齢のために体内の水分量が減っているのでしょう。娘たちも洗い物をする時は素手で行っているのですが、潤いのある若さは手荒れとは無縁のようです。

 

自分の手のあかぎれを見て思い出しました。私が中学生か高校生くらいの頃だったか、母も手荒れに悩んでいて、家事が一段落ついた後、荒れた手にクリームを擦り込んでいたものでした。

 

当時の私は、そんな母が一手に担っている家事を手伝おうと考えもしませんでしたが、自分にその役割が回ってきた今にして思えば、あの頃、皿の一枚でも洗ってあげることが出来たのではないかと後ろめたさを感じます。

 

親の有難み、家族の有難み

親の有難みは、自分がその立場に置かれてようやく知ることが出来るものなのでしょう。そう考えて、私は娘たちには“有難み”の押し売りをしたことはありません。いつか、娘たちに親の有難みを分かってほしいと期待することもありません。いずれにしても、娘たちにとってはまだだいぶ先の話です。

 

上の娘は不登校になりかけ、下の娘は反抗期に自己主張の塊となり、それぞれに妻や私を悩ませました。

その大きな波が過ぎた後でも、親子で同じ屋根の下で暮らしていれば、些細な事で言い合いになることもあり、いつも和気あいあいとは行きません。しかし、そのようなことは一晩寝れば忘れてしまうようなもので、悩みのうちには入りません。

 

今は家族として一番安定した状態なのだと思いますが、私がどんなに願っても、親子四人で一緒に暮らせる時間がいつまでも続くわけではありません。

 

私が出来るのは、一緒にいてくれる妻や娘たちに感謝することだけです。