和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

心身の整え方

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体調不良での気づき

ちょうど去年の今頃、排尿障害と尿路感染症を患い、1か月弱の間体調不良に悩まされました。症状自体は抗生物質の服用により2~3日で収まったのですが、その後、しばらく倦怠感が続きました。

 

それまでは、少しくらいの体調不良で仕事を休むことは無かったのですが、この時の排尿障害では体が言うことを聞いてくれませんでした。

 

自分の健康状態が気になり始めた矢先に妻の発病もあり、共倒れになってはいけないと、ことさら自分の体に気を配るようになったのですが、それからの約1年を振り返ってみると、日常生活の中での体調管理が如何に大切かを実感しました。

 

肉体と精神の疲れ

若い頃は、昼休みも取らずに業務を続けたり徹夜で仕事を仕上げたりと、多少の無理は利いたのですが、慢性的な疲労感が抜け切らない体を騙し騙し使っていたのも確かです。

 

何度か過去の記事で触れましたが、私は30代半ばに2週間ほど“戦線離脱”したことがあります。当時も肉体的な疲労感はあったのですが、それよりも精神的に参ってしまったことが休養を余儀なくされた原因でした。

 

当時感じたのは、心と体は切り離すことが出来ず、精神的な疲れは肉体的な疲れとなって現れることでした。その逆に、体の調子を整えることによって心を安定した状態に引き上げることも可能であると知りました。

 

その後、職場に復帰してからは、人一倍体調管理には気をつけてきたつもりだったのですが、いつの間にか日々の仕事に追われ、“多少の無理が利く範囲”で働き続けてきました。

 

自分では心の安定を維持することが出来るようになったと勝手に思い込み、ストレスを溜め込まない工夫を続けてきました。そのため、日々感じている疲労感は、業務の多忙さに体力がついて行かなくなったからだと都合良く解釈していたのです。

 

そして、いつしかまた、慢性的な疲労感を覚えるようになったのですが、それが自分にとって普通の状態であると無意識のうちに言い聞かせながら、短い夏休みや年末年始にリフレッシュすることで乗り切ることを繰り返して歳を重ねて来たのでした。

 

排尿障害の際に診察を受けた医師からは、十分な休養を取ること、また、休養の貯金は出来ないことから、疲れを溜めないような生活習慣に改めるようアドバイスされました。

 

私は、高校を卒業して独り暮らしをするようになって以来、一日3~4時間の睡眠で十分と考えショートスリープを続けてきました。ところが、医師からは少なくとも6~7時間の睡眠時間を確保するよう勧められました。夜間の睡眠時間が足りなければ、昼食後の午睡でも構わないと言われました。

 

今まで良かれと思って行なってきたことが実は疲労の原因になっていたことと、長く続けてきた習慣を見直さざるを得ないと言うことは、私としては認めづらかったのですが、まずは医師の勧めに従ってみることにしました。

 

生活と働き方の立て直し

とは言え、毎朝4時には目が覚める習慣が体に染みついてしまっています。時計のアラームはセットして就寝するのですが、不思議と、その5分前くらいには目が覚めます。海外出張などで時差ぼけにならない限り、目覚まし時計は不要です。

 

そこで、私は、より長い睡眠時間を確保するために就寝時間を早くすることにしてみました。以前は午前1時前後に床に就いていたのを、午後10時には布団に入ることにしました。しかし、これだと夜中の1時には目が覚めてしまいます。目覚まし時計の力を借りて起きる時間をコントロールするのは簡単ですが、睡眠時間を延ばすのは難しいものです。

 

その後、散歩の時間を増やしたり、入浴時間を早めたりと、いろいろな工夫をした結果、今は午後11時から翌朝4時までは普通に寝られるようになりました。夜中にトイレで目が覚めてしまうと“二度寝”は出来ないので、就寝前はできるだけ水分を取らないようにしています。

 

睡眠時間が長くなったことで、以前に比べて頭と体が軽くなった気がします。もちろん自己暗示的な部分は否めませんが、それでも十分な睡眠は体に良いことだと言い聞かせることによって、寝る時間がもったいないと言う考えは薄らいできました。これによって、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も向上したのかもしれません。

 

もう一つ、私がこの一年で変えたのは、仕事の負荷を減らしたことでした。妻の看病に専念できる環境を整えるためにいろいろと考えた上での結論でした。年齢的にもあと数年で役職定年を迎えるのですから、これを前倒しすることに抵抗は感じませんでした。

 

仕事量が減った一方で家事は増えたので、決して暇になったわけでは無く、むしろ“労働時間”は増えたのですが、役職について回る管理業務の煩わしさから解放されたことで心も体も軽くなりました。

 

一年前の体調不良は、体が発した悲鳴だったのでしょう。それをきっかけに、生活や働き方の立て直しができたのは、私にとっては幸いなことでした。慢性的な疲労感は、歳を取れば避けられないことでも、働いている限り仕方の無いことでもありません。“体調良好”は取り戻すことができるものなのだと思いました。