衣食住の住

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生活の場をどのように捉えるか

衣・食・住。生活を考える上でどれも大切な要素ですが、その中でも「住」は生活の基盤であり、家族の間でも、それぞれの価値観がぶつかり合う可能性の高いものだと思います。知人や会社の同僚がどこに住んでいるのか、どんな家に住んでいるのか気になって仕方がないという人も少なくないようです。

 

しかし、自分の住む場所は自分と自分の家族にフィットしていることが最も重要な条件であり、誰かと競い合って自慢するためのアクセサリーではありません。初めの一歩でそこを勘違いしてしまうと、家探しは残念な結果となるでしょう。

 

住む場所は、家族構成や年齢によって、生活の拠点をどこに置くかがおおよそ決まってきます。会社勤めをしていれば、通勤の便、子供が学校に通っていれば通学の便。通勤通学を優先させると、居住空間での妥協が必要となり、逆に、通勤通学にかける時間の許容範囲を広げれば、より郊外の、ゆったりとした地域に家を買える可能性が高まります。

 

また、そこでも、最寄駅から家までの距離や、買い物の便、医療機関へのアクセス、自然災害に対する強さなど、様々な要素によって選択肢の幅が変わってきます。

 

前回の記事で、お金の使い方のメリハリのことを書きましたが、家探しでも、生活の拠点を決めるためのいろいろな要素に優先順位をつけメリハリをつけないと、どれも決め手に欠けて選ぶに選べないと言う事態に陥ります。

 

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私は仕事柄、数年ごとの転勤がつきものだったため、結婚してから自分の家を買うまでの約25年間は、国内の社宅と海外を行ったり来たりの生活でした。

 

さて、そろそろ社宅の年齢制限も近くなり、自分の家を持たなくてはと考え始めた時、いろいろな選択肢がありましたが、最終的に判断の基準となったのは、妻、2人の娘、そして私の4人が、それぞれ新しい住まいでどのように暮らしたいのか、という点でした。

 

我が家の場合、平日・休日問わず、家で過ごす時間の多くはリビングあるいはダイニングといった“お茶の間エリア”です。自分の部屋に籠ることがほとんどありません。また、友人・知人を家に招くこともありません。親戚を呼んで泊まってもらうことも無いので、普段使わないような客間も不要。庭仕事が趣味と言うわけでは無いので、庭もいりません。車も持たないので駐車スペースは必要ありません。

 

そんな感じに、自分の家のライフスタイルを見直してみると、家族それぞれの部屋は寝るスペースが確保できれば良し。しかもベッドではなく敷布団であれば、それほどの広さは必要になりません。その代わり、家族が家にいる時間の大半を過ごすリビングは圧迫感の無い程度の広さを確保する、と言った具合に、自分の住処に対する“メリハリ”が分かってきました。

 

「家族4人なら、こういう間取りの家」と言う決まりはなく、それぞれの生活の仕方次第で家に求める機能も変わってきます。また、家族も年と共に変わっていきます。娘たちもいつまで一緒に暮らすか分かりません。最終的に夫婦2人になることも想定して家作りを行いました。

 

「あの人が済んでいる家より小さかったら恥ずかしい」とか「あの人があそこに住んでいるのに、それより遠くに家を買いたくない」などと、他所の家をものさしにしてしまう悲劇を想像しましょう。

 

ライフスタイルと優先順位

私は年齢的にも、今住んでいる家を終の棲家と捉えています。しかし、これも人によって考え方は様々。家は買わずに賃貸で、その時々に応じて住む地域や物件を選んで動き続ける方が性に合っていると言う人がいてもおかしくありません。また、家は買ったけれども、老後は介護付きのマンションへの引っ越しを考えている人もいるでしょう。何が自分のライフスタイルに合っているかは誰かに決めてもらうものでは無いのです。

 

家族の成長に合わせて家を買い替えて行くのも一つの方法です。もし、ローンを組むのであれば、若いうちが良いのでしょう。しかし、かつてのように土地さえ持っていれば何とかなる時代ではありません。ローン返済ができなくなったら家を手放せばいいと言うのでは、解決策にならないと思います。高度成長期からバブル期であれば、土地の価値は勝手に上がっていってくれたので、借金をしてでも土地を買おうとする人が多かったのです。そのような、“持っているだけで金持ちになれる”と言うような土地神話はもはや過去のものです。

 

従って、投資目的や将来転居することを前提とした土地購入は、エリアや立地条件を十分に調べておかないと、買い物損の結果が待っていることとなります。逆に、終の棲家のための土地で、地価の値上がり期待など関係無しと言うことであれば、選択肢を広げることができます。ただし、かつての新興住宅地が高齢化や過疎化によって、その価値を毀損しているだけでなく、住みやすさまでをも失ってしまったケースもあることには注意が必要です。

 

通勤通学、生活利便性、自然災害リスクなどチェックポイントは様々。自分が生活する場所としての条件を挙げ、各条件の優先順位を決めてターゲットを絞り込んでいくことが大切だと思います。

 

ちなみに、私の拙い経験ではありますが、土地・家にいわゆる掘り出し物はまずありません。同じようなロケーションにあるのに周囲よりも安い物件があったとすれば、何らかの理由があると思った方が良いでしょう。そう考えると、自分のチェックポイント全てを満たすような物件は ‐ 特に大都市圏では ‐ 高価となり、手が出しづらくなると思います。そのため、条件の優劣を決め、「絶対に譲れない条件」を絞り込むことで、相対的に候補物件の幅を広げることが得策だと考えます。