和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

外出自粛 逃げ場はどこに?

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自分にできること

コロナ離婚、コロナDV、コロナ禍・・・。今年の流行語大賞にはコロナと名がつく言葉がノミネートされるのは間違いなさそうです。

 

年明けにこのゴールデンウィークの予定をあれこれと考えていたのですが、その時と比べて、世界がまるで変ってしまいました。これまで、SARSなどの疫病が流行した時でさえ、在宅勤務や外出自粛がこれほど大々的に行われたことはありませんでした。誰も経験したことの無い世界に私たちは生きていることになります。私自身、“この先どうなるのだろう”と言うのが正直な気持ちです。

 

そんな考えは悲観的過ぎると思われる方もいるでしょう。来年の今頃になれば、今の状況が嘘のような平凡な日常に戻っていると考える方もいるでしょう。いずれにしても、私は未来の出来事を教えてくれる水晶玉を持ち合わせていません。騒動がいつまで続くか分からない中、精一杯生きることしかできません。

 

メディアでは、今回の新型肺炎で命を落とされた方がいる一方で、体は健康でも、夫婦や家族の関係に亀裂が生じてしまったという方もいると報じられています。本来助け合うために一緒に暮らしている家族が、不意に降ってきた災いでいがみ合う関係になってしまうというのは悲しいことです。

 

元気であるならなおのこと、平凡な日常に戻った時のために私たちひとりひとりができることは、夫婦と言う関係を、家族と言う関係を、守ることだと思うのです。

 

一緒に暮らすことの意味

在宅勤務や外出自粛によって、自ずと家族との時間は増えます。家族と一緒の時間をどのように使うのかが大事だということは、以前別の記事で書いたとおりです。

lambamirstan.hatenablog.com

 在宅勤務をエンジョイする人がいる反面、これによって家族がギクシャクしてしまったという人もいるようです。私の部下も、在宅勤務では家族が家にいて集中できないという者がおります。

 

子供がぐずったり泣いたりする声、掃除や洗濯などの生活音は止められません。たしかに、事務所とは違い集中力を殺がれることもあるでしょう。

 

また、主婦(あるいは主夫)の方にとっては、毎日三食、家族全員分の食事を用意することがストレスにもなり得ます。外食することが難しい状況であればなおさらです。働き手が在宅勤務になっても、それによって家事が軽減されるわけでも無く(かえって、余計な負担が増える?)、物音を立てないように気を遣ったりして息苦しく感じてしまう。

 

子供の立場になってみると、親が家にいるのに自分にかまってくれない。遊びに連れて行ってもくれない。静かにしろと言われる・・・。これではイライラが募ります。

 

こんな状況では、仲違いするために暮らしているようなものです。一緒にいることが楽しくなるような工夫はできないものでしょうか。

 

例えば仕事。生活音が気になるというのであれば、耳栓をしたら仕事に集中できるのではないでしょうか。例えば食事の支度。毎日の献立を考えるのを楽しみと考える人もいれば、苦痛に思う人もいます。夫婦で分担できれば最高です。もし、それが無理であれば、少々の手抜きは許されるべきです。栄養のバランスが取れれば、冷凍食品やスーパーの惣菜でも良いのではないでしょうか。家事の負担が減って夫婦の会話や子供の面倒を見る時間を増やせます。

 

在宅勤務がまだしばらく続き、今後一般化される可能性を考えると、仕事と自分の関わりや、家事や育児の分担など、生活スタイルの見直しは避けては通れません。

 

何のために仕事をしているのかを考えることも大切ですが、何のために家族と一緒にいるのかを見つめ直すことの方がより重要ではないでしょうか。

 

弱音を吐ける相手

配偶者や子供に手を上げるなどあってはならないことです。仮に今回のコロナ騒動がきっかけとなり仕事を失ったり、逆に仕事が増えたりしたストレスのはけ口を家族に求めているのだとすると、それはどのよう心理が働いているのでしょうか。

 

不安や不満は抑え込もうとすればするほど膨らんでくるものです。信頼できる誰かに吐き出すだけでも胸の閊えが取れると思いますが、そのような相談相手もおらず、自分よりも弱い立場の家族に当たり散らしてしまうのだとすると、 ‐ 決して暴力を肯定するものではありませんが ‐ 気の毒に思えてなりません。

 

誰か、自分の不安を聞いてくれる相手がいてくれたら。相手は配偶者でも、親友でも、同僚でも良いのです。信頼できる誰かに対して自分を曝け出すことができれば、それが自分にとっての逃げ場にもなるわけです。

 

私の場合、弱音を吐ける相手は妻です。思っていることや不安に感じていることがあれば、包み隠さず妻には話すことにしています。妻は大抵、私の話を聞き相槌を打つくらいで、こちらが膝を打つような答えを持っているわけではありません。しかし、自分が今どんな精神状態なのかを知っておいてもらうだけで、何となく気が楽になるのは確かで、妻もそういう時はそれなりの距離感で私に接してくれます。

 

そして、妻も折に触れ、イライラしていることや不安に感じていることを私に打ち明けてくれます。私も彼女が安心するようなアドバイスができるわけではないのですが、夫婦ともにお互いの気がかりを分かっているため、自然と相手を思いやる気持ちが持てているような気がします。

 

今のような先行きが分からない時にこそ、自分の逃げ場を作っておくことは必要ではないでしょうか。そして、自分が誰かにとっての逃げ場を用意してあげることができれば素敵なことだと思います。