老後生活のヒント 朽ち果てないために (1)

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自分の家にいられない

先々週、風邪を引いて熱が出たため、出社停止となってしまいました。火曜日の夜には熱は下がったのですが、さらに48時間は引き続き自宅待機するよう会社から指示があったので、月曜日から木曜日の丸4日間会社を休んだことになります。

 

もっとも、突然休まざるを得なくなったことと、ちょうど繁忙期にぶつかったため、私にとって初めてのテレワークを体験でき、貴重な4日間ではありました。しかし、テレワーク4日目ともなるとさすがに飽きてきます。仕事に飽きるということではなく、一日自宅でパソコンを前に座り続けていることに対してです。

 

そういうわけで、木曜日の午前中は完全オフにしてもらい、外の空気を吸いに出かけました。とは言え、病み上がりの身に無理は禁物。朝食後8時くらいに家を出て、小一時間散歩をした後、近所の図書館で休憩することにしました。実は今の家に引っ越しして以来、図書館を訪れるのは初めてでした。

 

平日の午前中です。静かな図書館でゆっくり雑誌でも読もうと思っていた私ですが、館内の様子に驚いてしましました。新聞・雑誌の閲覧コーナーのベンチはお年寄り - しかも男性ばかり – で埋まっていました。私が腰掛けられそうなスペースも見当たらず、当てが外れた私はとぼとぼと帰宅の途に就いたのでした。

 

その夜、仕事から帰宅した妻に図書館の話をしたのですが、彼女はすでに知っていたいようです。まだ暑い時期、平日の休みに調べものをしに図書館を訪れたところ、お年寄りでソファが占領されていたそうです。

 

妻は、もし来る日も来る日も自分の夫がやることもなく家に居続けていたとしたら、息苦しくなりそうだと言います。そのような空気を感じてなのか、あるいは奥さんに言われてなのか、分かりませんが、お年寄りが時間を持て余してやってくるのが図書館なのだというのが妻の説です。

 

濡れ落ち葉

時代が平成に変わった頃、「濡れ落ち葉症候群」と言う言葉が流行語になりました。定年後、やることもなく、奥さんの出かける先にべったりとついて行く夫を示すものです。当時はまだ専業主婦が多かった時代。家事全般をこなしている奥さん。退職後所在なく家にいる旦那さん。奥さんがたまの息抜きに外出しようとすると旦那さんまでついてこられては息抜きにもなりません。何となく、そんな情景が目に浮かびます。

 

さて、私の老後生活はどうなるのだろうかと考えます。今も家事はできるだけ夫婦で公平に分担しているつもりですし、定年後もそれは変わらないと思います。しかし、どんなに仲の良い夫婦だとしても、家でも外でもいつも一緒、では刺激も変化も無く退屈な生活になってしまう気がするのです。

 

別の記事でも書きましたが、私たち夫婦は「わくわくする老後生活」が目標です。そのためには、夫も妻も定年後の生きがいになるものを見つけておく必要があるのです。

lambamirstan.hatenablog.com

 

リタイアは第2の出発

定年後の生きがいを、“定年後になってから”探し始めるのもいいのでしょう。しかし、私はある先輩社員の老後生活に接し、終生の生きがいを見つける努力をするのに早過ぎることはないと考えるようになりました。

 

先輩社員3人の老後生活は、どれが良い、悪いという比較はできませんが、自分の老後を考えるに際してとても参考になりました。

 

Fさんとは直接仕事で一緒になったことはありませんでしたが、私の大先輩で、私の2度目の駐在地で勤務した経験もあり、いろいろと相談に乗ってもらっていました。当時、Fさんはすでに役職定年を迎えられ、子会社の取締役になっていました。本社での出世の芽は無くなってしまいましたが、そんなことを気にしないのがFさん。絵画や旅行、業界誌への投稿など、非常に多才な方です。

 

私の帰国後、Fさんと知人の送別会で久しぶりにお会いすることができました。すでに完全リタイアしたFさん。ある俳句団体の事務局長をされていると聞き、「Fさんは俳句もおやりになっていたのですか」と尋ねると、全くの素人でまだまだ修行中とのこと。たまたま知り合いに誘われて世話役を買って出たのだそうです。昔から人をまとめることに長けていたFさんは、その才能を買われて事務局長を務めているのでした。話を聞くとお忙しくされているご様子。人とつながっていると歳を取りません。リタイアは終わりではなく、新しいスタートなのだと教えられた気がします。

 

仕事をやり遂げる

二人目の先輩はTさん。海外部門でかつて私にいろいろと仕事を教えて下さった方ですが、40代半ばにして退職、大手商社の東南アジア支店で直接採用され、それ以来、彼の地での生活を続けておられます。ご家族は日本に残したままの単身赴任生活は20年を超えます。

 

現地での業務経験が長くなればそれだけ、ネットワークも広がり仕事もしやすくなります。会社としても、Tさんのコネクションを頼りにすることになるのでしょう。今ではTさんは現地の支店に無くてはならない存在になっています。

 

一昨年Tさんにお会いした時には、そろそろリタイアも検討中で、お子さんも独立されたので奥様を現地に呼び寄せて、そちらで余生をエンジョイすると言っていました。本当に好きな仕事に巡り合えて、やり遂げたという喜びが顔に表れていました。かつて一緒に仕事をしていた時よりも、一層エネルギッシュに活躍されているTさん。私はちょっと嫉妬してしまったことを覚えています。(続く)