仕事するのは何のため?

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これは思い描いていた仕事なのか

私が就職活動の準備を始めたのは、たしか大学3年の冬くらいからでした。その1年後に日本はバブル崩壊を迎えるのですが、そんなことを想像すらしていなかった私は、いずれどこかの会社には入れるだろうという甘い考えを持っていました。たぶん、私の大学の同期も同じだったと思います。

 

当時はインターネットも普及しておらず、今のように会社のウェブサイトからエントリーする、などということはありません。無料で送られてくる新卒向けの就職情報誌や、採用活動をしている会社からのダイレクトメールを見て、興味のある会社に資料請求をします。

 

その時住んでいたアパートは6畳間に机とベッド、それに背の低いタンスを置いていましたが、資料請求していない会社からも毎日のように書類が届きましたので、部屋はあっという間に足の踏み場もない状態になりました。

 

さて、大学4年の4月になると、一足先に社会人になっている先輩から声がかかり“OB訪問”となります。その後会社の人事担当と面談となり、お互いに感触が良ければ次の面談へと進みます。「就職協定」などあってないようなものでした。当時、いわゆる「解禁日」は8月1日だったと記憶していますが、各企業はその前に新入社員の確保を進めているのでし

た。

 

今の就活生にとっては驚きだと思いますが、当時、私が訪問した会社では全て筆記試験がありませんでした。“面接試験”のみです。面接官に良い印象を持ってもらえれば関門突破となります。そして、ほとんどの会社から内定をもらいました。本当に恵まれた時代でした。

 

そんな感じで、私は縁あって今の会社に就職しました。第一志望の会社であることに間違いはありません。しかし、今、冷静に振り返ると、これまでやってきた仕事は本当に自分がやりたかったことなのか分かりません。

 

まず、就職活動の準備段階から、いや、もっと遡れば、大学に入ってから、将来どのような仕事をしたいのかということを真剣に考えていませんでした。法務、会計、営業、人事・・・様々な職種がありますが、自分の就きたい仕事を具体的に思い描いていませんでした。会社を選ぶ時、“何となく”「スケールの大きな仕事」、「世界を飛び回る仕事」のような抽象的なイメージしか持てておらず、よくこれで入社試験に受かったものだと思います。

 

本当は仕事嫌いだった?

では、今就活生に戻れたとしたら、自分はどんな仕事に就きたかったのかと考えると、手が止まってしまいます。実は、入社直後から私は同じ疑問を抱いていました。最初に配属されたのは人事部。その後、海外事業の管理部門に異動してからこれまで、ほとんどを海外事業に関連する仕事に従事してきました。しかし、私は専門分野を持ちません。何かのエキスパートでもありません。“何でも屋”です。これが自分の希望していた仕事なのかというと、そうではありません。

 

では、何がしたかったのか。最近になって改めて考えてみたのですが、本当のところ自分は今の仕事が好きではないのかもしれない、と思い始めました。50歳を超えた人間が、今更そんなことを言うのは滑稽な話です。

 

たしかに、これまでの会社人生の中で、いくつかの局面である種の達成感のようなものを得られた瞬間はありました。しかし、今の会社の仕事に対して生きがいを感じたり、時間を忘れて没頭したりという気持ちは湧き起こりませんでした。これまでは、家族のためと思ってがむしゃらに働いていた時期もありましたが、自分の家を持ち、子育てもほぼ終わりに近づいた今、仕事に対しての情熱は全く感じられません。この“冷めた感覚”は何なのか。やはり、心の底では仕事嫌いなのでしょう。

 

どうしてもやりたいこと

ここまでは年寄りの戯言です。私の場合は、大学を出たらどこかの会社に就職するものだと何となく思っていていました。しかし、自分の一生を捧げたいこと、自分にとっての“天職”というものは何なのかということを真剣に考えるべきでした。たとえそれが、周りから「それじゃ飯が食えないよ」と嘲笑されるようなものだとしても、です。

 

そういう観点から、学生の時にもっと勉強しておけば良かったと後悔しています。勉強といっても、大学のゼミや講義のことではありません。もっと幅広くいろいろなことを経験することです。それが旅行であれ、音楽であれ、自分が真に没頭できることを探すという意味です。もし、本当に自分の全てを注ぎ込むことも厭わないというような、いわばライフワークに巡り合えてたとしたら、私の人生は、これまでとは全く違ったものになったでしょう。

 

今や、1つの会社で定年まで勤めあげるという時代ではありません。これから就活を始める学生の方々には、私と同じ過ちを犯してほしくありません。どこの会社に就職するかでは無く、どんな仕事に就きたいかを考えてもらいたいと思います。