和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

仕事も家事も公平に

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家事の男女公平まだ先の話?

今日、共働きが当たり前となりつつあります。我が家も例外ではありません。海外駐在中は家族で現地に住んでいたので、その間妻は専業主婦でしたが、帰国後は仕事を再開しています。

 

また、私の勤め先でも、私より下の世代では共働きが多数派になっています。男女の雇用機会が公平化され、性別に関係なく能力があればそれ相応の仕事に就けるようになりました。さらに、産休や育休制度が拡充され、以前に比べれば、子供を産み育てながら仕事を続けやすい環境が整っています。もちろん、仕事と育児を両立するための社会的課題は残っているものの、昔に比べて多様な働き方が認められつつあるのは、評価してもいいのではないかと思います。

 

さて、夫婦がともに外へ働きに出るとなると、気になるのは家事の分担です。専業主婦が圧倒的に多かった時代では、家事一切が主婦の仕事でした。私の実家でも、私が中学を卒業する頃までは、母親は専業主婦でした。父が家事に手を出すのは、年末の大掃除の時くらいではなかったかと思います。

 

私は、小学生の頃から母親に家事を手伝わされたため、家事をするのに抵抗感はありません。大学時代に一人暮らしをしていた時も、自炊することに抵抗がなかったため、経済的にかなり助かりました。そんなこともあり、我が家では夫婦で平等に家事を負担しています。平日は妻の方が帰宅時間が早いので夕飯は任せてしまいます。最近は大学生の娘たちも夕飯の手伝いをするようになりました。私は週末の2日間、炊事、洗濯、掃除を担当しています。特に家族で取り決めたわけではありませんが、何となく、そうするのが習慣化して今日に至っています。

 

ところで、“男女平等”という言葉には、私としては少々違和感を感じております。最たるものは、男女の性的機能であり、化学が進歩したとは言え、一般的にはまだ、出産は女性のみに与えられた特権で、男性は妊娠する手助けしかできません。その代わり、育児に“公平に”参加することは可能です。母乳を与えることは母親にしかできませんが、哺乳瓶で赤ちゃんにミルクを与えることは男性でもできます。我が家も娘たちが生まれたときは、日中の授乳は妻に任せていましたが、夜中は妻にはゆっくり休んでもらい、私が娘にミルクを飲ませていました。

 

また、家事も、家の外の掃除は私、裁縫は妻、と、どちらかに負荷が偏らないような暗黙の役割分担ができています。何もかも“男女平等に”する必要はありませんが、家の仕事をする上で公平感は必要だと思っています。

 

そんな感じで、我が家では“何となく自然に”家事を分担してきたので、それが普通のような気がしていましたが、周りを見渡すとどうも違うようです。私の部下も共働きですが、旦那さんは料理がまるでダメということで、夕飯を作るためにできるだけ早く帰宅しなければなりません。洗濯や掃除は“手伝ってくれる”そうですが、あまり上手くないようで、自分に負担がかかっていると愚痴をこぼしています。

 

また、別の部下は、家事全般を奥さんに任せっきり。自分は週末の買い物担当なのだとか。仕事では男女平等が当たり前の世の中になっても、家の中のことはまだまだ男女平等とは行かないのでしょうか。男性はよく、「私も家事を手伝っていますよ」と自慢げに(?)言うことがありますが、家事は共同作業です。「一緒にやっています」と言えるようにならなければいけません。

 

家事はだれでもできるもの

現役時代、仕事にかこつけて家事をしてこなかった人(特に男性ですが)は、完全にリタイアした後、家でどのように暮らすつもりなのでしょうか。朝、昼、晩、と奥さんが料理を作ってくれるのを待っているだけなのでしょうか。時間がたっぷりあったとしても、自分のパンツを奥さんに洗ってもらうのでしょうか。ひと昔前の“定年後のおとうさん”のような、日がな一日家の中でゴロゴロしているようなことは、この令和の時代には通用しません。仕事も家事も男女公平であるべきです。

 

私の経験からすれば、得意不得意の差があるとは言え、家事は努力すればだれでもできるようになります。家事の中でも、掃除と洗濯は今までやったことが無い人でも明日から始められます。

 

料理も然りです。今ではネットでおかずのレシピなどが簡単に手に入る時代なのですから、小学校の家庭科で習った粉ふき芋や目玉焼きしか作れない人でも、その気になれば今日の夕飯からでもすぐに作り始められるのではないでしょうか。もっと基本から料理を学びたければ、料理教室に通うことだってできます。

 

こういうことを書くと、女性からの誹りを受けてしまうかもしれませんが、我が家の場合、女性陣は手抜き料理が得意です。冷蔵庫の中の残った食材でもうまく使って、とにかく短時間で手際よく夕飯を用意します。あまり見た目にこだわりません。一方の私は、休日に時間をかけて料理するタイプ。妻からはこだわり過ぎだとよく文句を言われます。今までキッチンに立ったことのない男性でも、料理の勉強を始めると意外にハマってしまうかもしれませんよ。

 

間もなく定年を迎え、これまで家事に一切参加してこなかった人は、今からでも遅くはありません。少しずつでも、奥さんに教えてもらいながら家事に関わっていきましょう。

 


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