和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

お金を貯めることが目的ではない

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貯めたお金の使い道

以前、節約のヒントとして車無しの生活について書きました。車を手放すことで浮いたお金を貯金に回すというものです。

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車を処分した頃、知り合いの中には「そこまでして金を貯めたいか」と、揶揄う者もいました。今でこそ「若者の車離れ」などと言われていますが、当時私たちの住んでいた社宅では約30世帯のほとんどが車持ちでした。車を持っているのが“普通”だと思われていましたので、あえて車を手放すのは珍しいことだったのかもしれません。

 

当時私は奨学金や会社からの借金を返済中で、新入社員に毛が生えた程度の身分としては、貯金する余裕がありませんでした。幸い、車が無くても生活できる環境にいたこともあり、妻とも相談して車無し生活を始めたわけです。

 

こうして、わが家も貯金ができる状態になりましたが、何の目標もなくお金を貯め続けるというのはあまり楽しいものではありません。お金は使って初めて価値あるものになるからです。お金の使途がはっきりしていれば、貯金を続けていく励みにもなります。目先の無駄使いの誘惑に負けることなどないはずです。

 

これも以前書きましたが、私と妻は、結婚したばかりの頃、子供は二人持ちたい、老後安心して住める家を持ちたい、というささやかな(?)夢があり、それを実現するためにお金を貯めようという話になっていました。そして、まず当面は子供が幼稚園に通えるだけのお金を貯めることを目標にしました。夫婦の夢をかなえるためのお金ですから、楽しみながら貯金を続けていくことができました。

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世の中、お金を貯めるのが趣味という人もいますが、そうでなければ、闇雲に貯金をし続けることは苦痛になってしまいます。やはり、今貯めたお金を使って将来何をするのか、という目的をはっきりさせることが肝心です。目的のある貯金であれば、節約生活も楽しいものになるはずです。

 

いきなりエベレストには登れない

ところで、貯金に励もうと思っても、目標があまりに壮大だと途中で挫折してしまうかもしれませんね。経験もなく準備もせずに、いきなりエベレストに登れる人はいません。同様に、今まで稼いだ給料を毎月きちんと(?)使い切っていた人が、急に貯金を始めるというのは大変だと思います。無駄使いも節約も方向は真逆ですが、生活習慣であることに変わりはありません。今までの習慣を変え、定着させるのは想像以上に難しいことなのです、また、若い時はあまり貯金に回せるお金もありません。毎月数千円を貯金するのがやっとかもしれません。その時に貯金1億円! などという目標を設けても現実味が感じられません。私たちの場合、まずできそうな目標からチェレンジすることにしました。子供が幼稚園に通えるお金を貯めることができれば、それが自信になって、もう少し大きな目標を立てられると考えたのです。

 

まずは貯金の目的を決めること。何のためにお金を貯めるのか。そして、そのうちの最初の目標を決めます。例えば、家を購入するための頭金1000万円を貯めるとするならば、最初のマイルストーンを100万円にします。100万円の貯金が達成できたら、次の200万円までも何とかなりそうな気がしてきます。200万円の次は500万円。目標額まで貯金ができると、それが自信となり、少しずつ目標を上げていくことができます。ただし、そのときも目の届く距離にマイルストーン - このくらいならできそうという目標 - を置くことが大切です。無理なくストレスなく続けていくのが貯金のコツです。

 

我が家では、マイルストーンまで貯金を達成できた時は、夫婦でお祝いをしています。と言っても、ケーキを買ったり、少しだけ贅沢をしてワインで乾杯したりとささやかなものですが。そのようにして、今でも楽しみながら貯金を続けています。