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土地探し・家作りは大変(2)

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住んでみたいな、こんな家

とある9月の週末の午後、妻と私は近所の住宅展示場を訪れました。

場内を一通り見て回った後、最初に目についたA社のモデルルームを覗いてみました。テレビのCMも多く流している大手です。営業の方はとても物腰柔らかで好印象。リビングルームに案内された私たちはアンケート用紙を渡されました。住所・氏名、職業、家族構成、建築予定地、予算・・・。当たり前ですが、ここは注文建築を希望している人が前提なんですね。建築予定地や予算は「未定」としました。私たちが帰国したばかりで、家探しをこれから始めることを伝えると、「大きな買い物ですから、いろいろなハウスメーカーをご覧になってじっくり検討されることをお勧めします」とのこと。「是非当社にお任せください」などと押しつけがましいことは言いません。

簡単に自己紹介を済ませた後、営業の方から設計や建築方法のこだわり、契約締結から完工・引き渡しまでの大まかなスケジュールの説明を受けた後、モデルルームの中を案内してもらいました。

モデルルームなので当然なのでしょうが、広々としていて内装も落ち着いた雰囲気で、見た人に「こんな家に住んでみたい」という気にさせる造りになっています。最後に営業の方から、A社が施工した家を見学することを勧められたので、日取りを決めてその場を後にしました。

その後、B社とC社(これも誰でも名前を知っている大手です)と、地元のメーカーD社のモデルハウスに立ち寄りました。ハウスメーカーによって家造りの“売り”が異なり、比べてみると面白いですね。私たちは何の下調べもせずに来てしまったのでなおさらかもしれません。

結局この日はここで時間切れ。それぞれの会社からもらった資料や粗品を抱えて家路につきました。その日に見きれなかったモデルルームは次の週にでも来ればいいかなと思っていたのですが、この展示場からお付き合いが始まったのはA社、B社とC社の3社でした。D社は悪くはなかったのですが、これといった特色が感じられず、あちらからもその後コンタクトがくることはありませんでした。

 

土地探し どうする?

夕食後の私たち夫婦。「やっぱり注文建築はいいね」という私に対して、わが家の金庫番である妻は「もっといろいろ調べてからね」と釘を刺します。もう一つ重要なことは、「どこに住むか」です。帰国後、下の娘は中学三年でしたが、長年の海外生活で日本語は小学生レベル。一般入試で高校に入ることは絶望的だったのですが、幸運にも帰国子女を受け入れてくれる中高一貫の女子校に通い始めていました。長女は高校三年でしたが、駐在中に現地の高校を早期卒業していたので、進学塾通いの日々を送っていました。いずれにしても、娘たちの通学を考えると引っ越し先は限定されます。通学圏内で手ごろな物件があるのか、まずはそこからスタートです。ネットの不動産サイトや、新聞の折り込み広告、近所の不動産屋の物件案内を丹念にあったっていきます。

一方で私は、自分たちで思い描いた家を建ててみたいという“欲望”に取り付かれてしまいました。ネットでハウスメーカーや地元の工務店設計事務所を片っ端から調べては資料請求をして、日に日に家の中は資料の山が出来上がりつつありました。「この設計事務所の建てる家はおしゃれだね。注文するならここかな」「材は無垢に限るね」「風呂は何といっても檜でしょう」・・・。妄想は収まるところを知りません。

妻から“色々調べるよう”言われていたこともあり、近所の建売物件やマンション、分譲地の情報を漁りつつ、ハウスメーカーの現場見学会にも積極的に申し込みを行いました。ここから先、私の週末のほとんどは土地探しと家造りの妄想に費やされることとなります。

(続く)