和尚さんの水飴

老後の前のハッピーアワー

仕事・転職・定年

惰性の法則(1)

燻ぶっている人間 周囲の人々を見下す人間はどこにでもいるのですが、その手の人間は殊のほか自分の評価を気にします。他人は他人、自分は自分、と考えることが出来れば、どれほど気が楽になることだろう – そう思いながら、私は、その二年か三年先輩のSさん…

時間の引き算(2)

労働生産性の土台 私の勤め先では、どの部署も例外無く“労働生産性の高い組織作り”を目標に掲げさせられています。要は、社員の残業時間を減らして有給休暇の取得率を上げよ、と言うことです。 人材流出が止まらない会社において、社員の残業を減らして、な…

人を育てる余裕

なんでも屋と職人 今は、組織の活性化の観点から、部門間での定期的な人材ローテーションが必須になっていて、若手、ベテランに限らず、数年毎に異動させられるのですが、ジョブローテーションをルール化した頃から、それぞれの部の特色は薄れ、“顔の見えな…

ストレスのお掃除

ストレス解消のルーティン 私の朝のルーティンは、洗濯と風呂掃除、そして掃除機掛けです。夫婦共働きだった頃は - その頃は在宅勤務もなかったので – 掃除は週末にまとめて済ませていました。その時は気がつきませんでしたが、ほぼ毎日家中を掃除するように…

会社と社員のすれ違い(2)

自己都合退職は悪 私の勤め先では、すでに人材不足は“対処すべき課題”から“喫緊の問題”になりました。放置すれば、新規事業の立ち上げなどままならず、例えチャンスが到来しても事業を展開する余力を失ってしまいます。それどころか、既存の仕事も立ち行かな…

会社と社員のすれ違い(1)

仕事のオンオフ 今年も残すところ3か月余りとなりました。 かつての私にとっては、毎年ここから来年の3月まで、胃が痛くなるような時期が続きました。事業計画や予算、来年度の人員計画、部下との面談。仕事が立て込んでくると、いくら自分で“仕事スイッチ”…

自分に与えられた時間(2)

父親としての役割 私たちの娘二人は、海外駐在中に誕生しました。当時、男性社員は、子の出産に際して三日間の“特別休暇”が付与されましたが、実家からのサポートの無い中での三日間の休暇はほとんど役に立つものではありません。 駐在先での出産は、私たち…

自分に与えられた時間(1)

残業ゼロのしわ寄せ 私が管理職だった頃を振り返ると、自分や家族のための時間がとても限られていたことに改めて気がつきました。当時は、会社での仕事と睡眠を差し引いた残りが、自分と家族に与えられた束の間の時間でした。 私はそれを普通だとは考えてい…

仕事と健康

自分の体は自分で守る 私は学生時代にいくつかアルバイトを掛け持ちしていましたが、かなり忙しい毎日を送っていながら体調不良でダウンすることはありませんでした。若くて体力が有り余っていたこともあったのでしょうが、仕事で思い悩むことが無かったから…

偉いと思ったら終わり

役回りとプライド 誰かに対して頭を下げることは決して恥ずかしいことではありません。私は仕事柄、これまで官庁や金融機関とのやり取りすることが多かったのですが、許認可の取得や融資の承認のために何度と無く頭を下げました。 勝手が分からない後輩社員…

人材争奪戦

会社に求めるもの 私の勤め先の若手社員と話をしていると、長く勤められる会社よりも、自分を成長させてくれる会社を、また、勤続年数に応じて昇給する年功制よりも自身の経験や能力を正当に評価してくれる会社を志向していることが分かります。 会社側は、…

薄氷の上の自分

休職中の同僚 私の部署に病気休職中の同僚がいます。彼が休職扱いとなったのは昨年の八月のことでしたから、もう一年近く自宅療養を続けていることになります。今は会社の産業医が定期的に彼と面談して人事部に報告する他は、私を含め極一部の親しい同僚が時…

穴の開いたバケツ

穴の開いたバケツ 私の勤め先での人手不足の話は尽きませんが、先日人事部から部長以上の管理職に内々に伝えられた要請は、会社の現状を如実に表していると思いました。 それは、自己都合で退職した元社員を呼び戻す“活動”についてでした。それぞれの社員の…

働き方の選択肢(2)

管理職減らし どこの会社でも役位が上がればポストは減ります。私の勤め先も例外ではありません。かつては、幹部社員は本社のポストに“空き”が無ければ、子会社や関連会社の役員や管理職への道が残されていました。 ところが、ある時期、不採算事業からの撤…

働き方の選択肢(1)

一括転換 私の勤め先では数年前の一時期、働き方の多様化を図ろうとして、“ダイバーシティ推進グループ”を立ち上げました。キャリア採用で獲得した女性幹部社員をリーダーに「ワークライフバランス」、「シルバー人材の活用」、そして「女性社員の活躍支援」…

空回りする人材育成

時間管理のマトリックス 私が若手社員だった頃に上司や先輩から読むように進められた本の中に、スティーブン・コヴィーの書いた「七つの習慣」があります。同著はその後超ロングセラーとなっているので、手にした方も多いのではないかと思います。 この本は…

時間の余裕は心の余裕

奪われる時間 在宅勤務によって自分の時間が増えたと言う話は過去の記事で何度か触れましたが、それに加えて、担当している業務が自分のペースで進められるので、勤務時間全体に余裕が生まれました。 時間的にゆとりを持って仕事が出来る状態になったことも…

休みたい時に休むこと

目標は有休未消化ゼロ 間もなく夏休みシーズンとなりますが、私の勤め先は全社的な夏季休暇が無いので、各自が有給休暇を消化して夏休みを取ることになります。 今の部署では、私が部長職の時から部員には予め年間の休暇スケジュールを立ててもらって有休未…

管理と監督

起きるはずだった問題 在宅勤務制度が導入されて三度目の夏になりました。 この制度は、新型コロナの蔓延を奇貨として労働組合が会社に働きかけたことによって実現したもので、当初、会社は状況が改善されれば廃止する「暫定的な制度」のつもりでした。 元々…

内緒の話(3)

余計なお世話 入社3年目のことでした。当時、私は結婚と同時に本社に転勤となり、同じビルの関連会社に出向していました。その会社は同業他社や商社との合弁会社で金融機関からの借り入れもあったので、それぞれの会社からの出向者の寄せ集め社員で構成され…

内緒の話(2)

仕事とプライベートの距離 社内の人間関係は昔と比べてドライになったと思います。仕事とプライベートの線引きをはっきりさせている社員が増えました。 以前、私がまだ社内のHR委員会の属していた頃、若手・中堅社員の社外流出の理由を上下関係の希薄さに求…

危機感と現実の問題

あちらとこちら 社員の意識調査を題材に部内でディスカッションをすると言う話がありました。先週、部員を4~5名ほどの三つのチームに分けて議論しました。 lambamirstan.hatenablog.com 私は部長に議論への参加を促しましたが、自分がいない方が忌憚の無い…

優越感とは

悪事千里を走る 在宅勤務の開始以来、部内の人間が一同に会する機会がほとんど無くなったことから、人事部は各部単位、あるいは課単位で“コミュニケーションタイム”を設けることを推奨しました。 私の部では、全員が会話に参加できるように課ごとでは無く、…

会社の思惑 社員の思い

言うことを聞かない社員 私の勤め先では4月1日が大規模な人事異動のタイミングなのですが、年々人のやり繰りに苦慮する度合いが高まっているようです。 それは、単に人手不足だけでは無く、転勤や駐在、あるいは昇格を拒む社員が増えつつあることも理由のよ…

気持ちを留め置く場所

つながり続ける世界 今のご時世、携帯電話を持たない人を探すのは難しいと思います。私の母は、その“探すのが難しい”部類に属しています。 母は八十半ばで独り暮らしの身なので、何度か携帯電話を持つように促したのですが、「固定電話で十分」と言い、息子…

危機意識と緊張感

意識調査 社員の意識調査。私の勤め先では、たまに思い出したように意識調査を行ないますが、それが何にどのように活かされているのかは分かりません。 最近、意識調査を行なった主管部から各部に対して、回答結果をたたき台にしてディスカッションを行なう…

効率化のジレンマ 再び

不信感 私の元部下で現在の上司でもある課長が、今月一日付で異動となりました。後任は決まらず、当面の間は部長が課長の職務を代行することになります。 私は部長から課長の様子がおかしいと聞かされていました。部長がそれに気がついたのは4月の組織改編の…

老木の余命

優しい総括 私の勤め先のように減点主義の会社では、ひとたび考課表に×がつくとそれを消すことはほとんど不可能です。大胆な挑戦や画期的な改革は得てして煙たがられ、如何に失敗しないかを探ることが“成功のカギ”となります。 事業が失敗に終われば誰かが責…

肩の荷を下ろす

早期退職 私と同期の人間が早期退職することとなりました。同期と言っても相手は院卒。誕生月の6月一杯で役職定年を迎えるのに合わせて会社を去ることを決めたのでした。 在宅勤務中心の私が会社に顔を出すのは、同じ部の人間からも珍しがられるようになっ…

余計な一言

退任 先日、私の勤め先の決算発表と役員候補者が発表となりました。私の元上司の役員は退任となりました。 私が役職を下りることを申し出た時、のらりくらりとはぐらかす様な態度をしばらく続けていたのですが、それは、私の後任探しが面倒なだけだったのか…